SaaSリスティング広告

【2020年版】国内SaaSのリスティング広告出稿調査まとめ(株式会社OKAN 橋本大祐)

橋本大祐
OKAN ハイジ|インハウスマーケティングラボ

こんにちは。株式会社OKANの人材定着を促進する組織改善サービス「ハイジ」のマーケティング・カスタマーサクセスを担当する橋本大祐です。

今回の「インハウスマーケティングラボ」では、私が過去に執筆したnoteの中で反響が特に大きかった「SaaSのサービスサイト分析」企画のスピンオフとさせていただきます。25個の国内SaaSの「リスティング広告」について分析した結果を紹介していきます。

▼前回の記事はこちら
新規事業立ち上げの中で重宝しているツール10選|株式会社OKANの橋本 大祐

※なお、リスティング広告は時期等により出稿しないケースがあります。あくまで参考程度に捉えてください。加えて本調査に利用した「Ahrefs」のデータは実際の数値とは多少異なる可能性がございます。以上2点ご了承いただけますと幸いです。(Shirofune編集部による追記)

※おすすめ記事:Web広告のインハウス化(内製化)ガイド。代理店委託から内製化移行を成功させるために。内製化のメリット・デメリットも解説

25の国内SaaSのリスティング広告出稿比率

※「Ahrefs」のデータ参照

今回、調査した対象の25サービスの内、92%の23サービスがリスティング広告を出稿していました。

出稿が簡単なリスティング広告はPDCAを回しやすく、顕在層へリーチできる手法です。そのため、事業フェーズやチームの人数に問わず、リード獲得やニーズの効果検証にオススメです。

弊社サービスの「ハイジ」でも、マーケティング活動開始のタイミングと同時に出稿を開始しました。広告運用自動化ツールの「Shirofune」を使いつつ、出稿キーワードの調整や出稿単価の調整などを繰り返し、安定的なリード獲得実現しました。

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出稿キーワード数

※「Ahrefs」のデータ参照

出稿キーワード数に特別な傾向は見られませんでした。調査の結果、各サービスの出稿理由は以下によるものと推察しました。

  • ・事業のフェーズ
  • ・他社の出稿状況
  • ・市場でのクラウド利用状況

最小値:10
最大値:8035
中央値:411
平均値:1269

参考例として、弊社サービスの「ハイジ」の出稿状況をご紹介します。現在、弊社では、約250のキーワードを出稿しています。そして、リード獲得に寄与しないキーワードの除外や、ロングテールキーワードの新たな追加など、キーワードの効果検証を繰り返しています。

キーワードは、営業時や既存のユーザーへのヒアリングの中で頻出するワードや、競合が出稿しているキーワードなどを参考に選定しています。そこから、自社サービスのリード獲得に影響しそうなキーワードを出稿します。

出稿後は、リード獲得単価やリード獲得数を分析し、キーワードの除外や追加などを都度行っています。

広告の着地先ページ(LP)数

※「Ahrefs」のデータ参照

リスティング広告の着地先のページ数は、1ページから277ページという結果に。277ページのサービスは、着地先のページの中身の一部とタイトルを変更することでキーワードに合わせて細かく設計しているようです。

最小値:1
最大値:277
中央値:10
平均値:28

以下のページを着地先に設定するサービスが多い印象でした。

  • ・サービスサイトのトップ
  • ・料金ページ
  • ・事例ページ
  • ・記事型LP
  • ・1ページ完結の専用LP

初めてリスティング広告を出稿をするのであれば、まずはサービスサイトのトップページを着地先ページとして設定することをオススメします。専用のLPについては、流入からの直帰率とCV数及びCVRから判断して作成すると良いでしょう。

様々な企業にヒアリングした結果、弊社ではCVRが3%以上であれば、着地先の変更は必要がなく、CVRが1.5%未満であれば、専用LPを作成すべきと判断しています。

※「Ahrefs」のデータ参照

キーワードのインサイトに沿ったLPをセットで用意することが理想です。データから読み取れたことは、以下2点です。

  • ・出稿キーワード数と着地先のLPの数に緩やかな相関
  • ・10〜1000キーワードがおよそ30ページに流入するような運用

指名検索での広告出稿の有無

※「Ahrefs」のデータ参照

リスティング広告を出稿しているサービスの内、自社のサービス名で広告を出稿しているサービスは、23サービス中18サービス。出稿をしていない5サービスは、「検索1位の獲得」と「他社サービスが未出稿」の2点が共通していました。

指名検索によるリスティング広告の出稿は、他社サービスへの流出を防ぎ、さらに検索画面の専用面積を広げるため、結果的に流入数が増加するメリットもあります。

特に今回選定したサービスの多くは、テレビCMやタクシー広告など、認知拡大に有効なマス広告を活用しています。自社サービスについて認知し、その後指名検索したユーザーの流入を逃さないためか、約8割のサービスで自社サービス名での出稿が確認できました。

自社サービス名での広告出稿に悩んでいる方は、以下の3点から判断すると良いでしょう。

  • ・自社サービス名で他社サービスが出稿していないか
  • ・自社サービス名でオーガニックの1位を取れているか
  • ・自社サービス名での検索画面内のすべてのページがリード獲得や流入に寄与するか

指名検索での広告オプション活用状況

(上)サイトリンク表示 (下)コールアウト表示

※電話番号表示は、広告のURLの右となりに電話番号を表示させるもの。

自社サービス名で広告出稿をしている18サービスでの広告オプション活用率は100%。

利用されていた広告オプションは「サイトリンク表示」、「コールアウト表示」、「電話番号表示」の3種類でした。

18サービスの内、15サービスが「サイトリンク表示」を、残りの3ページが「コールアウト表示」を利用し、ユーザーに届けたいページを設定していました。さらに、3サービスは、「電話番号表示」を活用しており、検索画面からすぐに電話をかける事が可能な設定にしていました。

他にも、「住所表示」や「アフィリエイト表示」などの広告オプションもありますが、これらはSaaSビジネスですとCVにはあまり寄与しません。

「サイトリンク表示」、「コールアウト表示」での着地先ページランキング

「サイトリンク表示」や「コールアウト表示」で設定されているページをまとめたグラフが以下です。

※「Ahrefs」のデータ参照

ユーザーのインサイトに合わせて、「適切なページを用意」→「ユーザーの疑問を解決」→「コンバージョン」という設計が伺えます。

「サイトリンク表示」や「コールアウト表示」で設定するページに正解はなく、以下のページから選択することをオススメします。

  • ・ユーザーの疑問を解決するページ(特徴、機能一覧、導入事例)
  • ・ユーザーの課題に合わせた訴求ページ(導入事例、課題別のランディングページ)
  • ・CVに近いページ(お問い合わせ、無料申し込み)

調査の中で特に参考にしたいと思った事例

それでは最後に、今回の調査の中で橋本が個人的に「特に参考にしたい!」と感じた事例を2つ紹介します。

「b→dash」(株式会社フロムスクラッチ)

「サイトリンク表示」の着地先ページで多かったパターンは、「b→dash」が出稿されていた以下のパターンです。自社サービスについて多くの興味を示しているユーザーのために、それぞれページを設定されていました。

・他のサービスとどう違い、何が特長なのか?
 →b-dashの特長

・どのような機能があるのか?
 →b-dashの機能

・b-dashのことを含め、もっと幅広く情報収拾をしたい!
 →お役立ち情報はこちら

・b-dashを他社の使用事例を知りたい!
 →導入事例を無料公開中

他にも、「SmartHR」や「Yappli」などのサービスが同様の「サイトリンク表示」で着地先を設定されていました。

「カオナビ」(株式会社カオナビ)

「カオナビ」の指名検索で表示される「サイトリンク表示」では、ユーザーインサイトに合わせた表示先が設計されています。

・どのようなサービスか具体的に知りたいユーザー向け
 →トップページ
 →機能と料金一覧

・少し使ってみたいと感じる温度感が高いユーザー向け
 →カオナビを触ってみたい方

・自社の課題解決につながるサービスを探していたユーザー向け
 →スキル管理と人材育成
 →コミュニケーション活性化

ユーザーインサイトに基づいた着地先の設定によって、流入後の直帰率低下やCVRの向上が見込めます。


以上、今回は「リスティング広告」について、分析結果をまとめました。これからリスティング広告の出稿を考えている方や、成果が伸び悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

また、Shirofuneを使った弊社の事例もございますので、そちらもあわせてぜひ参考にしてください!

訴求メッセージのテストはリスティング広告で。広告運用の自動化で新規事業のターゲット検証とリード獲得を1人でも同時に実現!〜株式会社OKANのShirofune導入事例〜

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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橋本 大祐氏 プロフィール(Twitter:@hashimoto_pres  noteはこちら
株式会社OKAN ハイジ事業部 マーケティング・カスタマーサクセス責任者。
株式会社ベーシックにて、SaaSのインサイドセールス、カスタマーサクセスに従事。その後、メディアの事業企画を務め、事業戦略企画や予実管理、PMを担う。株式会社OKANに入社し現職。

<調査・文=橋本 大祐(@hashimoto_pres)、編集=中島 孝輔(@KosukeNakajima_)>

この記事を書いたライター
橋本大祐

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