カウンセリングインタビュー

カウンセリングを身近にするcotreeは、なぜTwitterとnoteの情報発信に注力するのか?

大木一真(モジカク)
cotree|インハウスマーケティングラボ

「カウンセリングをもっと身近に」をモットーに、オンラインカウンセリングを提供している「cotree」。

「cotree」を運営する株式会社cotreeは、「やさしさでつながる社会をつくる」というビジョンから、悩みを抱えたユーザーとカウンセラーをマッチングすることで、両者の課題解決を行っている今注目を集めるスタートアップの1つだ。

今回の「インハウスマーケティングラボ」では、同社COOの平山 和樹氏に、「cotree」のマーケティング戦略からサービス設計まで、幅広くお話を伺った。

「cotree」でカウンセリングをもっと身近に

株式会社cotree COO 平山 和樹氏

――「cotree」を利用するユーザー層について教えてください。

平山 和樹氏(以下、敬称略):セグメントで分けると、30代と40代の女性がボリュームゾーンです。結婚していたり、子供がいたり、いくつかのコミュニティがあったり、それぞれの人格を使い分けなくてはいけないシーンがたくさんあり、人間関係で悩みを抱えやすいと言われています。

そうした人間関係の不和が生まれた時に、「cotree」を使ってもらうことが多いですね。

――相談される悩みはプライベートについてが多いのでしょうか?

平山:プライベートと仕事、半々ぐらいですね。悩みの相談は個人によって本当にさまざまで、そもそも仕事とプライベートで分けられないこともあります。

――現在サービスの規模を教えてください。

平山:ユーザー数は、最近2万人を超えました。ユーザーの約40〜50%が都内で、あとは地方や最近ですと5〜10%ぐらいは海外で使われています。

健康アップデートを境にSEOから「Twitter」や「note」などソーシャル領域へ

株式会社cotree COO 平山 和樹氏

――「cotree」のマーケティングの課題を教えてください。

平山:カウンセリングやコーチングの必要性に気づいてもらうことが難しいですね。

いざ人間関係が大変になって悩んだ時に「cotree」という名前を第一想起してもらえるか。いかに日常的にその人の生活に「cotree」が馴染めるかだと思っています。

しかし、「カウンセリング」、「コーチング」をよく理解していないまま、「とりあえず受けてみました」みたいなユーザーさんがいらっしゃることも課題でした。

そもそも「カウンセリング」、「コーチング」への理解が不完全なため、期待していたイメージと違い、結果リピート率が下がってしまったんです。リピートしてもらうためにも、「カウンセリング」、「コーチング」の啓蒙や発信が必要だと特に最近は感じています。

――具体的にどのようなマーケティング施策をされているのでしょうか。

平山:時系列でご紹介しますね。私が入社したのが2018年6月ごろ、会社としては4年目でした。初期からSEO施策をずっと取り組んでいました。

「不安な時どうする」、「悩みを相談するには」、「どう悩みを相談すればよいか」といった、カウンセリングやコーチングに関するコラムを1,000本ぐらいストックしていました。キーワードとしては「オンラインカンセリング」を中心に用意しており、それによるアクセスの増加がベースの戦略でしたね。

しかし私が入社した3、4ヶ月後ぐらいに検索アルゴリズムの大きな変更があったんです。そこでいわゆる健康系キーワードはかなり厳しい状況に追い込まれまして、やはりSEOだけに依存することは不健全であるという判断に至りました。

その頃から積極的にTwitterを始めとしたSNS、そして一部リスティング広告の運用を始めたんです。Twitterは入社以前から会社と一部メンバーのアカウントは存在していたのですが、あまり手が回せていなかったのでそのタイミングで運用を始めています。

最近ようやく2人体制になったのですが、それまではマーケティングチームは私1人体制だったので、どんな仕事でもやっていました。CRM(顧客関係管理)や業界向けのメール施策など、なんでもです。

「マーケティング」というよりは、プロダクトの開発まで携わっているので「グロースハック」に近いのかなと思っています。

「適切なユーザー」獲得のため、会員数よりも離脱率を重視

株式会社cotreeのロゴ

――マーケティング施策では何を大事にしているのでしょうか。

平山:「『cotree』をどのように使うべきで、何がいいのか」といったサービスの魅力の発信がすごく大事だと思っています。

例えば、cotreeの「話すカウンセリング」では、3〜5回ほどのパッケージで販売しているのですが、それはユーザー会で得た「3回ぐらいカウンセリングを受けて、ようやく自分なりの活用方法がわかりました」というインサイトを参考にしたからです。

カウンセリングについて、学術的な説明はいくらでもできますが、ユーザーによる主観的な体験によって魅力を言語化し、それをサービスに反映させ、発信しています。それによって売上にもサービス体験にもすごく効果がありましたね。

――具体的にはどのようなKPIで追っているのでしょうか。

平山:離脱率を見て分析しています。

カスタマーサクセスに近いと思っているのですが、サービスとして今は「適切なユーザー」の獲得が大事だと思っています。会員数が100倍になっても、1回で離脱するユーザーが95パーセントもいたら大きなインパクトがありません。

継続の見込みがある「cotree」の価値を提供できそうな人にこそ「cotree」を知ってもらい、使っていただくことが一番大事だと思っています。

運営の「顔」が見えるnote運営

cotreeのnoteのキャプチャ
参考:https://note.com/cotree

――サービスとしてユーザーにはどのようにコミュニケーションしていくべきなのでしょうか?

平山:ユーザーの意図を、サービス側が捻じ曲げないことが大事だと思っています。

マーケティングでも同様に、僕らの「カウンセリング」、「コーチング」の領域では、不安を煽って想起させることはやろうと思えばできます。そして、それをやればきっと利用者は増えると思います。

しかしそれをやりだすと、僕らのポリシーは守れませんし、サービスの利用体験もよくならないと思っています。なので、追っていく数字も入り口である新規ユーザー件数ではなく、サービス体験後にどのような価値を提供できたかを大事にしているんですね。

そうした背景もあって、noteを発信のツールとして活用しています。

サービスの運営者がどんな顔をしていて、ポリシーを持って運営できているのかを見せるのは今後より一層重要になっていくと思います。そのため、会社としての記事でも、できるだけ個人の名前を出しています。

数え切れないほどのサービスが生まれていくなかで、消費者は「誰が、どんな思いでそのサービスを運営しているか」を重視して、自分にとって本当に必要なサービスを選んでいくはずです。

――なぜnoteで情報を発信されているのでしょうか?

平山:前職で使っていたCMSはWordPressでしたが、特に拡散のためにかなり労力を費やすため、継続的な運用にはかなり体力がいるんです……。そのため、サービスとして信頼でき、「cotree」の世界観との親和性も高く、集客力も高い「note」というプラットフォームをフル活用する方が良いという判断です。

兼務でも、成果を出すためのポイント

株式会社cotree COO 平山 和樹氏

――平山さんは、様々な業務を兼任で行いながらマーケティングを行っていると伺っています。多忙の中でも成果を出すための工夫は何かありますか?

平山:兼務していることも多いため、立場上どうしても私に「報連相」が集中しやすい構造になってしまいます。

私の確認や判断の遅れがボトルネックとなり、チームのスピード感が遅くなるリスクがあります。そのため、できるだけ早い段階で、メンバーひとりひとりに権限を移譲することで、兼務の中でも成果を上げられる仕組みを作っています。

サービスの価値を広げるため、ユーザーとの交流を増やしていきたい

株式会社cotree COO 平山 和樹氏

――今後のマーケティングで力を入れていきたい施策について教えてください。

平山:今後はユーザー会やリファラル施策により力を入れていきたいですね。

最近は、まだ「カウンセリング」や「コーチング」を受けたことのない人が、体験したことがある人の感想を聞くイベントを行っています。参加費を無料にする代わりに、来てくれた人に感想を「note」に書いてもらうようにお願いしています。

そこから、「カウンセリング」や「コーチング」未経験の人の考えていることをキャッチアップできますし、結果的にマーケティング的に効果があると思っています。僕らがどれだけサービスの良さを主張しても、あくまでも運営側の発言なので信用されにくこともあると思います。

実際の体験者の話を伝えていくことが、より正しくサービスの価値を広めていくことにつながると信じています。

――ありがとうございました。

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平山 和樹氏 プロフィール(Twitter:@yhkzk
株式会社cotree COO・CN(note)O。ITベンチャー企業でマーケティングや新規事業を担当後、cotreeに参画。自身の不調の経験もあり、人の物語を支えるプロダクトつくりと持続的で健全なチームを推進している。個人として、Twitterを活用したり年間で280本のnoteを書いたり、情報発信のあり方を模索し続けている。

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<編集=カイ マサユキ(@Kai_MSYK)取材・文=大木 一真(モジカク株式会社 @ooki_kazuma) 、撮影=植田 翔(公式サイトはこちら)>

この記事を書いたライター
大木一真(モジカク)

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