【特別企画|広告代理店のクライアントに聞く】「Webの専門知識や運用にかかる労力はツールが代替してくれる。求めているのはコミュニケーション。」広告主はなぜ、広告運用の依頼先を専業代理店から総合代理店に切り替えたのか。〜 株式会社インクリーズヘアーと読売連合広告社の場合〜

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かつらやウィッグなどの増毛商品の販売と、日本各地でサロンを運営する株式会社インクリーズヘアー。同社のターゲットは髪の毛に悩みを抱える男性です。

これまではマーケティング手法として認知を獲得するためのテレビ・新聞・ラジオといったオフライン広告と、ECでの売り上げ増や来店促進のためのオンライン広告を活用してきました。

オフラインの広告は総合広告代理店の読売連合広告社に、オンラインの広告はWeb専業の広告代理店、数社に依頼してきたものの、Web広告の運用改善や代理店との関係性に課題を感じていました。

そこで2022年3月、Web広告も読売連合広告社に依頼することを決意。結果、広告効果が大きく改善し、Webはもちろん、テレビ広告への注力も決定しました。

「今こそ、総合広告代理店の強みが発揮されるとき」と語る同社の下房氏は、代理店の介在価値をどのようなところに感じているのでしょうか。広告主が感じる代理店の「担当者ガチャ」、広告主と代理店のあるべき関係性、代理店に求めることをお聞きしました。

マス広告は総合広告代理店、Web広告はWebの専業代理店に。

当社ではかつらやウィッグといった増毛商品と、それらを販売するサロン運営を日本各地8か所で展開しています。ターゲットとなるのは髪の毛に悩みを抱える男性がメインです。

これまではテレビやラジオ、新聞広告を認知獲得の目的で活用してきました。これらのマス広告は総合広告代理店の読売連合広告社(以下、読連)さんにお願いをしてきました。

一方でWeb広告も以前から展開していました。増毛商品を楽天などのECで販売しているため、その集客とサロンへの来店促進という位置づけです。マス媒体では細かいセグメントは難しいので、ターゲットとなる属性の方々にダイレクトにリーチする目的でも活用しています。

Web広告の配信を始めた当初は、予算も小さかったので私自身が運用者として、GoogleのアドワーズやYahoo!のオーバーチュアという広告管理ツールを利用して出稿していました。

ところがWeb広告は次第に種類が増え、出稿方法も複雑化していきました。他の業務も増えてくる中で細かい設定までをすることが難しくなり、Web広告への専門的な知見を期待して、Web専業の代理店さんにお願いをするようになりました。

新しい広告の配信方法が次々と出てくる中、専業代理店さんにお願いをしたことで広告効果は上がっていきました。

時間の経過とともに下がる代理店のモチベーション。

ただ、次第に新しい課題を感じるようになりました。それは、Webの専業代理店さんは運用を始めた時はモチベーションも高く、コミュニケーションも密にとっていただけるのですが、ある程度広告が回り始めると、だんだんとモチベーションが下がっていくということです。

そのためいくつかの専業代理店とお付き合いをしたのですが、そこで感じたのは「代理店ガチャ」というより「担当者ガチャ」です。担当者による当たりはずれが、少なからずありました。

また、自分で運用をしていた時は思いついたらすぐに管理画面を開いて、設定を変更していたものも、代理店さんを介することで変更にも時間がかかります。変えたいと思っても、タイミングを逃してしまうことがよくあり、PDCAサイクルが遅くなっているように感じたこともありました。

レポートも翌月の半ばに送られてくればいい方で、1ヶ月過ぎて出てくるケースもあり、そうなると改善に向けた打ち合わせも十分にできません。そろそろWebの専業代理店さんは変えた方がいい。そう思っていた時、読連さんからWeb広告の提案をいただきました。

読連さんとはマス媒体を中心に、かれこれ20年近いお付き合いがあります。いつも親身に相談にのってくださるので、信頼を置いているのですが、その提案内容は非常に可能性を感じるものでした。

国内No.1の広告運用ツールを、運用経験10年以上の運用者が操作するという提案。

読連さんの話によると、Shirofuneという国内No.1の実績をもつ広告運用ツールを使って、運用経験10年以上のベテラン運用者が運用をする、という提案内容でした。

実際にShirofuneの画面も見せていただいたのですが、レポートも、管理画面のUIも非常にわかりやすい。なるほどこういうものを使うのか、これなら安心してお任せできるのではないかと強い可能性を感じ、20年間のお付き合いの中で初めてWeb広告をお願いしました。今年(2022年)3月のことです。

これまで代理店を変えると、会社の事業説明やターゲット説明をしたりと、初期設定にどうしても時間がかかりました。その点、読連さんは以前からお付き合いがあったので、とにかく話が早い。

弊社のようなニッチ商材では、多くの人に刺さりやすい最大公約数的なものより、悩みを抱える潜在的な顧客層にどう刺さる言葉を届けられるかが肝になります。

目や肌が綺麗な写真よりも、髪の毛が自然に見える写真が大事になります。そういったポイントもすべて理解された上で、クリエイティブやデザインの提案をしてくださいました。

実際に広告運用がスタートすると、かなり早い段階で成約の形、コンバージョンの形というものが見えてきました。なおかつ、その成果を見た上で、さらにこうしていったらいいのではないか、新しくこういう出し方もしたらいいのではないかと、改善すべきところは改善しながら、新しいアイディアについての会話ができるようになっていきました。

これまで専業代理店に求めてきた、Webの専門的なことはShirofuneというツールに任せ、直感的に広告を扱えるようになってきました。読連さんとの会話も、多少直感的な話になっても、それがしっかり伝わり広告に反映されるので、その点にも良さを感じています。

Shirofuneのダッシュボードも自ら確認。代理店と同じデータを見ているという安心感。

読連さんとは出てきた結果をベースに改善策をしっかり話し合うことで、成果も着実に出ています。非常にいいサイクルでWeb広告を回せるようになったと感じており、その背景に読連さんとの関係性があるのはもちろん、レポートの透明性があります。

実は読連さんはShirofuneのダッシュボード共有機能(※当時はβ版)を使い、弊社にShirofuneの管理画面をオープンにして下さっており、私も閲覧できるようになっています。

Webの専業代理店に依頼していた時、レポートの透明性には疑問を感じたことがありました。データの不正を疑っているわけではないのですが、もしかしたら都合の悪いデータを敢えて伏せているのではないかと感じたことがあったのです。

その点、読連さんは隠すことなくオープンにしてくださっています。運用管理者ではないので、機能に制限はあったとしても、同じデータを閲覧できるというのは出稿側からすると非常に安心感があります。

コミュニケーションをとる際も、違うものを見ながら話していると話のゴールが見えなくなることがありますが、そういったこともありません。同じデータを見て、次どうするべきかの話し合いをしっかりできることに、大きな利点を感じています。

労力はツールが代替してくれる。求めているのは労力ではなく、コミュニケーション。

Shirofuneのようなツールの登場によって、運用にかかる労力やリソースは、ツールが代替してくれるようになりました。だからこそ、コミュニケーションに集中できる。私たちのような広告を出稿する企業が求めているのはそういったことなのだと思います。

そういう意味で、古くから広告に携わっていらっしゃる、読連さんのような総合広告代理店の強みは今だからこそ、より発揮されてくるのではないでしょうか。

スピードだけが大事なのではなく、担当してくれる営業の方の人柄や関係性。事業を理解した上で、他社で培った成功事例をどう活かせば、より良い広告を展開できるのか、二人三脚で一緒に考えてくれる存在というのは今後も必要です。

代理店さんには、ツールが出してくれる様々なデータをもとに、次の戦略を相談できる相手であることを求めています。

今回も広告の種類別や地域別、様々な切り口でデータを確認することで、次の一手を相談しやすくなりました。結果がついてきているので、新しいチャレンジもしやすくなります。追加予算も検討し、Webのみならず、テレビでの広告予算増額も決定しました。

弊社の広告はテレビや新聞を見て、そこから検索広告でページに辿り着き、購入に至るという流れが多いので、マス広告とWeb広告のさらなる相乗効果に期待しています。

(取材・文/藤井恵)

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