テクノロジーの活用でマーケティング効果の最大化を目指す、国内有数のインターネット広告会社の担当者がなぜShirofuneを導入したのか 〜オプトのShirofune導入事例〜
- 株式会社オプト ソリューション企画部 小森 慎司 様
クライアントのマーケティング効果を最大化するためには、より付加価値の高い業務や提案活動が必要となります。
しかし、運用レベルは落とさずに付加価値の高い業務に時間を割くためには、人的ミスが発生しがちな部分にはテクノロジーを導入し、クライアント様との向き合いや戦略立案など人がコミットすべき業務に時間を割く必要があります。
インターネット広告会社大手のオプトがテクノロジーの活用を決断するに至った背景や、Shirofune導入に関する取り組みや成果、社内で起きた変化などについてお話を伺いました。
【課題】
付加価値の高い提案をするため、テクノロジーを導入すべき業務と、人がコミットすべき業務を見極める必要がある
【解決策】
Shirofuneの導入により、運用工数の削減と安定的な効果の創出
【成果】
・削減した工数を新しい価値提供へ
・運用担当者の心理的負荷軽減
付加価値の高いマーケティングソリューションを提供するため、運用レベルは落とすことなく業務を圧縮する
−改めて御社の事業内容をお聞かせください。
株式会社オプトは、広告業務を中心としたマーケティング事業、コンサルタント業務を手がけています。様々な業種のクライアント様とお取り引きがあり、各企業様に合わせたマーケティング・広告効果を最大化させることを目的に、ソリューション提供やマーケティングプロモーションの提案をさせていただいています。
−小森様の所属部署についてもお聞かせください。
ソリューション企画部に所属しています。当部署ではテクノロジーを活用したマーケティングの効果を最大化することを目指しています。テクノロジーの力を用いて広告効果をあげること、人がコミットすべき業務により時間を割くことができる状態をどう実現するかを企画し、導入まで行うのがミッションです。
ソリューション企画部の前身となる部署に所属していた際、Shirofuneの導入を検討しはじめました。広告効果が属人的なものにならない状態をつくること、またそれを高度化させていくこと、ひいては運用レベルは落とさずに、新しい付加価値の創出に向け、クライアント様との向き合う時間をつくるというミッションを担っていました。
−Shirofuneの導入を検討された時は運用上、どのような課題があったのでしょうか。
運用業務は入稿から入札調整、レポート作成と多岐に渡りますが、入稿やレポート作成といった業種問わず対応が必要なところは社内でソリューションが作られカバーできている状態でした。
ただ運用の中で日々の入札調整となると考え方やフローなどは作れても最終的に実行は各人の判断となるため運用にかける時間が人によって異なる状況でした。
その時間をある程度均一化しながら削減しない限りは、新たな価値提供に繋がる時間ができないと考え、運用レベルは落とさずにその時間をどう生み出すかが課題でした。
運用者が運用できる余白があり、感じていた課題を解決できるツールであったことからShirofune導入を決断
−Shirofuneをどのように知りましたか。
上記課題を解決するものとして市場にどのようなものが存在するか?情報収集をしていく中でShirofuneさんのセミナーに参加したのがきっかけです。
−それまで自動運用ツールは導入されていなかったのでしょうか。
過去入れていることはありましたが、ここ数年間は利用していませんでした。
−自社で新たにツールを開発するという選択肢はありましたか。
もちろんありました。
ただ、Shirofuneレベルのものを自社で作ろうとした時にどれくらいの開発工数、期間がかかるか?また媒体もアップデートしていく中で、追随してアップデートし続ける保守費用などと期待効果を算出した場合に、社内で0から作っていくのではなく、今市場に受け入れられているものが自社運用にフィットするのかどうかをアジャイルで検証していくべきという考えになり、結果Shirofuneを導入してみようということになりました。
−本格導入を検討する決め手のなったポイントはどこにあったのでしょうか。
媒体側のアルゴリズムを活かして調整できます、というツールは他にも存在すると思いますが、Shirofuneの場合は運用者が調整したい箇所を用意している点が強みの一つだと思います。
設定予算や期間が顧客ごとに変更でき、それに合わせてどの媒体のどのキャンペーンのどの予算グループに入れるかを顧客によって変えることができます。弊社のアカウントの何%に適用できるかを検討した際、一番困りごとを解決してくれるシェアが高かったことも決め手となりました。
運用者からの反発にはShirofune運用調整のロジックが説得材料に
−導入はどのように進められたのでしょうか。
Shirofune社に相談し、まず初めに一部のアカウントにおいてShirofuneを導入しました。
Shirofuneを利用したアカウントの予算の利用率や広告効果、運用工数といった諸々の指標を見た時にどれくらいのインパクトが出るのかを確認しました。
Shirofuneを導入したアカウントと未導入アカウントにて運用効果や運用工数の違いなどの複数指標でチェックを行いました。
具体的な数値で弊社のアカウントのうち何%に適応できそうかを算出し、どれくらいの利用金額なら導入が現実的かも検討していきました。
この期間中に金額面も含めて色々と相談をさせていただき、懸念点がクリアになったので本格導入を決めました。
−ベテランの運用者から、Shirofune導入に対するネガティブな反応はありましたか。
ありました。自分が自信をもって対応していたことに対して、テクノロジーを導入します。と言われて反発するのはプロとして当然あると思います。
過去にも、広告メディアの自動入札活用が多く使われる前は手動入札で細かく調整することが主流であり、当時も自動入札が信用しきれないので手動入札を続けるといったことは多くありました。だからこそ同じ反応が起こると想定していましたが、その通りでした。
それらの反応に対して、導入の目的やリスクと効果、一部導入期間の成果を共有し、実際にShirofuneがどういう調整をしていくのか、ロジックとセットで説明をして徐々に理解を得ていきました。
また全案件に絶対入れるべきという進め方ではなく、Shirofuneを導入すべき案件のみに入れるという形で進めたので、メリットだけを提示せずに進めたことも大きかったと思います。
予算超過リスクから解放され運用者の心理的負荷も軽減
−実際に導入されてからの感想も聞かせてください。
人がExcel上で行っていた、効果に合わせた予算アロケーションや媒体ごとの入札単価の計算といった工数が削減されている印象です。
−広告効果の面ではいかがでしょうか。
運用レベルを落とさずに導入できたことにより、導入時の広告効果においては大きく変化することはありませんでした。
この導入によって広告効果が上がるようだと、本来行うべき運用ができていないということにもつながるため、その点はよかったと感じています。
−最適化の精度に関してはどのような評価をされていますか。
コンバージョン最大化、というロジックで動いている案件に関しては全く問題ないように思います。
一方で弊社の場合、Shirofuneのコンバージョン最大化というロジックでは動かしづらい顧客ももちろん存在します。
1日1日の配信ボリュームを細かく管理する必要のある案件で、平日と土日で細かい予算調整を行うBtoB系の顧客、セールやCMといった外部影響の大きいEC系顧客などです。
こういった案件ではルールベースだけでは調整しきれず、あくまで外部の状況を加味して調整する必要があるので、Shirofuneの自動入札にどうしても適さない可能性があります。
ただ当初からこれらの顧客は従来型の運用継続を想定していたため、Shirofuneの効果という観点では全く不満はありません。
−Shirofune導入における定性的な効果は何かありましたか。
運用者の心理的負荷軽減を感じました。
これまでは月額1,000万円なら1,000万円でお預かりした予算を超過することがないか、逆に利用率は低すぎないか、担当者は最終日間近になるとヒヤヒヤしながら調整をしていました。
特にゴールデンウィークや年末年始といった長期休暇期間中は、運用者が休日も管理画面を確認してしまう、ということが発生していました。こういった心理的な負担がなくなったのは大きいと思います。
−導入後、社内からの反応はいかがですか。
キャンペーン数が予算の都合上極端に多い顧客の場合、調整をするだけでかなりの時間がかかってしまっていました。
それがShirofuneを導入することで、予算の超過リスク含めて調整を行うことができます。アカウントやキャンペーン数が多ければ多いほど、工数面でのインパクトが大きく、クライアント様との向き合いや戦略立案など、新しい価値創造に向けた業務に時間を割くことができるというポジティブな反応をもらっています。
−特に役に立っている機能はありますか?
Google Analyticsとの連携機能はすごく役に立っています。
今までは媒体と計測ツールの乖離を元に、各媒体の予算や入札単価の調整幅を、人の手によって計算式を入れていました。Shirofuneがメディアやキャンペーンを横断し、自動で調整してくれるのは非常に有り難いです。
一番時間と労力がかかっていた、パラメーターと紐付けて媒体ごとに算出する作業が全てなくなったのも、大きいです。更に最近発表された、アドエビスや他の3rd Party計測ツールにも対応できるというのは、是非活用していきたいと考えています。
広告運用メインのマージンモデルからの脱却、新しいビジネスモデル開発のために
−Shirofune導入により創出できた時間を今後どのように活用していこうとお考えですか。今後の展望をお聞かせください。
運用型広告は、今後より一層媒体に対するテクノロジーの導入が進んでいくと考えています。一方で、テクノロジーの導入が進むからこそ、人が介入することで生まれる付加価値もあると考えています。
弊社は「デジタルで、この国の新しい基本をつくる。」をミッションに掲げ、「デジタル」を活用することでビジネスモデルをアップデートし、企業の事業成長・事業支援にコミットしていく。というミッションを持っています。
広告代理市場の構造改革へのチャレンジとして、マージンモデルから脱却した新たなビジネスモデルの開発と、自社の運用ナレッジを体系化したソリューションの提供に注力します。
それらを実現するためにShirofune導入によって創出した時間を、運用だけにとどまらない形でお客様への価値提供として何ができるのかを顧客担当者が考える時間、エンジニアが開発する時間として使っていければと考えています。
<取材・文=藤井恵>