プロの広告運用者が肌で感じた、媒体の自動化とは異なるShirofuneのアルゴリズムの価値とは。〜カルテットコミュニケーションズのShirofune導入事例〜
- 株式会社カルテットコミュニケーションズ 鈴木 達朗 様・安富 健 様
「世界一効率的な代理店になる」という経営ビジョンを掲げ、リスティング広告運用代行事業や広告運用支援ツールの開発・販売事業を行っている株式会社カルテットコミュニケーションズ。
全国に700を超えるパートナー企業とのネットワークを構築し、主に中小企業の広告主から少額のリスティング広告案件を手掛ける同社の広告運用代行事業では、より一層の効率化と広告効果の改善が求められていたという。
日本最大級の運用組織を抱え、プロの広告運用者が多数在籍する同社が感じたShirofune導入のメリットと導入後の成果について、お話を伺った。
「限られた広告予算でも成果を出したい」という広告主の声
― 貴社事業についてお聞かせください。
鈴木 達朗氏(以下、敬称略):リスティング広告の運用に特化した、専業広告代理店です。「世界一効率的な代理店になる」という経営ビジョンを掲げ、特に事業規模が比較的小さめな中小企業のお客様支援に最も注力しています。日本最大級の規模を誇るリスティング広告の運用組織が弊社の強みであり、運用効果をしっかり出しつつ、大量の案件をお受けすることができています。
安富 健氏(以下、敬称略):弊社では700社以上のパートナー企業さんとお付き合いしており、弊社が下請けとして広告運用を代行させていただいております。日本でこの規模のネットワークを持っている会社は中々ありません。
― 少額案件を多く受けられているとのことですが、どのくらいの広告予算規模になるのでしょうか。
安富:弊社では月の広告費によって、「20万円以下」「20〜40万」といったように区分で分けており、割合としては月20万以下の広告費の案件が多いですね。業種も多種多様でして、飲食店やクリニックなどの医療機関、少規模の通販会社や商圏が狭い地方の小売店さんが中心です。
― 少額案件の広告主様には、どのような課題があるでしょうか。
安富:そもそも広告を出すべきか迷われているケースも少なくありません。やはり可能な限り予算をかけずに成果を出したいというご要望が多いです。中小企業のお客様に対しても成果のでるリスティング広告サービスを安く提供したいという思いから、赤字にならないような手数料モデルでご提案しております。
一般的な広告代理店ですと、広告費実費に対して20%近くのフィー(運用手数料)をいただくケースが多いと思うのですが、弊社の場合は固定費用制を提示しております。例えば、20万円の広告費実費であれば25,000円でお受けさせていただいているので、 実質10.25%の運用手数料になっており、こうした価格面でもお客様から高評価をいただいております。
より一層の運用効率化で事業を成長させたい
― 今回Shirofuneをご導入いただいた背景についてお聞かせください。貴社の広告運用にはどのような課題があったのでしょうか。
鈴木:事業をより成長させる上で、お客様のWeb領域における幅広いニーズに応えていきたい、そのためにも運用担当者のリソースに余裕をもたせたいと考えていました。また、それによって運用担当者のスキルの幅を広げ、新たなキャリアパスをつくりたいとも考えていました。
運用担当者1人あたりの案件数はおよそ50〜70案件(アカウントベースだと100~200)であり、これは業界内でもかなり多いと思います。
業界内でも最大級の運用リソースを持っていることが強みでもあるのですが、その反面、それ以外のご相談はお断りするしかなかったのです。リスティング広告の運用だけでなく、よりお客様のビジネスにコミットするためには運用担当者の手を空ける必要があるため、既存の広告運用をより一層効率化できるよいツールがないかずっと探していました。
― 効率的な広告運用を実現するために、これまでどのようなお取り組みをされてきたのでしょうか。
鈴木:弊社が開発、提供しているリスティング広告運用の支援ツール「Lisket(リスケット)」を活用して、運用工数をとにかく圧縮してきました。例えば、時間のかかるレポート作成やデータの集計、キーワードの調査といった、リスティング広告運用の周辺業務を圧縮することには成功してきたのですが、それ以上の効率化はなかなか実現できなかったのです。
また、弊社は広告代理店業界でよく見られる残業続きの働き方に疑問を感じています。現在、1社員における月あたりの残業は7.6時間に抑えられており、これを今後も維持していきながら成長するためにも、さらなる業務効率化が求められていました。
「成果が出るか」だけが比較検討のポイント
― Shirofune導入までの経緯についてお聞かせください。
鈴木:弊社の専務とShirofuneさんが数年前からお付き合いがあったこともあり、ツールの存在は以前から知っており、はじめは「すごいツールが出てきたかも」という印象でした。
その後実際に様々な企業で成果が出ていると聞き、いよいよ導入を検討することになりまして、2020年2月からトライアルを開始。その期間にせっかくの機会なので他社ツールとも比較検討しましたが、「導入するならShirofune」という結論は変わらず、5月には正式に導入となりました。
― 正式に導入することとなった決め手はどこにあったのでしょうか。
鈴木:「業務が効率化された上で成果が出るかどうか」、この1点だけをトライアル期間で検証しました。ツールの導入はあくまでお客様のためです。弊社のお客様は中小企業かつ、少額予算であるため、少しでも成果を感じないと継続していただけません。だからこそ、私たちは「成果を出すこと」に強いこだわりがあります。そして検証の結果、「Shirofuneを使えば成果が出る」という結論に至りました。
CV数は倍増し、CPCは半額以下に。トライアル期間からさっそく効果が
― Shirofuneの導入で、広告成果はどの程度改善されたのでしょうか。
安富:具体的な案件名は伏せて、2つの事例をご紹介します。
1件目:お問い合わせの本CV、マイクロCVの両方が倍に
この広告主様は予算がかなり少なく、5, 6万円くらいの案件でした。3月からShirofuneで運用したところ、前月と比べて4件のお問い合わせは8件に増え、またマイクロCVとして設定していた訪問数も、15件から30件へと倍に伸びました。
Shirofuneの特徴の1つとして、コンバージョンの優先順位をつけられる機能があります。今回は本CVの優先度を高くし、マイクロCVの優先度を低めました。その結果、両方のCVで最適化が働くことになったのだと思われます。
2件目:認知獲得系の配信でクリック数が倍に
この広告主様の案件ではお問い合わせのCVポイントを設けず、GoogleとYahoo!でディスプレイ配信を行いました。20万円ほどの広告費で配信しており、元々CPCも高くはなかったのですが、Shirofuneを導入したところ、CPCが半分以下までに下がり、結果的にクリック数が倍になりました。
この案件に限らず、ShirofuneはCPCの抑制という成果を出しやすいなと感じており、これは導入したほとんどの案件で同じ傾向です。仮にShirofuneがCPCを下げる調整を行い配信量がかなり減っても、日次で調整が入るため、そのまま配信量が戻らないということがありません。だから、安心して利用することができます。
― 工数の削減の改善についてはいかがでしたか。
安富:普通に運用する場合、少額の案件であればあるほど、手動で作業をしなければならない場面が多いのです。なぜならば、媒体による自動化などが効果的に機能するのはスケールメリットが働く場合であり、少額案件ではその恩恵にあずかれないことがほとんどだからです。一方、Shirofuneだと少額案件でもきちんと自動最適化されるため、手動調整の手間と時間が削減され、単純作業にかける時間やストレスも減りました。
また、運用者の仕事の1つに、組み立てたプラン通りに予算投下できているかチェックする「予算管理」があるのですが、Shirofuneでは月ごとの予算設定ができ、そこに着地できるように配信してくれるため、そのチェックの工数も削減できました。
プロの広告運用者も認めた、熟練の職人の技を再現したアルゴリズム
― トライアル期間を含め、Shirofuneを活用されたご感想をお聞かせください。
鈴木:「プロの広告運用者だったら、どのような挙動で運用するか」というShirofuneのコンセプトが実現されているなとトライアル期間から感じていました。
安富:説明しやすい「改善提案機能」のところでお話しますと、例えば、以前までは無駄なキーワードは運用者が目視で判断し、手動で調整する必要がありました。
しかしShirofuneは、ただ広告効果の数値を見せるだけでなく、その数値から判断して「次にどうすればよいのか」を提示してくれます。その提示する内容も、「そのキーワードは明らかに除外した方がいいですよ」という単純なものから、「このキーワードは良いように見えるけれど、長い目で見ると実は悪いので止めた方がいいです」という高度なものまであったのです。
こうした改善提案(サジェスト)の精度は弊社の運用担当者の分析とマッチしたもので、「プロの広告運用者が考えることを、アルゴリズムで実現するとはこういうことだったのか」と実感させられました。これは現場の運用担当も同じ意見です。
鈴木:媒体側(Google)の管理画面で提示される最適化のサジェストは受け入れられない内容が多いのですが、Shirofuneのサジェストは違います。これはサービスのコンセプトの違いによるものだと考えています。
媒体側の改善提案コンセプト→検索者目線
“ユーザーに有益な情報を届けたい”
”より広告費用を使ってもらいたい“
Shirofuneの改善提案コンセプト→広告主目線
“広告効果を最大化させたい”
広告予算に余裕があるとき、媒体側もShirofuneも別のキーワードでの広告出稿をサジェストします。この場合、媒体で自動化していると、「ビックワード」ばかりがサジェストされます。
例えるなら、りんご通販で広告を出稿している時に「『りんご』で広告を打ちませんか?」というサジェストがされるのです。しかしそれだと、「りんごを買いたい人」以外にも広告が出てきてしまいます。
これは「ユーザーにとって有益」というアルゴリズムからきていると考えられますが、少なくとも現段階では媒体的に「りんごの関連情報は基本的に有益」というスタンスなのでしょうね。
広告費をもっと使ってほしいというのも、媒体的な利益だけでなく「情報を求めているユーザーの利便性向上」というポジティブなイメージも含まれますし。ただ、これは予算の限られている中小企業案件の広告効果を最大化する、という視点からすると、どうしてもマッチしてこないんですよね。
しかしShirofuneの自動化の場合、ちゃんと「りんご通販」に関連するキーワードをサジェストしてくれるため、「りんごを買いたい人」にちゃんと広告を出すことができるのです。
広告効果を最大化するうえでは「買いたい」というニーズにしっかりと当て込む必要があるため、Shirofuneの自動化はまさに運用者が考えるアルゴリズムだなと。
ホワイトな働き方で「世界一効率的な代理店」を実現する
― 今後の展望について、お聞かせください。
鈴木:私たちは「世界一効率的な代理店になる」という、スケールの大きい経営ビジョンを掲げています。それはつまり、1人あたりの案件数が最も多い広告代理店であるということ。日本の大半の企業は中小企業です。リスティング広告で成果を出し、中小企業を1つでも多く救うことで社会貢献になるのではないかと考えています。
そしてこの経営ビジョンを、残業がないホワイトな働き方を維持しながら実現していきます。もともと弊社代表が広告代理店業界の残業文化が嫌で、この会社を設立したという背景もあり、社員の働き方に対する意識はかなり高いと思います。そのためにも、Shirofuneを活用して運用担当者の単純な作業が全てなくなるという理想の状態を実現していきたいですね。
― ありがとうございました。
<文・編集=大木一真>