印刷業界が生き残る道はDXにある。総合商社フジテックスの谷浦氏が語る印刷・サイン出力業界のこれから

Shirofune広報担当
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広告市場に占める紙媒体は年々その存在感を失い、印刷業界の市場規模は全盛期である1991年の9兆円をピークに、今や4兆円を切る規模にまで縮小している。この市場変化に伴い、大きな打撃を受けているのが日本全国に2万社存在しているという印刷会社・サイン出力会社だ。

印刷業界と言われる同業界の現状はどのようになっているのか。生き残るために求められるキーワードは「デジタルトランスフォーメーション」。総合商社の株式会社フジテックスで印刷業界・サイン出力業界に向けた新サービス開発、DXの推進支援を行う執行役員、谷浦康平氏にお話を伺った。

※本取材はオンラインで行いました。

谷浦康平氏 株式会社フジテックス 執行役員
 
2008年株式会社フジテックスに新卒入社。販売促進関連事業の営業部を経て2017年海外事業部を兼任。海外製品の仕入れや製品開発を担当。その後全社の人材開発、教育研修にも携わる。現在は複数の事業マネジメントと自社で運営するウェブサイト、ECサイトのマーケティングを担当。担当事業の一つであるデジタルプリンティング事業では印刷業界・サイン出力業界に向けて、SDGsや脱酸素、カーボンニュートラルといった切り口で新しいサービスの開発、DXの推進支援を行なっている。

紙媒体の広告売り上げは全盛期の半分以下に。変革を迫られる印刷・サイン出力業界

印刷業界は今、大きな変革を迫られています。広告市場全体で見ると紙媒体の売り上げは年々縮小を続け、全盛期9兆円あった印刷業界の市場規模はこのコロナ禍で減少・縮小が進み、その規模は4兆円を切る水準にまで落ち込んでいます。

一方でインターネット広告は2019年、長年に渡り広告費トップに君臨していたテレビ広告を抜きました。成長に成長を続け、今やインターネット広告の市場規模は2兆円を超えるまで膨らんでいます。紙媒体を生業としてきた印刷業界・サイン出力業界は今、これまでの市場がシュリンクしていく環境変化に直面しています。

その背景には効果性を求める広告主の存在があります。市場も顧客ニーズも大きくデジタルにシフトしている状況で、これまでの4マス広告からインターネットに広告主の予算が大きくシフトを始めています。市場と顧客が変わり、その売り手である印刷・サイン出力業界も変わらざるを得ない状況に迫られています。

そもそも印刷業界は大手2社の寡占市場で、他の会社は下請け、孫請けをする業界構造。約2万社と言われる中小規模の印刷会社が全国にあり、大手が引き受けない仕事を下支えしています。

これまでの印刷業界は長い間、元請け企業や広告主、代理店からの制作物を「安く」「早く」「確実に」作ることを求められてきました。結果として良くも悪くも受け身体質が染み付いてしまっています。

そんな中で印刷業を営む会社は紙媒体の定期発注が次々とストップし、その予算がデジタルにシフトしていく只中にあり、クライアントの課題は理解していても課題解決の提案、代替提案ができないという悩みを抱えています。クライアントニーズに対応したデジタル事業を始めようにも人材がいないのです。

こういった印刷業界・サイン出力業界の現状を打破するお手伝いができないかと、私はフジテックスという総合商社の立場で、業界に向けた新しいサービスの開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進支援を行なっています。

広告主の「不」と印刷会社の経営資源。この掛け合わせにビジネスチャンスがある

私が目をつけたのは広告主側が抱える「不」です。「デジタルとアナログの発注先がバラバラになったことで、部分最適の提案しかもらえない」「デジタル広告の代理店はレポートの報告のみで改善提案までしてくれない」といった不便・不満・不信感を広告主は抱いています。

広告主からするとデジタル広告の代理店とは付き合いも浅く、発注先がアナログ広告とバラバラなことによる手間が発生しています。一方で印刷会社はこれまで広告主と深く関係構築をしてきた礎、広告主とのネットワークを持っています

広告主の抱える「不」と、印刷会社がこれまで築いてきた経営資源を掛け合わせることでビジネスチャンスにつながるのではないかと考えています。

とは言え、印刷会社が変革しようにも人材が不足した状態でデジタルトランスフォーメーションを推進し、デジタルツールを導入して解決しようとしても、ツールが使いこなせずに終わってしまうことがよくあります。トランスフォーメーションという観点では「人」と「組織」の変革をしていくことがDXの本丸と考え、そこをしっかり支援していくことが総合商社としての我々の役割と捉えています。

印刷会社のデジタルトランスフォーメーションを推進した方法とは?

そこで我々が注目したのが広告運用自動化ツールのShirofuneです。もともと外注していた弊社のtoB向けの運用型デジタル広告を自社運用に切り替えようと試しに使ってみたところ、運用が内製化でき結果的にコストを抑えながら成果もあげることができました。

人材不足の印刷業界でも活用できるのではないかと感じました。今やShirofuneは代理店さんや地方の新聞社さんにも導入が広がっており、印刷会社・サイン出力業界との親和性も感じました。

すでに弊社を通じて、印刷会社の数社がShirofuneを活用しています。まだ導入したばかりなので各社勉強の段階ではありますが、自社の広告運用でノウハウや知見、経験値を積んでいただき、その経験値をもとにクライアントに商材として外販していく絵を描いています。

このようにShirofuneの導入促進、活用をしながらデジタルマーケティングの教育研修をパッケージ化し、目下、印刷業界のDXを推進しているところです。印刷会社がデジタル広告に参入するためのステップを示し、そこに対して我々がワンストップでサポートしていきたいと考えています。

印刷会社がデジタルトランスフォーメーションするためのポイントはステップをしっかり踏んでいくこと。早急に成果を求めすぎてしまうと失敗してしまいます。ファーストステップはインプットの期間、土台を固める期間と位置づけ、自社のデジタル広告運用でしっかりと実績、経験値を積んでいただく。その上でクライアントに提案をしていくステップを踏むことが重要と考えています。

また新規事業はどうしても生産性や効率が悪くなってしまいます。そうなった時に、既存事業と比較するべきではありません。本当に変革を推進するのであれば既存事業とマネジメントを分けて取り組むことが大切です。そういう意味では、経営トップがいかにコミットするかが成否を分けるポイントになります。

創業事業に固執せず、クライアントのマーケティング課題を解決する、という本質に立ち返るべき

今はまだ変革のスタート地点です。

変革に踏み切れない印刷会社さんもいれば、自らの置かれた状況に強い危機感を持ち、変わろうとしている印刷会社さんもいらっしゃいます。弊社としては、変わろうとしている印刷会社さんを全力でサポートすることから始めています。

一社また一社と成功事例を作ることで、業界が変わるためのきっかけを作り変革をサポートしたい。これまで変化に気づきながらもまだ早い、まだ早いと先送りにしてきた問題に向き合う時が来ているように思います。

多くの印刷会社さんには現状維持バイアスがあり、過去の成功体験が深く根付いています。特に年配の経営者であるほどその傾向は顕著で、営業の手法も売る商材も今までのやり方に固執しがちです。

創業事業に固執するのではなく、もともとの印刷会社さん、出力会社さんがやってきたマーケティングコミュニケーションを通してクライアントの事業拡大、課題解決にコミットする本質に立ち返ることが重要ではないでしょうか。

この本質に立ち返り、紙媒体とデジタル媒体を組み合わせた提案をし、相乗効果を追求することでクライアントの課題解決、事業拡大を支援する。既存クライアントの役に立つ提案をしていくという、これまでも大切にしてきたミッションをぶらさないことが重要です。

地域の印刷会社が元気だと、地域の経済も元気になる

日々、印刷会社さんと接していて思うのは、実は地方にこそチャンスがあるということです。

地方ほどデジタル広告に対する不信感を持っている広告主が多くいます。コロナ禍で打ち合わせがオンライン化していることも、不信感を助長している理由の一つかもしれません。ここで地場の印刷会社さんが広告主との信頼関係をいかし、デジタル広告の提案をしていけると大きなチャンスに繋がります

今、日本全国に印刷会社は2万社程存在していて、印刷業に携わる労働人口は30万人に登ると言われています。これまでは印刷会社さんがマーケティングコミュニケーションというサービスを通じて日本経済を支えてきた、盛り上げてきたのではないでしょうか。

30万人が業界のあるべき姿から逆算して成長戦略を描き、デジタルトランスフォーメーションしていくことで必然的に地域の企業も盛り上がるのではないかと思います。

地域の印刷会社が元気だと、地域の経済も元気になるという論をよく耳にしますが、まさにそういうことでしょう。そのためにも、今変わろうとしている印刷会社さんを引き続き全力でサポートしていきたいです。

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(写真/矢野 拓実 取材・文/藤井 恵 編集/中島 孝輔 株式会社才流)

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