マッチングアプリではなくInstagramが”出会いのツール”として利用される?その背景にあるユーザーインサイトとは
- Shirofune広報担当
近年、急速に市場を伸ばしてきている日本のマッチングアプリ市場。アメリカの市場規模が2,000億円〜3,000億円であるのに対し、日本はおよそ530億円規模と、まだまだポテンシャルがある市場と予測されています。
一方で、マッチングアプリは使わず、代わりにInstagramを出会いのきっかけに使っている人もいるようです。コスパ重視の恋愛をする人が増えていると言われる中で、マッチングツールに求めるもの、またInstagramを代わりに使っている理由は何なのでしょうか。
まずは、複数のマッチングアプリを使ったことがある大学4年生の男性(東京)にマッチングアプリに求めるものをインタビューをしてみました。
※こちらの記事は、マーケティング担当者が参考にしていただけるようなユーザー行動やインサイトを知る目的の記事になります。定量調査による内容ではありません。
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マッチング率が高く、面倒くさくないマッチングアプリを使う
男子大学生:
これまで使ったことのあるマッチングアプリはPairs、Tinder、Omiai、With、CROSS ME、タップルの6つです。
はじめは、そのとき知名度が高くアプリストアの評価が高かったPairsから使いはじめ、Pairsが面白かったのでその後Omiai、Withなど他のアプリはどんなものだろうと次々と使い始めました。
いろいろ試した中で、一番よかったのはCROSS ME(クロスミー)です。マッチング率が高く、まともな子が多いイメージがあります。毎日数十人が自動でピックアップされて選べるようになっていて、自分からわざわざ探し出さなくてもアプリからレコメンドしてくれるのが楽でいいです。
他のアプリでは、自分から探しに行かないといけないものがあり面倒くさいんですよね
マッチングアプリのユーザー側のハードルのひとつはアプローチする相手を見つけることです。消費したいコンテンツが他に多くある中で、手間がかからず簡単に相手が見つかり出会えるというマッチングのコスパを求めている方も多いのかもしれません。
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マッチングアプリを使っていることを知られるのは恥ずかしい
男子大学生:
マッチングアプリを使っていることを知り合いに知られるのは、とにかく恥ずかしいですね。
知り合いがレコメンドに出てきた時はすぐにその人をブロックしました。
周りも使っている人がいるかもしれませんが、あまり聞かないし言わないです。
アプリを使いはじめるかどうかの話になると、「まだマッチングアプリに手を出さなくてもいいのでは」という流れになったりします。大学生はリアルで出会うチャンスはたくさんあるので。
あとは、よくTwitterやFacebookでもマッチングアプリの広告が出てきますが、露出度の高い女性の写真だったりでクリーンなイメージがないです。それも抵抗感につながっている理由の一つではないでしょうか。
僕だったら、その広告を見てダウンロードしたんだなって思ってしまいます。
インスタのハッシュタグ検索で共通の趣味の人を見つける
以前はマッチングアプリを使っていたが、今はInstagramを出会いのツールとして使っている20代後半の男性(会社員・東京)。マッチングアプリの代わりにInstagramを使うようになった理由と、実際にどのように使っているのかお話を伺ってみました。
会社員男性:
マッチングアプリも以前はやっていましたが、お互いの平面的なことしか見えないし、気になる相手を探す手間がかかるのと、基本的なメッセージのやり取りが面倒なんですよね。
スマホの画面を見られて、マッチングアプリをやっているのがバレるのも恥ずかしい。
例えば僕の場合は、走ることが趣味なので「#ランニング好きな人と繋がりたい」「#ランニング女子」などとInstagram内でハッシュタグ検索をします。
そうすると、同じようにランニングが趣味でつながりを求めている人がヒットするので、プロフィールからその人の過去の投稿などを見にいきます。投稿にはランニング以外の写真などがあることが多いので、他の趣味は何か、何が好きそうか、相性が良さそうか、など何となく相手のイメージを膨らますことができるんです。
マッチングアプリみたいにいろいろ情報が書いてあるよりも、パッとわかるしリアルな情報な感じがします。
そうして相手のことが気になったらフォローして、共通の趣味や気になる投稿をきっかけにコメントしたりメッセージのやり取りをしたりします。
出会うきっかけも、共通の趣味から誘いやすいでし、もし実際に会ってみて恋愛対象じゃなくても趣味仲間として関係性を続けることができるので、マイナスになることはない気がします。
Instagramの場合は、写真が豊富で視覚的な情報が多いため、テキスト情報よりも直感的に楽に判断することができると考えられます。そのため、意識的に(能動的に)探しにいくのではなく、比較的受動的に気になる相手を見つけることができるのかもしれません。
Instagramはマッチングアプリで満たさないニーズを満たす
会社員男性:
マッチングアプリは、相手も恋人やデート相手を求めているというのがあるので、実際に会うまでのハードルは下がるかもしれません。なのでとにかくすぐに出会いたい、遊びたい、という人にはいいかもしれないです。
僕の場合はそこまですぐに誰かと会いたいというよりも、自然にお互いを知っていく中で会う機会があればラッキーかな、という感じです。
リアルでも多少は出会いがありますし、課金してまでアプリで気になる人探して、メッセージやりとりして、というのがコスパが悪いというか・・・。
出会いたいモチベーションとか、目的によってインスタとマッチングアプリは使い分けができるんじゃないですかね。
友達で実際にInstagram経由で気になる人と会ったことがある人もいますよ。
お互いにストーリーズとかも見ていて、事前に知っている情報が多いので会話も途切れず話しやすかったみたいですね。
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趣味や興味が同じ人が集まるインスタは出会いのコスパが良い
会社員男性:
あと、インスタグラマーまではいかないですけど、モテるためにインスタでフォロワー集めを頑張ってる人はいます(笑)
自分から気になる人を探しにいくのが面倒だから、おしゃれな写真や比較的盛れてる自分の写真をアップしてますね。
その人はサーフィンが好きなので、海とかサーフィンが好きな子が集まりやすいような写真を中心に投稿しています。確かに、自分の興味を発信することで自然に同じことに興味がある人が集まってくるので、楽だしコスパはいいかもしれないですよね。
まとめ
・マッチングアプリを使うことが「恥ずかしい」「面倒くさい」一方で、Instagramをマッチングツールとして利用しても恥ずかしさはない
・Instagram内での検索はハッシュタグ検索でシンプル、情報は視覚的情報(画像、動画)のためテキスト情報に比べて受動的に「楽に」「多くの情報」を得ることができる
・マッチングアプリが「すぐに出会いたい」というニーズに応えるのに対し、Instagramではォローフォロワー関係でのゆるい繋がりによって「今すぐ出会わなくてもよい」という層に応えることができている
今回はマッチングアプリをテーマに、その周辺で起きているユーザー行動の変化に着目しユーザーインサイトを考察してみました。広告運用やLP、キャンペーンなど各施策の設計時において重要なユーザーインサイトの発見からの仮説立てに参考になれば幸いです。
- この記事を書いたライター
Shirofune広報担当