「広告業界のゲームは変わった。ルールを一から覚え、自ら変わるしか道はない」道内企業を元気にしたいと北海道新聞が選んだ、デジタルシフトへの道〜株式会社北海道新聞社のShirofune導入事例〜

北海道新聞社は創刊から80年に渡り、新聞広告とイベント事業のセールスを軸に展開してきました。時代のニーズに応えて電子版のバナー広告を販売したものの、お客様のニーズを完全には捉えきれず、売上の面では苦しい状況が続いていました。

「広告業界のルールは変わった。クライアントのマーケティングを支援するには、他社の運用型広告も扱う他ない。」

そう決意し、4年前から組織変革をスタート。運用型広告のルールを一から学び、社内のマインドセットの修正を進め、クライアントに提案・伴走する新しい体制を構築しました。

変革を進める中でノウハウ不足に苦戦していた時、Google社から紹介を受けたのがShirofuneでした。運用スキルをあげながら業務を効率化したいと導入を決意。結果、運用者のノウハウ習得を早めながら業務工数を20%程削減することに成功しました。

新聞社が自社商品以外の運用型広告を販売・運用するという大胆な決断をし、変革を進める中で感じた苦労や得られた成果、道内での今後の展開について話を聞きました。

【課題】
・新聞広告とイベント事業、電子版のバナー販売をしてきたが売上が苦戦

【解決策】
・自社商材以外の運用型広告の取り扱いをスタート
・Shirofuneを導入し、運用ノウハウを習得しながら業務を効率化

【成果】
・Shirofuneによって運用者のノウハウ習得が早まる
・運用工数は20%程削減。抑えた工数をレポートの読み解きやプラン作成、顧客コミュニケーションなど「人にしかできない仕事」に充てられるように
・繁忙期もShirofuneによって成果が標準化
・営業が自信を持ってクライアントと向き合えるように

クライアントのために「デジタルの土俵に立つ」ことを決めた

―御社がデジタル広告を扱うようになった経緯からお聞かせください。

株式会社北海道新聞社 東京支社 営業局 局長 堤 智久 様

堤 智久 様(以下、敬称略)
北海道新聞は創刊から80年、一貫して新聞広告とイベント事業を軸にセールスを展開してきました。その後、道新電子版というニュースサイトをリリースし、10年ほどバナー広告を販売してきましたがお客様離れが止まらず、売上は苦戦していました。

ではお客様のニーズがどこにあるのかというと、GoogleやYahoo!といった運用型広告に向いていました。お客様のマーケティング活動を支援するには、相手の土俵に立つしかない。そこで4年前から運用型広告を自社で扱うべく、体制構築をスタートしました。

競技のルールをイチから覚え、自ら変わる苦しさ

―新聞社が他社の運用型広告を販売し、運用をマスターするには、多くのご苦労があったと思います。


苦労したことは大きく3つありました。

1つ目は相手の土俵に立つための基礎トレーニングです。ノウハウやルールを一から学びました。2つ目はインナーサイド、社内への理解促進、3つ目がアウターサイド、取引先や社外への理解促進です。この3つがうまく循環するよう取り組んできました。

株式会社北海道新聞社 営業局 営業本部 ソリューション推進部 部長 花井 篤志 様

花井 篤志 様(以下、敬称略)
特に我々が苦労したのは2つ目の社内理解です。北海道新聞は80年間、新聞広告とイベントの協賛で生き長らえてきました。高収益体質という成功体験をなかなか捨てられず、「土俵が変わった、そもそもの競技が変わった」ということは理解しつつも、認めたくないという思いがどこかでありました。

デジタルネイティブで育ってきた弊社の20代、30代のメンバーはその事実を認識しており、新しい競技のルールをどんどん習得していきます。説得するまでもなく、自ら変わっていきました。

ところが我々50代は競技変更についていくことが厳しく、正直目をつぶりたいという甘えが出てきてしまいます。ルールを覚えて自己を変えていくフェーズはかなり辛いものです。

また3つ目の社外理解促進については、今まさに取り組んでいるところです。

「北海道新聞」という名前から、当然ながら社外には新聞広告社というイメージが浸透しています。新聞という枠を超えて領域を広げたお手伝いができるようになったと説明し、理解を得るにはもう少し時間がかかるように思います。


社外への理解促進のため、この4月にソリューション推進部という部署を新設しました。これまでの「新聞広告を軸にデジタル商材も販売していく」という考えから、一歩進んで「お客様のニーズに合わせて商品、サービスをカスタマイズして提供する」という考えのもと、組織的に推進を強化しています。

Google社から紹介されたShirofune デジタルの世界は広くて深いから、信頼できるパートナーが必要

―現在はShirofuneを導入し、活用いただいていますね。導入の経緯を聞かせてください。


我々新聞社がデジタルの世界にチャレンジする上で、ノウハウ不足は越えねばならぬ大きな壁として立ちはだかりました。この壁を乗り越えるツールとして、Google社から紹介を受けたのがShirofuneでした。

株式会社北海道新聞社 営業局 営業本部 ソリューション推進部 部次長 平松 元親 様

平松 元親 様(以下、敬称略)
新聞ばかり扱ってきた人間がデジタル商材を扱うことになり、当初はわからないことだらけでした。数年かけて徐々に習得しましたが、デジタルは知れば知るほど奥が深いと感じています。

新しいことを1つ知ると、次々とわからないことが出てきます。自分たちだけでやっていくのは本当に難しい世界です。だからこそ、信頼のできるパートナー探しが肝になったと感じています。

―Shirofuneをパートナーとして選んだ決め手は何でしたか。


レポート機能には驚きましたね。クリック1つでお客様に提出できるレベルのレポートが作成できる。これは使えると思いました。だからと言ってShirofuneにおんぶに抱っこではなく、自分たちの運用スキルを上げながら、同時並行で業務を効率化したいという考えのもと導入を決めました。

Shirofuneによって運用者のノウハウ習得が早まった 
業務工数は20%削減 繁忙期もムラの無い運用が可能に

―Shirofune導入後はどのような成果がありましたか。

株式会社北海道新聞社 営業局 営業本部 ソリューション推進部 杉林 和亮 様

杉林 和亮 様(以下、敬称略)
Shiorufneの導入によって運用者のノウハウ習得が早まったのに加え、運用にかかる作業時間を20%程削減することができました。

特に大きかったのはレポート機能です。これまで行っていたエクセルへの貼り付けや整形作業がクリック1つで完了します。浮いた工数をレポートの読み取りや解釈、次の提案やお客様とのコミュニケーションなど、人がやるべき仕事に充てられるようになりました。

また、案件が重なる繁忙期でも重宝しています。例えば弊社で取り扱いの多いふるさと納税の案件は、年末に向けて件数が増えてくるのですが、繁忙期はリソースが不足しがちでした。ところがShirofuneを使えば人的リソースを割くことなく、一定以上の運用クオリティを担保できます。テクノロジーを活用する意義を感じています。

デジタルシフトで、より多くの企業の役に立てる
一部存在していたネガティブな空気が一掃された

―Shirofune導入をはじめとするデジタルシフトへの取り組みによって、社内にはどのような変化がありましたか。


新聞広告と自社のバナー広告しか売ることができないというある種の閉鎖的な状況は、特に若手の営業局員を中心にストレスを与えていたようです。社内には一部ネガティブな空気もありました。運用業務を習得し始めたよちよち歩きの頃は、営業局員が自信を持って売れないという問題もありました。

花井
運用型広告を扱う前は、新聞広告とイベント事業に興味のない企業・団体とはお付き合いいただけませんでした。一方でこのご時世ですから、多くの企業がデジタル施策の必要を感じています。

ところが運用型広告を扱い始めて運用もレベルアップしてくると、「弊社でできるので是非お願いします」と営業局員が自信を持って売れるようになりました。お客様に喜んでいただきながら自分たちの仕事も増えていく。こうした変化を味わうことで、社内の空気が少しずつ変わっていきました。

我々がデジタルという武器を手に入れたことによって、多くの企業様とお話ができるようになりました。それが新聞広告300万円の商談ではなく、WEB広告運用10万円のお話であったとしても、企業や団体の宣伝予算に関与できる状態になりました。

この継続的な関係性を大切にしながら、道内企業への手助けをしていきたいと考えています。

新聞社というアナログ企業がデジタルシフトした経験
この経験を道内企業に共有したい

―北海道新聞社として、道内企業のデジタルマーケティングとどう向き合っていきたいと考えていますか。


地方新聞は地方の人々を元気にし、地方経済の役に立つというミッションを持っています。北海道という地域のことを考えれば考えるほど、我々北海道新聞という会社がどう変わっていくかが大切だと考えています。

弊社は道内では比較的大きな企業ですが、全国的に見ると中小企業です。それも超アナログの中小企業です。

ただ、アナログでしかできないことがあると思っています。それは、どうしても人に話したくなるような、心のヒダを開くようなネタを作ること。本当にクリエイティブでエモーショナルなものを届けるには、人の介在が絶対に必要です。

我々新聞社は、人にしか作れない記事を作ってきました。だから油断していたのだと思います。デジタルに本気で向き合ってこなかった。

そんな我々が、6年前にこの変化の波に気付き、4年をかけて壁を乗り越え、デジタル領域へシフトしました。この経験には道内企業がDXを推進する上で必要な要素が詰まっているのではないでしょうか。

先日、あるお客様からこんな相談をいただきました。「総務部長はDXを推進しているが、営業部長がアナログでDXに反対している。どうしたらいいでしょうか?」と。

この手のことを、我々はすでに一通り経験しています。自分たちが推進に伴うジレンマを誰よりも強く感じてきたからこそ、お客様の気持ちが手に取るようにわかります。解決するためのノウハウや経験値もあります。これこそが大きな糧であり、道内企業に説得力のある提案ができる財産だと考えています。

道内企業でDXやデジタルマーケティングに悩んでいる企業様がいたら、是非お気軽にご相談いただきたいです。皆様を手助けすることが地方新聞社の役割です。どのように進めるのが最適か、一緒に考えさせていただきたいと思っています。

―ありがとうございました。    

Shirofune 北海道新聞社様 担当 岩井 コメント
「地域のことを考えれば考えるほど、自分たちがどう変わっていくかが大切だ」
こうした考えのもと、北海道新聞社様はまず自分たちが変わることを実践してきました。
この尊い取り組みのパートナーに、Shirofuneを選んでいただけたことをとても嬉しく思っています。

今後は道内企業がShirofuneを活用し、内製運用を手助けする取り組みも検討しています。従来の「地方新聞社」のイメージから大きく逸脱した取り組みで協業ができることを楽しみにしています。

<取材・文=藤井 恵 撮影=野原 肇 >

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