業務時間を54%削減!「徒歩か、新幹線かくらいスピード感が違う」そのインパクトと、現場がすぐに使える操作性の良さから インフラとして全社へ展開 〜株式会社電通デジタルのShirofune導入事例〜

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電通デジタルは年々増えていくクライアントのデジタル広告ニーズに対して、新卒/中途採用を強化し、組織規模を大きくすることで対応してきました。しかし育成もそう簡単ではなく、クライアントから求められるスピード感に応えながら、多様化する広告プラットフォームに対応する中で運用工数が膨らみ、残業時間も増えてしまったことから、抜本的な業務効率改善の必要に迫られました。

残業時間削減が強く求められる中、一部の組織でShirofuneをテスト導入したところ、レポート作成に関わる業務工数が62%削減されるという結果になりました。そこで別組織にも横展開し、現場がすぐに使える操作性の良さから本格導入へと至りました。

広告予算の大きい顧客群をもつ電通デジタルが抱えていた課題に、Shirofuneはどうマッチしたのでしょうか。Shirofuneの活用方法や導入による成果、業務改善へのインパクトが特に大きかった機能について話を聞きました。

【課題】
・多様化、増大化する顧客ニーズに対して、品質を担保しながらスピード感のある対応が求められており、中途採用を強化するも育成が追いつかず、業務効率化の必要に迫られる
・広告配信プラットフォームの多様化に伴い、工数も逼迫

【解決策】
・Shirofuneをインフラとして導入し、工数を削減・品質も担保

【成果】
・Shirofune導入により、レポートや分析/運用業務に関わる工数を54%削減

 -日々の予算管理業務にかかる工数を45%削減
 -レポート作成に関わる工数を62%削減
 -広告効果の分析・考察に関わる工数を41%削減
・人への依頼ではなくツールでの対応になったことで、業務のスピード感が段違いに
・業務工数の削減が、心理的負荷の軽減に繋がる
・Shirofuneの変化分析レポートが、運用メンバーの分析学習ツールになるという副次効果も

採用を強化しながら、品質を担保し、それでいてスピード感は維持する。顧客満足のため業務効率化が急務に

―御社の事業内容と、岩崎様が在籍するワークデザイングループという組織がどのようなミッションを担っているのか聞かせてください。

株式会社電通デジタル メディア&コミュニケーション領域 プラットフォーム部門 
ビジネスプロセスマネジメント部 ワークデザイングループ グループマネージャー 岩崎 真 様

電通デジタルは、電通グループのデジタルマーケティングエージェンシーです。「コンサルティング」「開発・実装」「運用・実行支援」の統合ソリューションを提供しています。

ありがたいことに近年、クライアント様の数が増加傾向にあり、弊社としては採用をかなり強化しています。社員数は2,000名を超える規模になりました。中途採用では経験者の採用はもちろん、ポテンシャルのある方であれば未経験者も採用しています。人員を増やしながら品質を担保し、それでいて顧客から求められるスピード感に対応していくとなると、業務効率化が欠かせません。

そのため、私のいるワークデザイングループでは現場の業務時間を削減し、仕事の円滑なフロー・業務フローを構築することをミッションに掲げています。全社的にも残業時間の削減に本腰を入れているため、いかに業務を効率化していくかというのは当社の大きな課題となっています。

また広告プラットフォームが分散化し、増加している点も、業務効率化の背景として見逃すことはできません。

これまではWeb広告の出稿先としてGoogle、Yahoo!、Facebookを抑えておけば良いという流れだったのが、最近ではLINEやTwitterにTikTok、Amazon、Microsoft、Pinterest…と広告のプラットフォームがますます増えてきていますし、DSPなどを含めるとキリがありません。

広告予算が潤沢なお客様の場合、できる限り色々なプラットフォームに出稿したいというご要望が多く、プラットフォームが増えた分だけ掛け算的に工数が増大しています。

そこに対して人員を増員しようと採用を強化しているものの、未経験者の場合、育成には数ヶ月から半年かかることもあります。そこで業務効率化のために試験的に導入したのがShirofuneでした。

レポートに関わる工数削減のため、Shirofuneをテスト導入。「徒歩か、新幹線かくらいスピードが違う」と、本格導入へ

―Shirofuneのテスト導入には、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

我々のチームは案件1つずつと向き合い、案件担当者が抱える業務課題を解決する取り組みを行っています。その中で、2021年の秋頃にあるメンバーから「レポート業務にかなり大きな負荷がかかっている」と聞いたことがShirofuneを導入するきっかけになりました。

そこからShirofuneを一部の組織で試験的に導入しました。最初に感じたのは、ツールが故の手軽さです。例えばレポート作成を第三者にアウトソースする場合、「お願いします」「できました」「確認します」というやりとりが発生します。

様々な広告プラットフォームからデータを結合して集計し、更にそこにGoogleアナリティクスやその他お客様の独自計測データなどを統合して分析してレポートをするとなると、このやりとりだけでも煩雑ですし、無理に進めると事故にもなりかねません。

その点、Shirofuneはツールだからこそ、自分一人で、クリック1つで作業を完結することができます。肌感覚にはなりますが、人がやると2営業日程かかるものが2分でできてしまうので、徒歩か新幹線かくらい、圧倒的なスピード感の違いを感じました。

また実際、現場の案件担当者が使いやすく、導入に面倒を感じない点にも大きなメリットを感じました。元代理店の方が開発したサービスというだけあって、現場が使いやすく、わかりやすいUIになっています。

そのため使い方に関する質問が、現場からほぼほぼ上がってきませんでした。初期設定で躓くことなく進行できるので非常に導入がスムーズでした。

―2022年には本格活用されていますね。貴社のように大きな組織で、どのようにShirofuneの利用を浸透させていったのでしょうか。

導入に手間がかかると、なかなか利用されにくいと思うのですが、Shirofuneの場合使いやすく、すぐに現場で使える手応えがありました。そのため活用できそうな現場でまずはどんどん使ってもらい、ある程度実績が出てきたところで予算を取りにいきました。そこから全組織に周知していった、という流れです。

Shirofuneの導入により、導入案件の工数を54%削減。時間の節約が心理的負荷の軽減に繋がる

―Shirofune導入後、社内からはどのような反響がありましたか。

ツールでもうこのレベルのことができるようになったのかという驚き、業務負荷が軽減されたことによる感謝の声がほとんどでした。中には、自分の存在価値を危惧するメンバーもいました。

―Shirofune導入後の成果について聞かせてください。

Shirofuneでカバーできる日々の予算管理、レポート作業や分析という領域について、いくつかの案件でヒアリングしたところ、【工数全般が54%削減した】という結果が出てきました。驚異的な数字です。

自動入札機能の活用で、入札調整に関わる工数を45%削減

―具体的にShirofuneのどのような機能を活用してここまでの成果が出たのか、詳しく聞かせてください。

まず日々の運用業務については、自動入札機能を活用しました。特に予算の変更が多かったりと、予算管理に工数がかかりやすい案件では重宝されました。事前に設定さえしておけば、Shirofuneが自動で調整してくれるので、パフォーマンスを落とすことなく【入札調整に関わる工数を45%削減】することができました。

コンバージョン/メディアコネクターとレポート機能で、レポート作成に関わる工数の62%を削減

工数削減に与えたインパクトが特に大きかったのはコンバージョン/メディアコネクターとレポート機能です。

Google、Yahoo!、Facebookといった主要媒体数字と各種DSPやアドネットワークなどの細かい媒体、それにGoogle アナリティクスなどの3rdPartyの計測データ、更にお客様が独自で計測しているデータなど、様々なデータを集計して効果計測をしようとすると、ものすごい手間がかかります。

それがShirofuneの場合、コンバージョン/メディアコネクターという機能を使って外部のコンバージョンデータやShirofuneがAPI接続していない媒体のデータも全て自動で統合、分析し、尚且つその結果をクリック1つでレポートとしてダウンロードすることができます。これは画期的で、他にはない機能です。

コンバージョン/メディアコネクターとレポート機能の活用により、【レポートに関する業務工数の62%を削減】することができました。

変化分析レポートの活用で、広告効果の分析・考察に関わる工数を41%削減

広告効果の分析・提案では変化分析レポートも活用しています。最初に変化分析レポートを見たメンバーの反応は「ツールの進化もここまで来てしまったのか、、」という驚きとため息が混じったような感じでした。

そもそも、広告運用における分析には2つのステップがあります。1つ目はなぜそうなったのか?という要因分析、要因特定です。特定した要因に対してどうしていくか、対策を考えるのが2ステップ目です。

Shirofuneの変化分析レポートでは、この1つ目のステップである要因特定を自動で分析してくれます。成果が良化/悪化したのはどこがどれくらい影響しているか、それはいつからどうして起きていそうなのかという部分です。

この作業は各媒体の管理画面を見て数値を精査する必要があるので時間がかかりがちですが、Shirofuneでこの作業を自動化できます。これによってプランナーは、じゃあどうすればいいか?という対策の検討にしっかりと時間を使うことができます。

日々、お客様から追加の提案を求められ時間も限られる中で、広告効果の要因分析を自動でできるというのは、現場の心理的な負荷の軽減につながると感じています。時間が節約できるのはもちろん、心理的な負担を減らせるというのは大きなメリットです。

―かなりインパクトのある成果を出されていますが、定性的な面での成果は何かありましたか?

そうですね、意外だったものとして育成効果がありました。運用経験の浅いメンバーがShirofuneの分析結果と、当初自分が考えていた分析結果にズレがないか、答え合わせに活用しているという話が出てきています。Shirofuneを先生にして、分析の学習をしているようです。これは予想外の成果でした。

自動化できる作業はShirofuneに任せ、自社の提供価値を追求する

―Shirofuneの導入により得られた成果を、今後どのように発展させていきたいとお考えですか。

デジタル広告業界全体の課題として、ワークライフバランスは以前から問題視されてきました。特に昨今では広告のプラットフォームが分散化したことでますます、運用に関わる工数が膨らんでいます。

このような状況下で、機械に任せられる業務は機械に任せるという方針は今後も変わりませんし、同じ方向を向いているのがShirofuneだと思っています。

ですから、今後もShirofuneを守備力強化の運用インフラとして、引き続き業務を効率化しながら、電通デジタルだからこそ強化すべきソリューションに注力し、お客様により喜んでいただけるようなサービスを展開していきたいです。

−ありがとうございました。                 

<文=藤井恵>

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