創業55年の広告代理店、WEB広告運用内製化を経てクライアントも認める「WEB広告の先生、先導役」に 〜総合広告代理店 九広のShirofune導入事例〜

株式会社 九広
株式会社 九広 東京支社長 藤田 朋弘 様 / 営業部主任 佐々木 晃 様

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北九州に本社を構える総合広告代理店、九広の東京支社はメインクライアントがマス広告中心の出稿からWEB広告への比重を増やしていく中、WEB広告の大型提案を敢行。

提案内容にはこれまで外注していた運用を内製化し、自社で請け負う覚悟があることを明記しました。それによりマス広告の知見を活かしたクリエイティブ提案ができること、長年の取引実績からクライアントサービスを熟知したソリューションを提供できることをメリットとして訴求。結果として2020年8月にWEB広告の大型出稿を受注しました。

社内の担当者はWEB広告運用未経験のためShirofuneサポートプランを導入し、初月から大きな金額を自社で運用することに成功しました。同社の運用内製化の取り組み、成果、クライアントからの反応や社内で起きた変化などについて、サポートを担当したShirofuneの岩井も同席し、お話を伺いました。

【課題】
・マス広告中心の出稿からWEB広告シフトチェンジへの対応
・これまでWEB広告は外注していたため、運用経験者が不在

【解決策】
・Shirofuneサポートプランを導入することで、WEB広告運用初心者でも安心して運用が可能に

【成果】
・WEB広告運用初心者が、初月から大型案件の運用に成功
・効果も良くクライアントからも好評価
・思考停止の手段提案が、目的の共有から生まれる提案に。

営業組織の意識に変化

マス広告中心の出稿からインターネット広告へのシフトと、WEB広告運用内製化を目指す

−事業内容をお聞かせください。

株式会社九広 東京支社長 藤田 朋弘 様

藤田 朋弘 様(以下、敬称略)
本社を北九州に構える創業55年の総合広告代理店です。支社は北九州、福岡、東京にあり私が所属する東京支社はマス広告、特にテレビと雑誌を強みに事業を展開しています。数年前までWEB広告の取り扱いはごく少量でした。

他の支社は不動産系のクライアントさんが多い関係で折り込みチラシや販促物など色々な広告手法を展開しています。

−WEB広告を扱うことになった経緯を聞かせてください。

藤田
弊社のメインクライアント(以後A社)はそれまでマス広告へ積極的に出稿していました。ところが情報化社会の発達やスマホ普及率上昇の影響等もあり、世間的にもWEB広告が一般化してきた2018年、ついにA社でも割合の大きかった雑誌出稿に見直しが入りました。今後はテレビとWEBを軸にやっていくという方針になったのです。

メインクライアントのWEB広告シフトチェンジがWEB広告(提案~運用)に注力するきっかけになりました。もちろん、これまでもクライアントさんから引き合いがあれば都度対応しておりましたし、現在も少額ながら継続的にリスティング広告を請け負っている銘柄もあります。

ただ、雑誌出稿分の見直し影響は大きく、それをカバーするためにもA社のWEB広告を獲得しようと思い、ここからA社へのWEB広告提案が本格的にスタートしました。経験値が足りなかったのでコンペに参加してもなかなか勝てない時期もありました。ようやく大きな仕事をいただけたのが2020年8月のことです。

メインクライアント初の大型案件を自社で運用するため、Shirofuneサポートプランを導入

−このタイミングでShirofuneを導入いただいていますね。それまで運用はどのようにされていましたか?

藤田
外注していました。弊社のWEB広告は佐々木が中心となって、医療系サービスの案件やA社の少額案件を担当していました。

−佐々木様はWEB広告の運用経験があったのでしょうか。

株式会社九広 営業部主任 佐々木 晃 様

佐々木 晃 様(以下、敬称略)
ありません。北九州採用で、それまでは販促やイベント系の広告を主に扱っていました。

WEB制作案件も多少あったのでWEBに関与する機会はあったのですが、WEB広告を運用したことはありませんでした。東京支社に来てから担当したWEB広告も外注しながら扱っておりました。

−Shirofuneを導入の経緯について、聞かせてください。

藤田
Shirofuneでサポートを担当してくださっている岩井さんと以前からお付き合いがあったことから、A社への提案の相談に乗っていただいていた、という経緯があります。

A社へは、弊社で運用を内製化して請け負うことを前提に提案をしていました。弊社が運用を担うことで、これまでのマス広告で得られた知見を活かしてWEB広告のクリエイティブ提案ができること、A社へのサービスを熟知したソリューションを提供できることをメリットとして訴求していました。

A社の案件を受注することになれば自社での運用が必要になりますが、担当佐々木の成長が著しく岩井さんのサポートがあれば間違いないという確信がありました。その後有難いことに受注となり、このタイミングでShirofuneを導入しました。

−佐々木様は大型案件を自社で受けること、ご自身で運用されることに不安はありましたか?

佐々木
見えない不安はたくさんあったと思いますが、Shirofune岩井さんという知識・知見のある方がサポートについてくださるという安心感はありました。

また自分で運用すると一番負荷がかかるであろう入札設定部分についてはShirofuneが動いてくれるので、そこまで大きな不安はありませんでした。

藤田
マス広告を扱っていた人間からすると、困った時は媒体の人に聞きに行くという鉄則がありました。それがWEB広告となると名刺交換もしたことのない、面識のない媒体に助けてもらえるイメージがつかない。

その点、Shirofuneは岩井さんがいるという安心感があり、古い人間からするとこれは非常に大きかったんです。

−初月の運用からかなり予算が大きかったようですが不安はありましたか?

佐々木
グロスの金額が大きいことへの不安は正直あまりなかったです。というのも大きな予算を商材ごとに各媒体、各キャンペーンに振り分けていくと1キャンペーンあたりの金額はそこまで大きく感じないのです。

キャンペーンごとにPDCAを回していくと考えると、キャンペーンの「数」が多いことへの不安の方が大きかったように思います。ですから全体としての恐怖感というのはなく、それぞれのキャンペーンの初期設定をしっかり行っていかないといけない不安はありました。

Shirofuneサポート担当 岩井
通常、初めて自社での運用を試みる場合、少額案件から始めようとする方が大半です。担当者が広告運用未経験であれば尚のこと、予算が大きいことに対する恐怖を感じます。

その点、佐々木さんはキャンペーン単位で捉えたことでグロスの金額に怯えることなく、初月からかなりの額の運用に踏み切られました。

自社で運用することで知識が積み上がり、クライアントからの問い合わせにもスピーディーに対応可能に

−導入されてからの感想を聞かせてください。

佐々木
一番不安に感じていた初期設定のところは数も多かったので苦戦しましたが、岩井さんにもサポートいただき無事スタートすることができました。

それ以外の運用の部分は当初イメージしていた通りだったように思います。運用自体は自分が日々手を動かしてどうこうすることはなく、機械が効率的に自動で入札調整をしてくれるので。

−運用を内製化したことによるメリットは何か感じられましたか?

佐々木
大きなメリットとして感じるのはレポートのスピードです。

外注していたときは決まったタイミングでしかレポートが出て来ません。お客様に「今どうなってるの?」と聞かれた時にイレギュラーで対応をしてもらうこともありますが、数値を出すのに2〜3日はかかります。

その点、Shirofuneを使うと見たいときに自分たちで全て中身が見られる、その結果お客様対応が柔軟になったように思います。

またWEBに対する知識も、自分たちで運用をしていくことで着実に積み上がってきているように思います。

以前はお客様からの質問をアウトソース先に聞いて回答を待っていました。それがまず自分で調べて考える、という流れに変わりました。もちろんわからない点や自分の解釈が合っているかは、岩井さんや媒体に確認をしていましたが。

こうした積み重ねで広告運用に対する知識が増え、お客様からの質問に対してかなりスピード感を持って答えられるようになってきました。

藤田
利益面でのメリットも大きいです。アウトソースするよりコスト削減でき粗利が上がります。これまで外注していた仕事はShirofuneがやってくれるので担当者の負担もそこまでかかりません。会社に利益をもたらしてくれるシステムだと感じました。

−広告効果の面で、お客様からの反応はありましたか?

佐々木
最初にレポートを出した時に「クリック単価が安いね」という反応をいただきました。これは最初の評価ポイントとしては大きかったように思います。

藤田
広告効果は日々安定して維持できています。まるで人間に指示しているように機械が目的に合わせて動いてくれているんです。数字がShirofuneの価値を物語っていると思います。

−Shirofuneの機能面で役立っているものがあれば聞かせてください。

佐々木
日々の改善カードが出てくるので、運用者としての安心感があります。

外注していたときはレポートを受けるタイミング以外、手を動かすことがありません。極端な話、レポートが出てくるまではどのように配信されているかさえわかりませんでした。

その点、実際に自分が運用するとなった時に「手を動かしている感覚」が安心感に繋がっているように思います。

この配信先はあまり効果が良くないので止めましょう、と言ったように日々の配信の強弱を機械が改善カードという形で提案してくれます。それを確認、判断し、必要に応じて手を動かします。運用している感覚もしっかり持てるところが気に入っています。

手段のみの提案が、目的の共有から生まれる提案に。WEB広告を内製化したことで変わった営業現場の意識

−広告運用を外注していたところから内製化に切り替えたことで何か変化はありましたか?

佐々木
新しく提案する部分が生まれてきたように思います。

運用を機械に任せたことで考える時間が生まれたからなのか、内製化によりWEB広告の知識が増えたからなのか、要因は色々だと思いますが提案の幅が広がってきているように感じています。

お客様からの質問に答えていたところから一歩先を踏み出している感覚、というのでしょうか。今こうなっているから、次はこうした方がいいという提案を自発的にできるようになってきました。

藤田
お恥ずかしい話、今まで広告主が広告を出す目的を改めて考えることなく、先方が決めた手段を実行してきました。

テレビに広告を出したいのでスポットを買ってきて欲しい、雑誌はこの商品をこんな感じで出したいのでこの雑誌とこの雑誌を見繕って欲しい、と。要は手段提案のみをしていたわけです。

ところがWEB広告を始めてみると、キャンペーンごとに色々な目的を持ってやっていくということが良くわかってきました。マス広告のように不特定多数ではなく、キャンペーンごとで目的に応じた出稿をしていく、要するに短期でPDCAを回すわけです。そうすると目的の共有から生まれる課題解決型の提案をするようになってくる。

今までの営業姿勢を否定するわけではありませんが、“何か仕事ありますか?”といった営業ではなく、先方の課題が何なのかをきちんとヒアリングするようになってきています。

“今更気づくな”と言われるかもしれませんが、マス広告は大きな金額が動くので手段提案のみをしていたように思います。WEB広告を始めたことで先方の課題がどこにあり、今回は何を目的に広告を打つのか、課題解決型の提案が染み付いてきているように感じます。

−今後の貴社のサービス展開について聞かせてください。

藤田
弊社としてA社でしっかりと実績を積めたことはとても大きいので、一連の取り組みで得られた知見を他にも広げていきたいと思っています。そして手段提案ではなく、目的の共有から生まれる提案へとシフトすることで組織を大きく進化させていきたいです。

クライアントも認める「WEB広告の先生、先導役に」

−最後にこの1年、内製化に取り組んできていかがでしたか?

佐々木
私自身、WEB広告を始めて長くありませんが「WEB広告の先生役として先導してくださいね」と言われたのは嬉しかったです。

WEB広告のしくみ等がよくわからない、という悩みを伺ったので、A社に対してはじめにShirofuneの岩井さんと一緒にWEB広告勉強会を開催させていただきました。

Shirofuneでの安定した運用とサポートのもと、私自身が先方と一緒に成長していっている中で、先導役として解説や提案ができるようになったことはこの1年で得られた大きな成果だと思います。

Shirofuneサポート担当 岩井
広告主は時に代理店よりもよく調べ、勉強をされていることが多い中で「教えてください」と言っていただけることは信頼の表れだと思います。

これまで取引のなかったA社のWEB広告という分野で、佐々木さんが担当者として自発的に動いたことで新たな信頼を得られていることがサポート担当として大変嬉しいです。

貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

<取材・文=藤井恵>

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