
アドフラウド対策ツール11選!選定ポイントや導入時の注意点まであわせて解説

- 戸栗 頌平
AIの進化はマーケティング業務に劇的な効率化をもたらしましたが、その一方で新たな問題も生み出しました。AIを悪用したアドフラウド(広告不正)の急増が、その最たる例です。
大手アドフラウド対策ツールの調査によると、2024年後半には無効トラフィック率が前年比86%増加しました。この急増の主な原因は、AIを悪用した悪質なボットやクローラーであると指摘されています。
このデータは対策ツールを導入しているからこそ判明したもので、導入していない場合は無効トラフィックに気づかず被害を受けている可能性が高いでしょう。今後のデジタル広告運用に潜む大きなリスクがうかがえるニュースです。
本記事では、このようなリスクに対処するため、アドフラウドの基本知識と国内外アドフラウド対策ツール11種類を紹介します。情報収集にお役立てください。
アドフラウドの基本知識
アドフラウドの定義、主要な手口、昨今の被害状況やアドフラウドがもたらす悪影響について解説します。
アドフラウドの定義
アドフラウド(広告不正)とは、デジタル広告で偽のインプレッションやクリックを装い、広告主から不正に広告費を得る行為のことです。2010年代半ばから欧米で問題視され、日本でも近年、総務省のガイドラインで注意喚起されるほど深刻化しています。
アドフラウドの主な手口
アドフラウド(広告不正)は、デジタル広告で不正なトラフィックを発生させ、広告主から不当な利益を得る行為です。もっとも多いパターンは、ボットで広告を大量クリックし、人間の行動を偽装する手口ですが、AIの登場により手口は近年、多様化しています。以下が代表的な手口です。

※もっと詳しく知りたい方は、「アドフラウドとは?発生理由や仕組みから種類・対策まで徹底解説」の記事をご参照ください。
アドフラウドの被害状況
世界のアドフラウドによる被害額は拡大傾向にあり、米国Anuraの「グローバル広告詐欺レポート」によると、2024年には世界の企業が詐欺で1400億ドル以上を失ったと報告されています。
日本国内でも被害は深刻で、Spider Labsの『アドフラウド調査レポート(通年版2025)』によると、2024年の被害額は1510億円に急増しています。
アドフラウドについては「Methbot(メスボット)」のような組織的な大規模詐欺も発生しており、巨額の利益が見込めることから手口は年々巧妙化。最近では、国際的なアドフラウド詐欺組織Vextrioによる大規模な不正が明らかになるなど、その手法は進化し続けています。
※詳細は「アドフラウドとは?発生理由や仕組みから種類・対策まで徹底解説」を参照ください
アドフラウドがもたらす影響
アドフラウドによって、ボットによるクリックや表示に費用を払ってしまうと、広告予算が無駄になりかねません。それだけでなく、本来リーチできたはずのユーザーを逃し、ユーザー獲得や認知向上の機会を失ってしまうでしょう。
また、広告運用の自動最適化も妨げます。機械学習による自動入札や配信最適化は、不正トラフィックという「誤ったデータ」を学習することで、予算を不適切な配信先に集中させてしまうのです。広告指標と実際の効果が乖離し、担当者の正確な判断を妨げる可能性があります。
さらに、不正なデータが混入することでROI(投資対効果)を正しく測定できなくなり、どの媒体やクリエイティブが効果的だったかの評価が難しくなります。
ブランドイメージも毀損しかねません。不正な手口により、意図しない不適切なサイトに広告が表示されると、ユーザーはそのブランドが有害なコンテンツを支援していると誤解し、ブランドイメージの低下につながる可能性があります。
※詳細は「アドフラウドとは?発生理由や仕組みから種類・対策まで徹底解説」を参照ください
アドフラウドへの対策
まず、デジタル広告特有の不正の脅威を理解し、最新の手口や対策手法を知ることが大切です。
そのうえでマーケターが日々の仕事でするべきことは、広告配信データの徹底的な分析と監視です。クリック率やコンバージョン率、ユーザーの行動パターンに不自然な点がないか常にチェックしましょう。不審な兆候が見られたら、即座に配信を停止するなどの迅速な対処が必要です。
また、安全性の高い配信先を選ぶことも基本です。過去に不正が発覚した媒体を除外するブラックリストだけでなく、安全だと判断した媒体に限定して出稿する「ホワイトリスト」も活用しましょう。
個人の対策では限界があるので、組織として対策することが重要。チーム内でアドフラウドの脅威や最新の手口の知識を共有することは基本です。DSPやアドネットワークを選定する際も、不正対策への取り組み状況が明確な信頼できる広告プラットフォームを選ぶなど、自社の方針を決めましょう。
最も効果的な対策が専用ツールの導入です。これらのツールは人間では見逃してしまうような巧妙な不正を、機械学習やビッグデータ分析を用いてリアルタイムで検知・遮断してくれます。
※詳細は、「効果的なアドフラウド対策とは?主要9手口の個別対策と総合対策の両面から解説」を参照ください。
アドフラウド対策ツールの活用メリットと選定ポイント
アドフラウド対策ツールを活用すると、リアルタイムで不正を検知・遮断できるため、有効なユーザーにのみ広告予算が使われるようになり、費用対効果が改善します。また、マーケティングデータが正常化することもメリットです。
選定ポイントは課題にあったツールを選ぶこと。たとえば、「クリックは多いのに、なぜかコンバージョンにつながらない……」「広告予算を使っても、売上げや成果に結びつかない……」 このような場合は不正トラフィックの可能性があるため、不正防止ソリューションを検討するとよいでしょう。
また、自動入札で「アルゴリズムが意図しないサイトにばかり予算を使ってしまう」「クリック率が高いサイトなのに成果が出ない」といった場合、機械学習の学習データが汚染されている可能性があります。データクレンジング機能が強いソリューションを検討しましょう。
レポートの数値が実態と乖離しているが原因がわからない場合は、レポート機能が充実したソリューションかチェックします。
主要なアドフラウド対策ツールは(不正検知、データクレンジング、レポーティング)を備えていますが、強みは各ベンダーで異なるため各社の特徴をレビューサイトなどでも確認してください。なお、すでに大規模な広告運用で不正による損失額が深刻なレベルになっている場合は、包括的なブランドセーフティソリューションや、アドフラウド対策プラットフォームが不可欠です。
最後に、アドフラウド対策ツールは、広告プラットフォームやウェブ解析ツールとの統合が必要なので、API設定やタグの埋め込みなど、多少の技術的知識が必要な場合があります。外資ツールの場合、日本語サポートがあるかどうかもチェックポイントです。使いやすさを確認するために無料トライアルがある場合は積極的に活用しましょう。
おすすめのアドフラウド対策ツール
アドフラウドの基本知識や自社の課題が判明したら、自社の広告規模や予算に合ったツールを選びましょう。国内外の対策ツールを11種類紹介します。各ツールの強み、対応デバイス(パソコン、モバイル等)、サポート体制などをチェックしてみましょう。
1. SpiderAF(株式会社Spider Labs)

(出典:SpiderAF公式サイト)
SpiderAFは、日本のSpider Labs株式会社が提供するアドフラウド対策ツールです。
アドフラウド、不正転売、ブランド毀損、外部タグ改ざんなどのリスクを包括的に対策する「マーケティングセキュリティ」プラットフォームです。
日本企業が提供しているため、日本語でのサポートが充実しています。導入から運用まで専門のカスタマーサクセスチームがサポートしてくれるので、専門知識がなくても安心して利用できるでしょう。月額3万円から利用できるプランもあるため、大企業だけでなく中小企業でも導入しやすい費用感です。
- パソコン(デスクトップ)とモバイルの両方に対応
- 国内500社以上に導入実績あり
- 日本語による多様な知見の提供
2. Momentum「HYTRA HORNET」(Momentum株式会社)

(出典:Momentum「HYTRA HORNET」公式サイト)
Momentum「HYTRA HORNET」は、日本のMomentum株式会社が提供するリスティング広告向けアドフラウド対策ツールです。同社は国内老舗のアドフラウド対策ベンダー。JICDAQ第三者認証を取得しています。
特にリスティング広告特有の脅威に対して強みがあります。独自の不正検知エンジン「HYDRA」を搭載し、広告配信の直前に不正なトラフィックをリアルタイムで検知・遮断。無駄な広告費の発生を防ぎます。
日本のベンダーなので、インターネット環境や広告運用に精通した専門家チームが、導入から運用まで手厚くサポートする点も安心材料といえるでしょう。
- パソコン(デスクトップ)とモバイルの両方に対応
- リスティング広告不正防止に強み(年間130億のトラフィック解析環境)
- 日本語での詳細なレポートや分析を提供
3. X-log.ai(株式会社日本クラウディア)

(出典:X-log公式サイト)
X-log.aiは、日本の株式会社ヒューマンソリューションズが提供するリスティング広告向け無料不正クリック防止ツールです。※無料版で対応しきれない場合は有料版も提供。
- パソコン(デスクトップ)とモバイルの両方に対応
- 簡易な操作性(初期設定のみで自動で判別&対策)
- 導入ハードルの低さ(7割が無料でツール活用)
レポート上で、無駄なクリックを除外することで事前に不正クリックを防いだことで削減できたコストを可視化してくれます。
4. CHEQ(CHEQ AI Technologies)

(出典:CHEQ公式サイト)
CHEQ(CHEQ AI Technologies)は、イスラエルのCHEQ AI Technologies Ltd.が提供するGo-to-Marketセキュリティプラットフォームです。細分化されたカテゴリーと2000項目以上のチェック項目でテストをリアルタイムで実施し、大手広告媒体でも捉えられないBotを検知します。
対応デバイス
- PC(デスクトップ)とモバイルの両方に対応
- 世界で1万5000社以上の導入実績あり
- GA4と連携(標準機能)
5. IAS(Integral Ad Science)

(出典: IAS(Integral Ad Science)公式サイト)
IAS(Integral Ad Science)は、米国のIntegral Ad Science Holdings Inc.が提供するプラットフォームです。アドフラウド対策だけでなく「ブランドセーフティ/ブランド適合性」や「ビューアビリティ(広告視認性)」などに関する幅広いソリューションを提供するため、広告主は複数の課題を一つのプラットフォームで管理できます。
- パソコン、モバイル、コネクテッドTV(CTV)など幅広いデバイスに対応
- IASの入札前セグメントでブランドリスクを42%低減した実績
- 独自の技術と、専門アナリスト、エンジニア、ホワイトハットハッカー、データ サイエンティストから成るチームで無効なトラフィックを特定
6. DoubleVerify(ダブルベリファイ)

(出典: DoubleVerify 公式サイト)
DoubleVerify(ダブルベリファイ)は、米国のDoubleVerify Holdings Inc.が提供するデジタルメディア測定・分析プラットフォームです。
アドフラウド対策、ビューアビリティ測定、ブランドセーフティなど、位置情報の不正などデジタル広告の品質を総合的に評価・検証するプラットフォームです。
- パソコン、モバイル、コネクテッドTV(CTV)など、様なデバイスに対応
- MRC(Media Rating Council)やTAG(Trustworthy Accountability Group)の認証
7. Adjust「Fraud Prevention Suite」(Adjust GmbH)

(出典:Adjustの不正防止ツールでビジネスを成長させる)
Adjust「Fraud Prevention Suite」は、ドイツのAdjust GmbHが提供するモバイルアプリ向け不正防止ソリューションです。モバイルアプリ広告特有のクリックインジェクションやクリックスパム、SDKスプーフィングなどの巧妙な不正を、高い精度で検知・防止するサービスです。
- モバイルに特化した高精度なサービス
- 先端の多層暗号化技術でSDKスプーフィングを防止
- 確定的タイムスタンプにより、不正なエンゲージメントへのアトリビューションを防御
- 匿名IPフィルター機能により不正業者を排除
8. AppsFlyer「Protect360」(AppsFlyer社)

AppsFlyer「Protect360」は、イスラエルのAppsFlyer Ltd.が提供するモバイルアプリ向け不正防止ソリューションです。クラスター分析、アプリ内不正規則、アトリビューション後の不正検知といった多層的でリアルタイムなアプローチを提供しています。
- モバイルに特化したサービス
- 何百というモバイルセンサーを瞬時に分析し顧客とボットを判別
- CPA(アクションあたりのコスト)不正防止機能も装備
米国のSaaS評価サイトG2のAd Fraud_領域のGrid ScoringでもLeadersとして評価されています

(出典:Click Fraud | Technology Glossary Definitions | G2)
9. HUMAN Security「MediaGuard」(旧White Ops)

(出典:HUMAN Security「MediaGuard」公式サイト)
HUMAN Securityの「MediaGuard」は、米国のHUMAN Security, Inc.が提供するアドフラウド対策ソリューション。依頼した入札リクエストと実際に行う入札の間に介在する仲介サービスです。リアルタイムの予測を提供します。
- パソコンとモバイル、コネクテッドTV(CTV)などに対応
- 人間とボットの識別における卓越した技術
- 不正トラフィックに関する詳細な分析とレポートを提供
10. Fraudlogix(フロードロジックス)

(出典:Fraudlogix(フロードロジックス)公式サイト)
Fraudlogix(フロードロジックス)は、米国のFraudlogix, Inc.が提供するアドフラウド対策ソリューションです。独自のセンサーネットワークで3億以上のURLとアプリのライブトラフィックを監視、世界195カ国で毎月12億台以上のデバイスを分析しているため、世界中の不正行為、悪意のあるパターンを迅速に検知する知見を有しています。この領域で15年の歴史を持つ企業です。
- パソコンとモバイルの両方に対応
- 業界最大のセンサーネットワーク(毎月12億デバイスを監視)
- リアルタイムの不正防止とボット検出
11. DataVisor(データバイザー)

(出典:DataVisor公式サイト)
米国のDataVisor, Inc.が提供する銀行、保険、フィンテック企業など金融業界に特化した不正防止ソリューションです。
AIと高度な機械学習を活用したエンドツーエンドの不正・リスク管理プラットフォームを提供し、銀行、クレジットユニオン、フィンテック、デジタル決済などの分野で、口座開設詐欺、カード詐欺、チェック詐欺、AML(マネーロンダリング防止)など多様な不正に対応しています。
- 金融業界に特化
- AIと機械学習で口座開設詐欺やカード詐欺など金融犯罪をリアルタイムで検知
- フォーチュン500企業を含む多くの大手金融機関に導入
- 迅速なオンボーディングと統合
アドフラウド対策ツール導入時の注意点と効果最大化のコツ
アドフラウド対策ツールを導入する際に注意することや、導入後にツールの効果を最大化するポイントを解説します。
正しく実装し、定期的にデータを確認する
まずツールが正しく実装できているか確認しましょう。タグやSDKの設置漏れがないか、すべての広告面に適用されているかをチェックし、データの連携ミスを防ぐことが重要です。もし、このような設定が苦手な場合は初期設定を代行してくれるベンダーを選んでおくか、外部の事業者に委託することもあらかじめ予定しておく必要があります。
ツールの導入後は、定期的にデータをモニタリングする習慣をつけましょう。不審なデータの変化を早期に発見することが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。ツールのダッシュボードやGoogle Analyticsなどのアラート機能を活用し、異常があればすぐに把握できるように設定しておくと安心です。
また、「急にクリック率が上昇した」「不自然なトラフィック増加が見られる」といった異変に自ら気づけるよう、日頃からデータをチェックしましょう。ツールを検証している大手ベンダーすら人間のチェックを重視しています。異変に早期に気づくには現場のマーケターの観測が重要です。
ツール任せにしすぎず、異常時は深掘り調査する
不正検知ツールは強力な武器ですが、現代は、不正を働く側も日々学習し進化しています。そのため、高度な不正手法や新しい手口がツールの検知をすり抜ける可能性があります。
マーケター自身「おかしいな?」と感じた際には「ツールに任せているから大丈夫」と割り切らず、担当者が自ら深掘り調査を行うことが重要。特定のサイトからのトラフィックに異常なコンバージョン率の低下が見られたり、特定の地域から不自然なクリックが増加したりした場合、すぐにログの精査や、必要に応じて外部の監査を活用しましょう。
アドフラウド対策に「これ一つで解決」という特効薬は存在しません。ツールに加えて、人による継続的な監視と複数の対策を組み合わせることで、より強固な不正防止体制を築くことができます。
必要に応じてチューニングやサポートを活用する
広告ツールの導入後、デフォルト設定のままにせず、自社の状況に合わせてチューニングすることが重要です。不正と判断する基準値の調整や、ホワイトリスト、ブラックリストの活用などで、ツールの精度を高めましょう。誤って正常なトラフィックをブロックしたり、逆に不正を見逃したりする事態を防げます。
また、ツールベンダーのサポートを積極的に活用しましょう。多くのベンダーには専門のサポートチームがあり、ツールの使い方や不正分析、設定最適化のアドバイスを提供しています。定期的にミーティングを設けて、最新の不正トレンドやツールの新機能について情報共有し、常にツールを最適な状態に保つことが、不正対策の成果を高める鍵となります。
他の広告品質対策と併用する
アドフラウド対策は、広告の品質全体を向上させるための施策のひとつです。ツールに頼るだけでなく、他の広告品質対策と組み合わせて運用しましょう。不正行為を検知・防止する「入口」を増やすことで、多角的にリスクをカバーできます。
具体的には、広告が人間にきちんと見られているかを確認するビューアビリティ対策や、ブランドイメージを損なうサイトへの出稿を防ぐブランドセーフティ対策を同時に講じることが重要です。ボットやクローラーが生成する偽のインプレッションは視認性が低いことが多いので、不正を検知しやすくなります。
さらにads.txtやsellers.jsonといった業界標準の技術を活用し、不正なサイトをブラックリスト化するなど、業界全体で推奨されている取り組みも併用しましょう。
業界標準の仕組み
| Ads.txt(Webサイト向け) | Webサイト運営者が、自分の広告枠を販売してよい業者リストを公開するテキストファイル。広告枠のなりすましを防ぐ。 |
| app-ads.txt(アプリ向け) | Ads.txtのアプリ版。アプリ開発者が、自分の広告枠を販売可能な業者リストをアプリストア情報からリンクして公開する。 |
| Sellers.json(広告取引事業者向け) | 広告販売者や再販者の情報(企業名やドメインなど)を広告取引所が公開し、取引相手を確認できるようにする。 |
ツール導入だけでなく多層的な対策を行うことで、広告不正をより効果的に防げます。
契約更新時は費用対効果を再評価する
広告ツールの契約を更新する際は、導入コストに見合う効果が得られているかを定量的に評価することが重要です。ツール導入後にどれだけの無効な広告費を削減できたか、具体的な金額で試算しましょう。
たとえば、以下の計算式があります。
- 不正クリックの節約額 = ブロックしたクリック数 × 平均CPC(クリック単価)
- 不正インプレッションの節約額 = ブロックしたインプレッション数 ÷ 1,000 × 平均CPM
たとえば、月々の広告費のうち無駄になっていた費用がツールの導入によって大幅に減り、ツールの利用料を上回る節約効果があったかを確認します。これにより、ツールへの投資が収益の増加に貢献しているかを数値で把握可能です。
逆に不正削減の効果がツールの費用に見合わない場合は、運用方法の見直しや、場合によっては別のツールへの乗り換えも検討してみてください。
まとめ
AIの普及により、アドフラウドの手口はさらに巧妙化しており、デジタル広告運用の大きなリスクとなっています。アドフラウドツールは無料のものもありますが、一般に有料です。安価でも月3万円からと他のSaaSよりコストは増しますが、冒頭で紹介したように昨今のサイバー犯罪は組織的なケースも多く、高度化しています。
必要なコストとしてアドフラウド防止ツールを予算に組み込むことで、むしろ大きな損害を避ける可能性が高いので、導入を検討してみましょう。
豪州ビジネス大学院国際ビジネス修士課程卒業。複数企業と起業を経てBtoB専業マーケティング代理店へ。その後、外資SaaSのユニコーン企業の日本法人立上げを行い、法人営業開始後マーケティング責任者として創業期を牽引。現在、日本のBtoBマーケティングの支援事業を行う株式会社LEAPTにて代表取締役。また、株式会社Shirofuneの外部マーケティング責任者を兼任。





