SaaSセミナー

登壇250回以上のベーシック河村が語る、BtoBセミナーで成果を出すポイント

大木一真(モジカク)
ベーシック河村和紀氏

プログラミングなし、誰でも簡単に使えるマーケティングツールとBtoBマーケティングに必要な成功メソッドが揃うサービス、「ferret One」。同サービスを提供している株式会社ベーシックでは、マーケティング戦略の一環として積極的にセミナーを開催している。

今回は、同社が実践するセミナー施策で成果を出すポイントについて、セミナー登壇250回を超えるSaaS事業部 マーケティング部 イベントグループ マネージャーの河村 和紀氏にお話を伺った。セミナー担当者必見の、実践的なノウハウを語ってもらっている。

セミナーに期待すべきこと、すべきでないこと

河村 和紀氏

ーーセミナーが果たす役割について教えてください。

河村 和紀氏(以下、敬称略):セミナーは大きく分けると2ジャンルあります。下記のようにそれぞれのセミナーで果たす役割が異なります。

  • クロージング型のセミナー
    • 役割:ナーチャリングおよび受注獲得
  • オープン型のセミナー
    • 役割:リード獲得

ーーセミナーに期待すべきこと、期待すべきでないことを教えてください。

河村:クロージング型のセミナーは商品を買ってもらうためのセミナーです。セミナーで態度変容を起こして、商談につなげ、契約を獲得することを期待すべきです。反対に、クロージング型のセミナーだけで大量に契約を取ることを期待すべきではありません

BtoBセミナーの分類

よくあるのが、「クロージング型セミナーだけをたくさん開催して、美味しい客だけ集めれば、いっぱい受注できるでしょう」みたいに考える人がいますが、それはハッキリ言って無理です。そもそも、クロージング型セミナーに参加するような、検討後期ユーザーは圧倒的に数が少ない。そんな方だけを集めようとしても、母集団の形成はできません。

だから、オープン型セミナーが必要です。オープン型、いわゆる集客型セミナーに関しては、期待すべきことは認知やリードの獲得です。オープン型のセミナーで受注、特に短期間での成果は期待しない方が良いです。オープン型で集客して、クロージング型に送客する。この流れが重要です。

セミナーにはそれぞれに得意不得意があるので、そこを理解した上でセミナーを開催しましょう。

ーーベーシックでは、それぞれどんなセミナーを開催しているのでしょうか。

河村:クロージング型のセミナーでは「Webサイト構築・改善セミナー」を行っています。内容は「ferret One」を使っていかにサイト構築、改善するのか、というもの。月に2、3回開催しています。受注に近い位置付けなので、営業チームも登壇者として参加します。顧客のフェーズでいうと、導入の検討はしているがなかなか一歩踏み出せない方たちです。そんな方に実際に画面を見てもらい、利用するイメージを持ってもらうことで、そっと背中を押してあげるのがこのセミナーです。

オープン型セミナーでは「BtoBマーケティング実践セミナー」を行っています。リード獲得と認知獲得が目的です。1回で5~60人程集まるので、「BtoBといえばferret One」という認知を獲得した上で、セミナーの最後にクロージング型のセミナーを紹介するという流れを採用しています。

セミナーのKPI設定

河村 和紀氏

ーーセミナーのKPI設定について教えてください。

河村:下記のように、KPIを設定しています。

  • 申込数
    • これを100とする
  • 出席数
    • 申込数の62.5%(※世間の平均:50〜70%)
  • 上位アクション数
    • 下記①〜③の合計が申込数の50%
  • 商談化率
    • 申込数の12.5%

上位アクション数とは、さらに下記のように分類できます。

セミナーの最後でアンケートをとる際に、ferret Oneに関するネクストアクションを聞くように必ずしています。「ferret Oneに興味がありますか? ありませんか?」といった曖昧な質問では、ユーザーの本音は聞き出せません。ユーザーの本音は、ネクストアクションの重さでしか計れないのです。

  • ①詳しい説明を聞きたい
    • 商談化率:50%
  • ②無料デモを見たい
    • 商談化率:25%
  • ③パンフレットが欲しい
    • 商談化率:10〜15%
  • ④興味ない

僕らは上記①〜③の3つの合計値が申込数の半分、つまり約50名を目指しています。上記①〜③からの平均商談化率は25%くらいです。よって、申込数を100件と仮定すると、12.5件くらいは商談獲得できると見込んでいます

ここでは詳細に語ることはできませんが、セールスフォースを使って案件化率、成約率までさらに細かく追っています。

ーー上位アクションをうまく引き出すために、どのようなことを意識されていますか。

河村:ポイントは2個あります。集客段階でターゲットユーザーが取れているかどうか。そして、いかにセミナーに出席いただいた方に態度変容してもらうかです。

ターゲットユーザーを取るためには、いかにセミナーの内容を正確に伝えて、興味のある人だけ集まってもらうか。これが重要なポイントです。

基本的にセミナーの集客は「メルマガ」×「ランディングページ」の組み合わせです。そのため、ここで必要な情報、つまりターゲットユーザーが望む情報を記載します。

セミナー資料の事前公開

一番の武器は、セミナー資料の事前公開です。「セミナー資料を事前に見せておいて、こういった内容を話すので、この内容に興味がある人だけ来てね」と。当たり前ですが、そこに興味のある人は来てくれるし、興味のない人は来ません。それで良いんです。全員を満足させるセミナーなんてできない。だから、満足してもらえる人だけに来てもらえれば良いんです。

しかし、一般的なセミナーは申込み数や来場者数を重要視するあまり、なるべく事前に情報を出さず、雑多で良いから多くの人を呼ぼうとする。これは大きな間違いです。セミナーは移動時間を含めて2時間以上、ユーザーから時間を奪います。そこまでして参加したセミナー内容がミスマッチだったら、ユーザーはガッカリして、次からは参加してくれないかもしれない。長期的に見て、セミナー運営企業にとっても、ユーザーにとってもメリットは何もありません。

次にセミナー内容に関しては、キラーコンテンツをきちんと出せているかどうかです。ferret Oneでは7つのキラーコンテンツがあります。これを決まった順番に出せば、態度変容が起こりやすいことがわかってきました。

ーーferret Oneのセミナーでのキラーコンテンツについて教えてください。

河村:一例ですが「弊社が推奨しているサイトの成功の型と、そこで必要な13個のポイント」というものがあります。その場で参加者の方に、自社サイトが13個のうち、何個できているのかをチェックしてもらうんです。実際に手で書いてもらって、さらに全員の前で一人ずつ、できている数を発表してもらいます。ここで「やばい、全然できていない」とあらためて現実を直視してもらう、いわゆるマインドセットです。自分たちのサイトがどのような状態なのかをしっかりと理解していただいて上で「じゃあ、今からどうすれば良いのか?」と展開していきます。

A/Bテストで分かった、セミナータイトルから広告クリエイティブの最適解

河村 和紀氏

ーーセミナーのタイトル付けで意識していることはありますか。

河村:タイトル付けで意識していることは2個あります。ferret OneはBtoB企業様向けのサービスなので、「BtoB」を必ずセミナー名につけています。これが1つ目です。

2つ目はターゲティング。Web担当者や責任者といった「どういう人たちを呼びたいか」の横軸と、その方が「どのような業務に従事しているか」「どのような課題を抱えているか」といった縦軸。この横軸と縦軸の言葉を組み合わせてセミナーのタイトルを付けています

ーーセミナー告知のLPで意識していることはありますか。

河村:まず、これまでの実績の数字を必ず入れています。セミナーに参加することで、どのようになれるのかを具体的にイメージしてもらうためです。数字を出した方が、イメージがしやすいので。次にセミナー資料がキラーコンテンツになるので、実績の下部にセミナー資料を一部公開するエリアを設けています。

セミナー告知ページの一部
画像出典:ferret One セミナー

ーーセミナー告知用のLPでは、アイキャッチ画像に顔写真を載せていると思います。これはやはり効果があるのでしょうか。

河村:A/Bテストで検証したところ、顔写真の効果はあるとわかっています。また登壇される方の会社のロゴが有名であれば、それを並べたほうがさらに良いです。

ーーセミナー集客用のFacebook広告を展開していると思います。どんなクリエイティブが最も効果が出ていますか。

河村:こちらもA/Bテストで検証したところ、静止画よりも動画の方が効果が高いです。CPAは半分以下です。静止画バナー、スライダー形式の資料公開、GIF画像で資料が動く、動画の4パターンで試したところ、動画がダントツで良かったです。動画でセミナー資料を一部見せてあげ、一番大切な部分で「続きはセミナーで!」と繋げるのが一番効果が高いとわかっています。

継続的にセミナーを企画・実施するためのポイント

ーー継続的にセミナーを企画・実施するためのポイントについてお聞かせください。

河村:まずレギュラー開催のセミナーを決めることです。クロージング型のセミナーはいつも同じ内容です。集客用のセミナーも、勝ち筋が2本あるので、ほぼ毎月開催しています。それ以外は他社との共催で補っているイメージです。

セミナーから商談につなげるポイント

河村 和紀氏

ーーセミナー開催後の商談につなげるポイントについてお伺いできればと思います。

河村:重要なのは確実なアンケート回収ですね。僕たちはアンケート結果を元に、インサイドセールスチームがコールをかける優先順位を決めています。

回収率を上げるために、当日のセミナー資料は弊社が運営する「formrun(フォームラン)」を使ったWebアンケートに解答してくれた方、全員にプレゼントするようにしています。そのため、セミナー冒頭にアンケートに答えていただければ本日の資料は全て差し上げるので、セミナー中は一切メモしなくても良いので僕の話に集中してくださいと伝えています。ユーザーからしたら、面倒なメモを一切しなくて良いので、メリットしかないです。

書損じが起こらないWebアンケートに、セミナー資料のプレゼント。これらにより、回答率は9割強を超えます。また、Webアンケートなのでわざわざアンケート内容をパソコンで打ち込む必要が一切ありません。アンケート結果をエクスポートして、セールスフォースに取り込む。最短10分で、アンケート結果を元にしてインサイドチームがコール開始できます。

また商談に至るまでの「早さ」も大事です。セミナー申込時に「個別相談したいかどうか」をフォームで確認し、インサイドセールスへ渡して、ferret Oneに興味があるかつ確度が高い人がいたら、当日その場で商談をしています。

セミナー参加者の満足度を高める工夫

ーーセミナー当日の参加者の満足度を高める工夫について教えてください。

河村:大前提として、参加者とセミナー内容のミスマッチを起こさないこと。その上で、参加者が想定する以上のものをセミナーで話すことに尽きます。うちはセミナー資料を事前公開して、「最低限このあたりの内容の、こんなレベルの話をする」とあらかじめ宣言しているので、期待値がそこから大きくズレることはほぼないんです。なので、あとはその期待値を超えるだけ。しかし、他のセミナーを見ていると、これができていないセミナーが多いのも事実です。

例えば、いざセミナーに参加してみると、自社商品の説明ばかり、こんなケースは最悪です。「なんだこれ、セミナーじゃないじゃん。営業の説明会じゃん」と、不満に繋がります。中にはセミナー自体に不信感をいただき、その後の参加を控える方もいらっしゃるはずです。だからこそ、弊社では事前にセミナー資料を公開することで、参加者の期待値の高さと、方向性をコントロールしているんです。そして、その正しい期待値のバーを超えることで満足度が高まり、サービス購入への態度変容が起こるんだと考えています。 

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河村 和紀氏 プロフィール@Kawamura_KZK
外資系人材紹介会社を経て、創業期の株式会社ベーシックに入社。Webサイト運用・商品企画・新規事業立ち上げなど幅広く携わるなか、イチから手掛けたイベントが、累計来場者数70,000人を超える日本最大級の規模に成長。その後セールス職を経て担当しているBtoB企業向けのマーケティングセミナーは、今や開催回数が250回以上を数える。最近は自社が開催するセミナーだけでなく、マーケティング戦略におけるセミナーのノウハウを伝授するイベントにも多数登壇。

(撮影:植田 翔)

この記事を書いたライター
大木一真(モジカク)

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