少額予算×複数案件こそ内製化の価値がある。サポートプランを活用し、未経験から内製化・効果改善・工数削減を実現 〜関西電力株式会社のShirofune導入事例〜

関西電力株式会社
関西電力株式会社ソリューション本部 荒木誠也 様・福島健太 様

事例の要約(PDF)をダウンロードする

関西電力株式会社では、全国の法人に向けて、脱炭素やエネルギーマネジメント、防災対策を中心とした、様々なソリューションを展開しています。

そのうち、いくつかのソリューションでは、デジタルマーケティングでリードを獲得すべくWEB広告を出稿し、代理店に運用をお任せしていました。しかしながら1つ1つのソリューションにかけられる広告予算が少額で多岐に渡ることから、広告効果にばらつきが発生。

代理店とのコミュニケーションに費やす時間が多く、運用面に課題を感じていたため、Shirofuneをサポートプラン付きで導入。運用未経験ながら内製化へと踏み切りました。

結果、広告効果は代理店運用時と同等、ソリューションによっては改善し、外注していた時以上に、WEB広告にかかる工数が減ったと話します。

限られた広告予算×複数ソリューションでも成果を着実に伸ばせた秘訣、運用内製化がもたらした成果について伺いました。

【課題】
・複数ソリューション×少額予算で、効果にばらつきが発生
・ソリューションが多岐に渡るため、代理店とのコミュニケーションに費やす時間が多くなってしまう
・運用を内製化したいが、デジタルマーケティングの担当者2名は広告運用未経験

【解決策】
・Shirofuneをサポートプラン付きで導入し、運用を内製化

【成果】
・運用未経験から、半年でサポートを卒業。2名の担当者は、一通りの運用業務ができるように
・改善カードを活用し、毎日短時間でも着実に改善を実行
・広告効果は代理店運用時と同等、ソリューションによっては改善
・代理店とのコミュニケーションに費やす時間が削減でき、社内説明のためのデータ加工もShirofuneのレポート機能で簡単に抽出できるように
・担当者が、クリエイティブやプロモーション全体を一気通貫で見る姿勢が醸成された

全国の法人に向けてバラエティ豊かなソリューションを提供。

―広告を展開されているソリューションの内容について、聞かせください。

福島様(以下、敬称略)
関西電力では関西のみならず、全国の法人のお客様向けに様々な経営課題を解決するソリューションをご提供しています。

エネルギー分野はもちろん、脱炭素、BCP・防災、ビジネスサポートとその内容は多岐に渡ります。ソリューションごとに担当がおり、私共はデジタル領域でのマーケティングを担当しています。

関西電力 法人向けソリューション紹介サイト

中でも私が担当しているのはエネルギー・ビジネスサポート関連のソリューションで、WEB広告を展開しているのは【おまかSave-Air】【エナッジ】【施設管理のミカタ】の3つです。

●空調の自動制御ソリューション【おまかSave-Air】
建物や店舗では、電力使用量の半分近くを空調が占めるケースもあります。空調を自動制御することで、快適性を維持しながら空調の電力使用量を削減したり、ピーク時の需要を抑えたりと、省エネに役立てるソリューションです。

●エネルギーの見える化ソリューション【エナッジ】
事業所を多く抱えられている企業様のソフト面での省エネを支援するソリューションです。エネルギーの利用状況を見える化し、例えば「この時間帯に、この場所の照明を消しましょう」といったように、AIが事業所ごとに推奨する省エネアクションを表示することで、自発的な省エネを促します。

●施設情報をWEBで一元管理する【施設管理のミカタ】
施設を管理されている方が、社内の様々な設備情報を一元管理できるソリューションです。設備情報を別々の部署で管理されていることも多く、修繕履歴を探したり、点検の業者を見つけるのにも手間がかかります。ここを一元管理し、点検や工事の委託先を見つけることができます。

―これらのソリューションのターゲットは、どういった方々でしょうか?

福島
経営層の方も多いですし、設備担当の方も多いです。【施設管理のミカタ】は施設管理課と呼ばれる部署や総務など、管理業務を行われる方が対象となります。

―荒木様の担当ソリューションについても聞かせてください。

荒木様(以下、敬称略)
私が担当しているのはBCP・防災関連ソリューションです。中でもWEB広告を展開しているのは、【安否確認システム】【非常用発電機の負荷試験】【総合防災サービス】の3つです。

●【安否確認システム】
災害時、従業員に安否確認メールを自動で配信し、集計するシステムです。従業員の安否結果や出勤可否を即座に把握することで、事業活動の復旧・継続に速やかに対応するためのBCPソリューションです。

●【非常用発電機の負荷試験】
災害等で停電が発生した際、最低限の電力を確保するための非常用発電機は、1年に1度の点検が義務付けられています。電源が入ったから安心ではなく、消防法で推奨されている定格出力30%の負荷をかけて、実際に稼働するかを点検するソリューションです。

●【総合防災サービス】
安否確認システムや負荷試験サービスなど、弊社で用意している18のBCPソリューションを総合したソリューションです。複数の会社に依頼をするのは手間もかかるので、弊社ではお客様のご要望に応じてBCP計画を立て、対策をコーディネートしてご提供いたします。

―これらのソリューションの、ターゲットについても聞かせてください。

荒木
業種はあまり問わず、総務のような管理業務をされている方がメインです。【非常用発電機の負荷試験】は当然ながら、非常用発電機を導入されているお客様、ということになります。病院はもちろん、ビルにも多く入っています。

複数ソリューション×低予算。代理店とのコミュニケーションに費やす時間を削減し、広告効果をあげたいと自社運用を決断。

―集客上の課題はどのようなところに感じておられましたか。

福島
関西電力といえば「関西のエネルギー事業者」という印象を持たれることが多いため、「日本全国でソリューションを提供できる会社」であることをいかに知っていただくか、が大きな課題です。

そのため、以前から広告代理店さんにお願いをして、WEB広告の配信に取り組んできました。ところがご紹介した6つのソリューションに加えて、もういくつかあり、数が多い上に内容も多岐に渡ります。

1つ1つのソリューションにかけられる広告予算も大きくはないので、代理店さんからすると、予算が少ないわりに手間がかかります。

効果はソリューションによっては月のばらつきが大きいものもあり、代理店さんと要因を探ることや改善策の検討に費やす時間も多いため、自社運用への切り替えを考えました。

―運用経験がない状態で、自社運用へ移行するのは大きな決断だったと思います。特に懸念としてあがった事項はありましたか。

福島
自社運用に切り替えることでCPAが高騰しないか、運用面でのパフォーマンスが落ちないか、非常に気になりました。また、自社で運用することで逆に工数が増えるのではないか、という点も気になっていました。

ただShirofuneを使えばこの両方がクリアでき、自社運用で効率的にPDCAを回せるツールだということが分かりました。

社内では、想定されるコストと運用工数の削減効果を提示し、導入へと至りました。

Shirofuneサポートプランを導入し運用を内製化。「簡単に運用できる」驚きと「着実に改善できている」満足感。

―サポートプランもセットで導入いただいていますね。

福島
広告運用において、どういう指標を見てどう分析し、どう改善していくのかのイメージは掴めていました。

不安だったのは入稿方法や具体的な改善など操作方法の部分です。ここは手厚くサポートいただけるということだったので、サポートプラン付きで導入しました。

―ソリューションが多岐に渡りますが、導入はどのように進めましたか?

福島
私と荒木が担当するソリューションの中からいくつかピックアップし、ソリューションを限定した形で運用をスタートしました。

―実際にShirofuneを使った感想を聞かせてください。

福島
本当に簡単に運用ができるんだと、その使い心地に驚きました。予算管理が楽に行えますし、改善カードも便利です。レポート機能については、出したいタイミングで実績を出せるのはもちろん、何が要因で数字が下がっているのかも見られるのでとても役立っています。

荒木
他の業務もあるので、日々、状況を追うのは難しいこともありますが、最低限、改善カードだけでも毎日やることで着実に、少しずつでも改善できるのがいいですね。

扱っているソリューションの特性上、世の中の災害の流れや競合の出稿状況にも影響を受けやすいものの、「改善できている」という手ごたえがあります。

やりとりを挟まずに直接自分で修正ができるので早いですし、やりやすいです。

広告効果は順調に推移、運用工数も削減。プロモーションを一気通貫で見る姿勢が醸成された。

―広告効果はいかがですか?

福島
配信を始めてしばらくはコンバージョンに結びつかない時期もありましたが、総じて代理店さんにお願いしていたときと同等、中には改善しているソリューションもあります。

トライアル的に限られたソリューションで導入をしましたが、概ね想定通りの効果が出ているので、3か月経ったところでソリューションを追加しました。

―当初懸念されていた運用工数は抑えられていますか?

福島
かなり抑えられています。これまで代理店さんと行っていた30分×ソリューション分の打ち合わせがなくなったのに加え、レポートの工数が大幅に削減できています。

以前は状況説明と改善策を社内で共有するため、代理店さんからのレポートを加工していました。すべてのキーワードレポートやクエリレポートをチェックしてまとめており、月に5時間以上費やしていました。

その業務が、Shirofuneのレポート機能で簡単にできるようになりました。

―自社運用の効果をどのようなところに感じておられますか。

福島
日々傾向が出て、改善すべきものは早めに改善することで効果も上がり、見たいレポートは見たい書式で出せるので工数も削減できています。短時間でも、日々確認をして、何か傾向ができたら改善をする、という運用が少しずつ身についてきました。

また広告運用だけを切り取るのではなく、クリエイティブやプロモーション全体を一気通貫で見る姿勢、意識が醸成された点には大きなメリットを感じています。

―サポート担当とのコミュニケーションはいかがでしたか?

福島
月に1回の定例ミーティングを開催し、私と荒木が2人で出席していました。疑問点があればすぐに回答いただけたので、大変満足しています。導入時は設定のところでわからないことも多くありましたが、手厚くサポートしていただきました。

荒木
私は福島よりも代理店との折衝経験が短いため、わからないことも多くありました。福島は一通り理解しているので、その前提で定例は進めていただき、わからないことは都度質問をしてキャッチアップしていきました。

月に1度の定例ではしっかりと学ばせていただき、それ以外で質問をさせていただく時もレスポンスが非常に早く、助かりました。

福島
半年間サポートいただき、基礎的なことは自分たちで解決できるようになったので、現在はサポートを卒業しています。

関西から全国へ。認知拡大と運用の柔軟な改善、体制強化を目指す。

―Shirofune導入、運用内製化による成果を今後どう活かし、発展させていきたいですか。

荒木
関西電力が関西圏以外で営業活動をしていると「なぜ?」と思われることも多いため、ソリューション単位のWEB広告以前に、「全国でソリューションを提供している」という認知を拡大させる必要性を感じています。

福島
全国の方に興味を持っていただけるよう、引き続きプロモーションを展開していくのはもちろんですが、その中でも効果を見ながら媒体を見直したり、運用面での改善を柔軟に行いながら見込み顧客の獲得を増やしていきたいです。

あとは実績を見ながら、Shirofuneで運用するソリューションを増やすことも検討していきたいです。社内で運用をしているのは私と荒木の2名ですが、今後担当が変わった際もShirofuneを活用したスムーズな運用ができるよう、体制を構築していきたいです。

−ありがとうございました。

<取材・文=藤井恵>

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