Meta広告広告キャンペーン

Meta広告の広告キャンペーンと広告セット、広告の違いとは?使い分け方や設定方法を解説

戸栗 頌平

デジタル広告を取り巻く環境は、この数年で大きく様変わりしました。生成AIの普及により、クリエイティブや入札調整の自動化が急速に進み、生き残りをかけたAI競争が勃発しているとまでいわれています。

広告運用の現場では、「人がどこまで設計し、どこから機械に任せるか」という判断が成果を左右する時代に移行しています。そのなかでも、Meta広告(旧Facebook広告)は依然として多くの企業に活用される主要なチャネルの一つです。

高精度なオーディエンスデータと多様な配信面を持つ反面、「キャンペーン」「広告セット」「広告」という3階層構造を正しく理解しないまま運用を進めると、学習の最適化が機能せず、広告効果が伸び悩む要因にもなります。

そこで本記事では、Meta広告の階層構造を基礎から整理し、それぞれの役割・設定項目・使い分け方を体系的に解説します。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」とは

そもそもMeta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」とは、広告の情報を設定・管理する3階層構造を指します。この3つは独立した機能ではなく、上位から下位へと設定内容が引き継がれる仕組みになっています。

たとえば、広告キャンペーンは「配信の目的」を、広告セットは「配信条件(ターゲット・予算・期間など)」を、広告は「実際に表示されるクリエイティブ」をそれぞれ管理する層です。階層構造を理解して設計することで、目的に応じた最適な配信を行えます。

 

Meta広告の構成は一見シンプルに見えますが、各階層の役割を混同したまま設定してしまうと、アルゴリズムの学習がうまく進まず、意図した成果を得られないことがあります。以下では、それぞれの階層で設定できる内容と役割を詳しくみていきましょう。

広告キャンペーンとは?設定できる内容をおさらい

広告キャンペーンとは、Meta広告における配信の最上位階層で、広告配信の目的(Objective)を設定する単位を指します。ここでの目的設定は、Facebookの最適化アルゴリズムが「どの成果を重視して学習するか」を決定する重要なステップです。

キャンペーンでは主に、以下のような目的を選択します。

  • 認知(ブランドの認知度向上)
  • トラフィック(サイト訪問数の増加)
  • エンゲージメント(投稿への反応や動画再生)
  • リード獲得(フォーム入力や資料請求)
  • コンバージョン(購入・問い合わせなどの行動)

また、キャンペーン単位では「A/Bテストの実施」や「キャンペーン予算の最適化(CBO:Campaign Budget Optimization)」を有効にすることも可能です。これにより、複数の広告セット間で自動的に予算を再配分し、より成果の出やすい組み合わせをMetaのAIが学習していきます。

広告セットとは?設定できる内容をおさらい

広告セットとは、Meta広告の中で「誰に・いつ・どこで広告を届けるか」を設定する層を指します。キャンペーンが「目的」を定める層だとすれば、広告セットは「配信条件」を設計する層です。

広告セットレベルで設定できる主な項目は、以下のとおり。

  • オーディエンス(ターゲット設定):年齢、性別、地域、興味関心など
  • 予算とスケジュール:日別または期間全体の予算、配信期間
  • 配置(プレースメント):Facebook、Instagram、Messenger、Audience Network など
  • 入札戦略と最適化目標:コンバージョン、クリック、リーチなど

広告セットを適切に分けることで、ターゲットの重複配信を防ぎ、配信効率を高められます。

一例を挙げると、「20代向け」「30代以上向け」など、ユーザー層ごとに広告セットを分けて成果を比較すれば、どの層に予算を集中すべきかが明確になります。

広告とは?設定できる内容をおさらい

広告とは、実際にユーザーの画面上に表示されるクリエイティブ(素材)を管理する層を指します。

ここからは、画像や動画、見出し、説明文、CTAボタンなど、広告そのものの見え方を設計します。

広告レベルで設定できる主な項目は、以下のとおりです。

  • 広告フォーマット(静止画・動画・カルーセル・コレクションなど)
  • 広告素材(画像・動画・テキスト・リンク先URL)
  • 見出し・本文・説明文
  • CTAボタン(例:詳しく見る・購入する・登録する など)
  • トラッキング設定(Metaピクセル/UTMパラメータなど)

広告レベルでは、異なる訴求軸や表現を複数用意し、パフォーマンスを比較検証する必要があります。「導入事例を訴求する広告」と「製品機能を訴求する広告」を同一の広告セット内でテストすれば、どのメッセージがターゲットに響くかを明確に把握できます。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の違いのまとめ

ここまで説明した3階層構造を整理すると、Meta広告は「目的」「配信条件」「クリエイティブ」という明確な役割分担のもとで設計されています。それぞれの階層がどのような設定を担っているのか、以下の表で確認しておきましょう。

階層管理する内容主な設定項目
広告キャンペーン広告配信の目的を決定する層目的設定(例:認知・トラフィック・リード・コンバージョンなどのA/Bテスト)キャンペーン予算方式
広告セット広告の配信条件を管理する層オーディエンス(年齢・性別・地域・興味関心など)予算・配信期間プレースメント
広告実際に表示される内容を構成する層画像動画見出し本文CTAボタンなどのクリエイティブ要素

広告配信の学習は、この階層構造に沿って進むため、設定の整合性が取れていないと成果が安定しません。たとえば、キャンペーン目的が「認知」なのに広告セットで「購入最適化」を選んでしまうと、アルゴリズムがどの成果を重視すべきか判断できず、学習が分散します。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の違いを理解しておくべき理由

Meta広告の3階層(キャンペーン・広告セット・広告)は、単に設定項目が分かれているだけではなく、配信ロジックの根幹を成す設計構造です。それぞれの階層が担う役割を正しく理解していないと、最適化の意図がずれたり、ターゲット重複や学習の停滞を招いたりといった問題が発生します。

一方で、階層ごとの機能を把握しておけば、以下のような理由から、Meta広告の運用を効率化できます。それぞれ詳しく解説します。

目的に沿った正しい設計ができる

広告キャンペーンでは、「認知」「トラフィック」「コンバージョン」などの目的を設定します。これはMeta広告のアルゴリズムが「どの行動を最適化するか」を判断する基準であり、最も重要な設計要素のひとつです。

目的の選択を誤ると、クリック数を伸ばしたいのにコンバージョン最適化を選んでしまうなど、学習の方向がずれ、成果が安定しないまま費用対効果が悪化していきかねません。

実際、2024年の株式会社キーワードマーケティングの調査では、約6割がデジタル広告の費用対効果が悪化していると回答していることからも、多くの企業にとって重要な知識であるといえます。

(出典:PR Times「約6割がWeb広告の費用対効果が悪化していると回答!広告費高騰を乗り越える「広告×PR戦略」解説セミナー/5月24日(金)開催」)

適切な目的設定には、顧客の検討段階を意識する必要があります。潜在層にはブランド認知や動画再生など「知ってもらう」、比較検討層にはリード獲得やサイト誘導といった「関心を深めてもらう」、商談や購入に近い層には「コンバージョンを促す」といった目的を設定することが基本です。

配信条件やターゲットの重複を防げる

広告セットは、「誰に・いつ・どこで・どのくらい配信するか」を管理する層にあたります。設定を誤ると、同じユーザー層に複数の広告が重なり、クリック単価が上昇するなど、コストの無駄な投下につながりかねません。

こうした重複を避けるには、比較しやすい基準で広告セットを整理することが基本です。年代・業種・地域など、明確に分けられる軸で構成すると、結果を正確に比較しやすくなります。また、既存顧客や過去のコンバージョンユーザーを除外設定しておくことで、無駄な配信を防ぐ効果も得られます。

特に近年はCookieやIDFAなど、個人情報取得の制限強化により配信の精度が下がっており、2025年のRokt合同会社の調査では、69.9%が「不適切なターゲティングがブランド印象に悪影響を及ぼしている」と回答しています。

(出典:PR Times「Rokt、デジタル広告の課題に関する意識調査を発表リテールメディアがもたらす”新しい広告体験”の可能性」)

予算配分では、CBO(キャンペーン予算最適化)とABO(広告セット別予算)の選択も成果を左右します。CBOは成果の高い広告セットへ自動的に予算を振り分ける仕組みで、初期段階の傾向把握に向いています。一方、ABOは広告セットごとに予算を固定し、ターゲット別の検証を行いたい場合に有効です。

効果測定と改善が速くなる

Meta広告の成果を安定して高めるには、「どの設定が結果に影響しているか」を正確に把握することが求められます。キャンペーン、広告セット、広告という三層構造を理解しておくと、数値の変化を原因ごとに整理でき、改善の方向を早く見出しやすくなります。

コンバージョン率が下がった場合でも、キャンペーンで目的設定に誤りがないか、広告セットでターゲットや配信面が変わっていないか、広告でクリエイティブの訴求が弱まっていないかを順に確認することで、原因を正確に突き止められます。

サイカが2020年に発表した調査では、広告効果測定におけるデータ分析の高度化によるリソース不足も指摘されていましたので、社内であらためてナレッジをきちんと共有することの重要性が高まっていると捉えられます。

(出典:MarkeZine「広告効果測定の課題に約5割が「人手不足」と回答/オンオフの統合的な分析を求める傾向に【サイカ調査】」)

また、広告セットを整理しておけば、「特定業界では動画が成果につながりやすい」「若年層はカルーセルの反応が高い」といった傾向をつかみやすく、検証と改善のサイクルを短い間隔で回していけるでしょう。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の使い分け方

Meta広告は柔軟な設計が可能ですが、階層の使い分けを誤ると配信の意図がずれ、検証も難しくなります。同じキャンペーン内で複数の広告セットを並行させたり、広告セット内で多様な広告を比較したりと、構造を理解して運用すれば、テストと最適化のスピードを大きく高められます。

ここからは、「どのような基準で階層を分ければよいか」を整理し、代表的なケースごとに解説します。

広告キャンペーンを使うとき

広告キャンペーンは、配信の最上位に位置づけられる「目的設計」の単位です。同一キャンペーン内では基本的に目的が一貫しており、異なる目的を混在させるとアルゴリズムの学習がうまく働かないことがあります。

したがって、目的や配信条件が大きく異なる場合は、キャンペーンを分けて設計するのが原則です。

シーン①:目的が異なる場合

キャンペーンは「最終的に何を達成したいか」に応じて分けます。実際、ブランド認知を広げる配信と、商談獲得を目的とした配信では、ターゲット・クリエイティブ・KPIのすべてが異なります。

<目的例>

  • 認知拡大:動画広告や静止画での露出重視。リーチや視聴率を指標にする。
  • リード獲得:資料請求フォームやホワイトペーパー訴求。CTRやCVRを重視。
  • コンバージョン:デモ申込や購入を目的とした誘導。CV数・CPAを主要KPIにする。

このように目的を明確に分けておくと、後の効果測定でも「どの段階の成果を伸ばしたいのか」を正確に分析でき、改善の方向性を誤りません。

シーン②:配信地域・期間が異なる場合

配信エリアやスケジュールが異なる場合も、キャンペーンを分ける判断が必要です。具体的に考えてみましょう。「東京限定のイベント集客」と「全国向けのリード獲得」を同一キャンペーン内で設定すると、学習の方向が混ざり、どちらの成果も中途半端になりがちです。

地域や期間を明確に区切ることで、次のようなメリットがあります。

<地域や期間を区切るメリット>

  • 同一条件下でのデータが蓄積され、最適化が進みやすくなるため学習の安定化につながる。
  • 分析も明確化でき、地域別や期間別の成果を比較しやすくなる。
  • 地域・期間ごとに配分を調整し、投資効率を最適化できるため、予算管理を効率化できる。

例として、東京で1週間限定の展示会集客キャンペーンを行いながら、並行して全国向けの製品紹介キャンペーンを配信する場合、それぞれを別キャンペーンとして設計するのが望ましいといえます。目的・期間・ターゲットが異なるため、別々の学習ラインで最適化を行うほうが成果が安定します。

広告セットを使うとき

広告セットは、Meta広告の中で「どの条件で、誰に広告を届けるか」を管理する層です。キャンペーンが目的を決める単位だとすれば、広告セットはその目的を実現するための「戦術設計」を担います。

複数の広告セットを設定することで、条件ごとの効果を比較検証できるほか、重複配信を避けて最適なターゲット配分を行えるようになります。ここからは、広告セットを分けて運用する代表的なケースを3つ紹介します。

シーン①:ターゲット別配信を行う場合

属性や興味関心が異なるユーザーに対して、同じ広告を一括で配信すると、成果が偏ることがあります。広告セットをターゲットごとに分けることで、どの層が最も反応しているのかを明確に把握でき、訴求軸やクリエイティブを最適化しやすくなります。

実際、株式会社PRIZMAが2024年に公開した調査によると、広告運用の課題を解決するために実施した改善施策のなかで、上手くいったものの上位は「ファーストビューの訴求を変更(25.3%)」「ターゲットに合わせた広告配信(22.3%)」となっていました。

(出典:PR Times「【WEB広告施策に関する調査】9割以上が感じている課題は〇〇!?上手くいった改善施策も明らかに」)

この結果は、ターゲット層に合わせた配信を行うことの重要性を表しているといえます。

BtoC商材であれば「20〜30代女性」「40代以上」「医療従事者」などの属性で分ける。それに対して、BtoB商材であれば「製造業」「IT業界」「教育業界」といった業種単位で分ける方法があります。

広告セットを分けておくと、リーチ単価やCVRを比較しながら、費用対効果の高いセグメントに予算を集中的に投下できます。

シーン②:予算・スケジュールを設定する場合

広告セットごとに予算や配信期間を細かく設定することで、ターゲットの優先度や検証スピードをコントロールできます。

これは、施策の費用対効果を検証する上では大切な取り組みです。BtoBマーケターを対象とした調査ではありますが、株式会社IDEATECHが2024年に発表したリリースでは予算配分を見直す際に7割以上が自身の判断に迷うと回答していたことからも、「根拠なき判断」は難しいのだとわかるでしょう。

(出典:PR Times「【BtoB企業のマーケティング、予算配分は適正か?】担当者の約8割が「予算配分の見直しが必要」と回答調査からわかる見直しの必要性が高まる理由とは?」)

仮に、新商品のテスト配信を短期間で行いたい場合は、該当ターゲットの広告セットだけを「7日間限定・日別1万円」といった形で設定可能。また、商談化率の高い業種や地域に重点配分する場合も、広告セット単位で予算を管理するのが効果的です。

配信スケジュールについても、キャンペーン全体で一括設定するより、広告セットごとに日程を変えるほうが検証効率が上がります。たとえば、イベント前後で配信スケジュールをずらし、反応のピークを測定するといった活用も可能です。

シーン③:配信条件をテストする場合

広告セットは、配信条件のテスト単位としても活用できます。同じキャンペーン目的の中で、配信面・地域・デバイスなどの条件を変えて成果を比較することで、最も効果的な配信構成を見つけられます。

例として、以下のような検証パターンが考えられます。

  • 配信面の比較:Facebook・Instagram・Audience Network のどれがリード獲得に寄与しているかを確認。
  • 地域の比較:首都圏・関西圏・地方都市など、地域別でCVRやクリック単価を比較。
  • デバイスの比較:パソコンとスマートフォンでの反応率を検証し、主要接触デバイスに合わせてクリエイティブを最適化。

こうしたテストを広告セットごとに整理しておくと、結果の分析も容易になり、改善のスピードが上がります。配信条件を細分化して検証できる広告セットは、Meta広告の“実験場”ともいえる重要な階層です。

広告を使うとき

広告は、Meta広告の最下層にあたる「ユーザーに実際に表示されるクリエイティブ」を管理する層です。広告は画像・動画・見出し・説明文・CTAボタンといった要素を組み合わせ、ターゲットに最も響くメッセージを探ることが目的となります。

ここからは、広告を分けて運用する代表的なケースを2つ紹介します。

シーン①:表現・訴求軸を変えて比較する場合

同じ商品やサービスであっても、どのメッセージが最も反応を得られるかは、実際に配信してみないとわかりません。広告を複数用意し、訴求軸を変えて検証することで、ターゲットの共感ポイントを明確にできます。

具体的な訴求内容の「型」としては、次のようなパターンがあります。

  • 機能訴求型:「自動化で運用時間を70%削減」など、製品の特徴やスペックを強調する。
  • 導入事例訴求型:「大手メーカーが導入、商談化率が2倍に」など、実績や信頼性を訴える。
  • 課題解決型:「人手不足でも広告運用を止めない」など、読者の悩みに寄り添うメッセージを中心に構成。

このように、1つの広告セット内で複数の広告を運用することで、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の高い訴求軸をデータで見極められます。

また、成果が出たメッセージを他チャネル(LP・メール・セミナー告知など)にも展開すれば、マーケティング全体の一貫性も高まります。

シーン②:フォーマットを変えて最適化する場合

Meta広告は、静止画・動画・カルーセル・コレクションなど、複数の広告フォーマットを柔軟に活用できます。同じ訴求内容でもフォーマットが変わるだけで、ユーザーの反応は大きく異なります。

具体的には、以下のような使い分けです。

  • 静止画広告→シンプルで情報が伝わりやすく、クリック率を重視したテストに向いている。
  • 動画広告→ストーリー性を持たせやすく、ブランド想起や理解促進に効果的。
  • カルーセル広告→複数の商品や事例を並べて訴求でき、比較検討段階のユーザーに適している。

広告セットごとにフォーマットを固定し、広告レベルで形式を変えて比較すると、「どのフォーマットがどの目的に強いか」を明確に把握できます。また、動画の冒頭3秒や静止画のコピーなど、細かな要素をテストして改善を重ねることで、成果の最大化につなげられます。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の設定の方法

Meta広告を効果的に運用するためには、「どの階層で何を設定するのか」を正確に把握しておきましょう。キャンペーン・広告セット・広告の3層はそれぞれ目的や管理項目が異なるため、設定手順を正しく理解することで、学習の安定化と運用効率の向上が期待できます。

ここからは、Meta広告ビジネスヘルプセンター「Meta広告マネージャで広告キャンペーンを作成する」の情報をもとに、各階層の設定手順を整理します。

広告キャンペーンの設定方法

広告キャンペーンは、「何を目的として広告を配信するのか」を決定する層ですので、この段階で設定した目的や予算方式が、広告セットや広告レベルに引き継がれ、後続の成果分析や改善にも大きな影響を及ぼします。

以下では、キャンペーン作成の手順を順に解説します(※ヘルプページ1〜11の手順)。

手順①:広告マネージャを開く

Meta広告マネージャにアクセスし、画面左上の「+キャンペーンを作成」をクリックする。

手順②:購入タイプを選択する

利用可能な場合、「オークション」または「予約(リーチ&フリークエンシー)」を選択する。

多くの企業では成果型配信を行うため、「オークション」を選ぶケースが一般的である。

手順③:キャンペーンの目的を選択する

「キャンペーンの目的を選択」メニューから、配信の目的を指定する。目的には「売上」「アプリの宣伝」「リード」「トラフィック」「ブランド認知」などがあり、選択した目的によって後続の設定項目(最適化イベントや指標など)が変化する。

手順④:キャンペーンスコアを確認する

一部のアカウントでは、画面右側に「キャンペーンスコア」が表示される。これはキャンペーン公開前に最適化度を評価する機能であり、表示された推奨事項を反映することで配信の安定化が期待できる。

手順⑤:キャンペーン名と設定を入力する

[キャンペーン設定を選択]セクションで、以下を順に設定する。

  • キャンペーン名:目的や日付を含めると管理しやすい(例:2025_Q1_リード獲得)。
  • 特別な広告カテゴリ:住宅、雇用、金融、政治などに該当する場合は選択が必須である。

手順⑥:予算方式を設定する

「キャンペーン予算」または「広告セット予算」を選択し、さらに以下のいずれかを設定する。

  • 1日の予算:日ごとに消化上限を設定する方式で、安定運用に向く。
  • 通算予算:期間全体の上限を設定する方式で、短期キャンペーンに適している。

手順⑦:A/Bテストを設定する(任意)

配信後に広告効果を比較検証したい場合、「A/Bテスト」をオンにする。異なる目的やターゲットを並行して検証する際に活用できる。

手順⑧:「次へ」をクリックして広告セットの設定へ進む

全項目を確認した上で、「次へ」をクリックし、広告セット設定画面に移動する。

広告セットの設定方法

前述したように、広告セットはキャンペーンと広告の中間に位置し、「配信条件」や「ターゲット設定」を管理する層です。ここでの設計を誤ると、せっかく設定した目的が正しく最適化されず、広告効果が安定しにくくなりますので、ターゲットの区分けや配信期間、予算の設定を丁寧に行いましょう

以下より、広告セットの設定手順を解説します(※ヘルプページ12〜18の手順)。

手順①:広告セット名を入力する

[広告セット名]欄に、目的やターゲットが分かる名前を入力する(例:「30代_女性_東京_動画」など、配信条件を含めると管理しやすい)。コンバージョンやアプリ訴求を行う場合は、コンバージョンの場所やアプリ名を指定する。

手順②:Facebookページを選択する

[Facebookページ]項目で、広告主を代表するページを選ぶ。複数ページがリンクされている場合は、キャンペーン内容に関連するものを選択する。

手順③:ダイナミッククリエイティブを設定する

利用可能な場合は、[ダイナミッククリエイティブ]をオンにする。オンにするとMetaが自動で素材を最適化するが、手動カスタマイズは制限される。なお、2024年6月以降は「売上」または「アプリの宣伝」目的での新規作成時には利用できない。

手順④:予算と掲載期間を設定する

[予算と掲載期間]で、1日の予算または通算予算を選択する。1日の予算は長期運用に、通算予算は短期キャンペーンに向く。開始日・終了日を設定し、必要に応じて曜日や時間を限定する広告スケジュールを設定する。

手順⑤:オーディエンスを定義する

[オーディエンス制御]で地域・年齢・性別・興味関心を設定する。Advantage+ オーディエンスを使用する場合、Metaの学習により最も成果が見込める層へ自動最適化が行われる。

手順⑥:配置(プレースメント)を選択する

[配置]では、広告を配信する媒体を指定する。Metaが推奨するAdvantage+ 配置を利用すれば、Facebook・Instagram・Audience Networkなどの中から最適な面を自動で選択できる。手動配置を選ぶ場合は、配信チャネルを明示的に指定する。

手順⑦:「次へ」をクリックし、広告設定画面へ進む

すべての設定を確認したら、[次へ]をクリックして広告(クリエイティブ)レベルの設定に移動する。

広告の設定方法

最後に、広告そのものの設定です。広告レベルはキャンペーン・広告セットで設定した目的や配信条件をもとに、実際にユーザーに表示されるクリエイティブを設計する段階となります。

Meta広告では、画像・動画・カルーセルなど多様なフォーマットを使い分けることで、配信目的に合わせた最適な表現を行うことができますので、順番にみていきましょう(※ヘルプページ19〜25の手順)。

手順①:広告名を入力する

[広告名]欄に、訴求軸やフォーマットが分かる名前を入力する(例:「機能訴求_動画30秒」「導入事例_カルーセル」など)。複数広告を比較・分析する際に識別しやすくなる。

手順②:広告に表示する名前を選択する

[広告に表示する名前]項目で、FacebookページまたはInstagramアカウントを選択する。広告セットでページを設定済みの場合は自動的に適用される。複数のブランドアカウントを運用している場合は、広告の目的や文脈に合った発信元を選ぶ。

手順③:広告フォーマットを選択する

[広告設定]で作成方法を選択する。

  • [広告を作成]を選択した場合→フォーマットを[シングル画像または動画][カルーセル][コレクション]から選ぶ。
  • [既存の投稿を使用]を選択した場合→既存投稿をもとに広告を作成する。
  • [クリエイティブハブのモックアップを使用]を選択した場合→モックアップから広告を作成する。

手順④:画像または動画を追加する

[メディア]メニューから、画像または動画を追加する。新しい素材をアップロードするか、過去に使用したものを選択できる。必要に応じて、画像を動画に変換する機能も利用できる。素材はフォーマットに合わせて自動的に最適化される。

手順⑤:テキスト・見出し・説明を入力する

広告に表示するメインテキスト、見出し、説明文を設定する。これらはユーザーの視線を最初に引きつける重要な要素である。複数パターンを用意してA/Bテストを行うことで、反応率の高いクリエイティブを特定しやすくなる。

手順⑥:リンクとコールトゥアクションを設定する

必要に応じてウェブサイトURLとCTA(コールトゥアクション)ボタンを追加する。代表的なCTAには「詳しく見る」「今すぐ登録」「資料をダウンロード」「購入する」などがある。クリック先URLには、効果測定のためUTMパラメータを付与しておくと分析が容易になる。

手順⑦:広告の詳細オプションを確認する

フォーマットや目的に応じて、言語設定や配置別カスタマイズなどの追加オプションが利用できる。必要な項目が適切に設定されているか確認する。

手順⑧:コンバージョントラッキングツールを設定する

配信成果を正確に把握するため、Metaが提供するトラッキング機能を設定する。

  • Metaピクセル:ウェブサイト上のコンバージョンを計測
  • アプリイベント:モバイルアプリ内での行動を計測
  • オフラインイベント:来店や商談などのオフライン成果を計測

手順⑨:広告をプレビュー・公開する

右側の[広告プレビュー]をオンにして、各配置での表示を確認する。問題がなければ[公開]をクリックする。公開前には、Metaの利用規約・広告規定を確認すること。審査を経て承認されると広告配信が開始される。

Meta広告の「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の使い分け方の事例

異なる役割を持つ「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造は、目的や条件に応じて適切に設計・運用することで、学習精度と成果の最大化が可能になります。ここからは、Meta公式のケーススタディをもとに、実際の企業がどのようにこれら3つの層を使い分けて成果を上げたのかを紹介します。

キャンペーン設計・広告セット構成・クリエイティブ展開の3つの観点から、実践的な事例をみていきましょう。

事例①:Westwing(ドイツ)、目的別キャンペーンを組み合わせてROASを37%改善

ドイツ発の家具EC「Westwing」は、Meta広告で販売目的のキャンペーンと認知目的のキャンペーンを併用する戦略をテストしました。

従来は「販売目的(セールス目的)」のみの広告運用でしたが、成果が頭打ちになる傾向を受け、新たに「認知目的(ブランド認知向上)」キャンペーンを追加。両者を並行運用する“マルチオブジェクティブ(複数目的)戦略”を実施しました。

(出典:Meta「Boosting incremental campaign results with multi-objective Meta ad campaigns」)

運用では、販売キャンペーンとして Advantage+カタログ広告 と Advantage+販売キャンペーン を活用し、ブランド認知キャンペーンでは動画広告・カルーセル広告などを組み合わせて運用。いずれも Advantage+配置(自動配置) と Advantage+キャンペーン予算 により、最適な広告枠と予算配分がリアルタイムで最適化されました。

その結果、Metaによるコンバージョンリフト・ブランドリフト調査では以下の成果が報告されています。

  • 認知+販売キャンペーン併用時、増分ROAS(広告費用対効果)が37%向上
  • 増分1購入あたりコストが18%削減
  • ブランド認知度が11.7ポイント上昇

これにより、Westwingは「ブランド認知と販売の両輪を設計することで、短期・長期双方の成果を最大化できる」ことを実証しました。

事例②:Confer On(インドネシア)、最適化イベントの異なる広告セットを比較し、購入数を3.9倍に拡大

インドネシア発のメンズ向けファッションEC「Confer On」は、Facebook・Instagram広告で広告セットを最適化し、イベントごとに分けてA/Bテストを実施しました。

同社はこれまで「会話最適化(メッセージの開始数を増やす)」を目的に、WhatsAppへ誘導する広告を活用していましたが、購入意欲の高い層へ効率的にリーチするため、「メッセージ経由での購入最適化」を新たに設定した広告セットを追加しています。

(出典:Meta「Confer On – Increasing sales with ads that click to WhatsApp and purchase optimization」)

テストでは以下の2構成を比較しています。

  • 広告セットA: WhatsAppでの会話数最適化
  • 広告セットB: WhatsAppでの購入最適化

どちらも同一キャンペーン内で、写真広告・同一クリエイティブ(靴・バッグなどの製品画像)を使用し、配信対象や期間(14日間)を統一。配信先には25〜40歳のインドネシア国内ユーザーを広く設定し、Advantage+配置(自動配置)を用いてコスト効率の高い配信面へ自動最適化しました。

その結果、Metaの検証によると以下の成果が確認されています。

  • 購入数が3.9倍に増加(会話最適化セット比)
  • 1購入あたりコストが79%削減

この結果から、単に「会話を増やす」よりも、「購入行動まで最適化された広告セット」を併用することで、メッセージアプリを経由した売上効果が大幅に向上することが示されました。同社はこの成果を踏まえ、今後は広告セット単位で目的を明確に分け、購入最適化中心の運用へ移行するとしています。

事例③:Rollic社(トルコ)──広告クリエイティブを分けて最適数を検証、ROASが14%向上

トルコのモバイルゲーム開発会社「Rollic」は、Metaの自動最適化機能「Advantage+アプリキャンペーン」を活用し、広告クリエイティブの数を変えた複数パターンの比較テストを実施しました。

(出典:Meta「Rollic Increasing campaign performance using Meta Advantage+ app ads with differentiated creative」)

従来は10〜20種類のクリエイティブで配信を行っていましたが、Metaと協働して、どの程度のクリエイティブ数が最も高い成果を生むのかを検証するために、マルチセル・コンバージョンリフトテストを実施しました。テスト構成は以下のとおりです。

  • セル1:10種類の異なる広告クリエイティブを使用した「Advantage+アプリキャンペーン」
  • セル2:30種類の広告クリエイティブを使用した「Advantage+アプリキャンペーン」
  • セル3:50種類の広告クリエイティブを使用した「Advantage+アプリキャンペーン」

いずれも同一の配信条件(ターゲティング、予算、配信面)で比較を行い、広告クリエイティブの数のみを変化させています。

その結果、50種類の広告を使用したキャンペーンで、ROAS(広告費用対効果)が14%向上。また、インクリメンタル(追加的)なアプリインストール単価は、10種類構成時より19%、30種類構成時より5%低下する成果を示しました。

この事例は、広告を分けてクリエイティブの多様性を確保することが、Meta広告の学習精度を高め、成果の最大化につながることを実証した好例といえます。

まとめ

Meta広告における「広告キャンペーン」「広告セット」「広告」の三層構造は、単なる設定項目ではなく、成果を左右する設計思想そのものです。

キャンペーンでは目的を定め、広告セットでは配信条件を整理し、広告ではユーザーに響く表現を追求する。この階層を意識して設計することで、Meta広告は初めて戦略的に機能します。

反対に、構造を曖昧にしたまま配信を始めると、目的に合わない最適化やターゲットの重複、データ分析の不整合といった問題を引き起こしやすくなります。成果が安定しない広告アカウントがあるとしたら、この「設計段階での認識のズレ」が起こっていないかを振り返りましょう。

本記事で解説したように、キャンペーン構造を正しく理解すれば、Meta広告も「場当たり的にオペレーションするもの」から「再現性のあるキャンペーン」になります。

もし今、配信結果のばらつきや改善の難しさに課題を感じているなら、まずはアカウントの階層構造を見直し、目的とターゲット、表現の整合性を取り戻すことから始めてみてはいかがでしょうlか。

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