
広告戦略の国内・海外企業の成功事例を紹介

- 戸栗 頌平
アイザック・ニュートンは「私たちは巨人の肩の上に立っている」と語り、20世紀を代表する詩人T・S・エリオットは「成熟した詩人は盗む。未熟な詩人は模倣する」と述べました。これらの言葉を紹介したのは、広告運用においても他社の知見を学び、それを再構築する姿勢が重要だからです。
クリック率の低下、獲得単価の上昇、コンバージョン数は増えているのに売上げにつながらない。こうした課題は、すでに多くの企業が経験し、検証し、データとして残しています。だからこそ求められるのは、新たな施策を一から考えることではなく、既存の事例から何を学び、どのように再構築するかです。特に近年は、デジタル広告の競争が激化し、単に媒体を増やすだけでは成果につながりにくくなっています。必要なのは、自社に最適化された広告戦略の再設計です。
とはいえ、戦略を立てるといっても、何をどのように考えればよいのか悩む方も多いでしょう。そのヒントとなるのが、他社の成功事例です。国内外の企業は、それぞれの市場環境や目的に応じた広告戦略を構築し、成果を上げています。
本記事では、まず広告戦略の基本構造を整理し、その後に国内外の代表的な成功事例を紹介します。さらに、事例を活用する際の留意点や戦略の読み解き方についても解説。自社に適した広告戦略を自ら設計するための知識と視点を得ていただければ幸いです。
広告戦略とは?基礎を振り返り
広告戦略とは、ターゲット顧客に対して、適切なメッセージを適切なタイミングと手段で届けるための計画的なアプローチです。単なる広告出稿の計画ではなく、「誰に、何を、どこで、どのように伝えるか」を明確にし、ビジネス目標と広告施策の整合性を図るための戦略的思考が求められます。
たとえば、購入の可能性が高い見込み客には、比較検討や購買を促すような広告表現を用いるのか。それとも、認知拡大を目的に、広範な層へブランドの印象を浸透させる内容とするのか。こうした判断には、あらかじめ設計された広告戦略が欠かせません。
以下では、広告戦略の基礎を振り返りながら、メディア戦略・クリエイティブ戦略、そしてマーケティング戦略における広告戦略の位置づけについて整理していきます。
メディア戦略とクリエイティブ戦略とは
広告戦略は大きくメディア戦略とクリエイティブ戦略の2つに分類されます。
まずメディア戦略とは、広告を「どの媒体で」「いつ」「どの頻度で」配信するかを計画するものです。テレビや新聞といったマス広告に加え、リスティング広告、SNS広告、OOH(屋外広告)など、選択肢は多岐にわたります。
重要なのは、自社のターゲット層が実際に接触するメディアを的確に選び、効率よくリーチできるように配分することです。たとえば、若年層への訴求にはTikTokやInstagram、BtoBの認知拡大にはLinkedInや業界系ニュースメディアへの出稿が有効でしょう。
一方、クリエイティブ戦略は広告のメッセージやビジュアルの設計方針を指します。コピーライティング、デザイン、ストーリーテリング、そしてフォーマット(動画/静止画など)の選定が主な検討項目です。同じ製品であっても、使用シーンを想起させるビジュアルで訴求するか、データや実績を前面に出すかによって、受け手の印象は大きく異なります。
| 観点 | メディア戦略 | クリエイティブ戦略 |
| 定義 | 広告を「どの媒体で」「いつ」「どの頻度で」配信するかを計画する戦略 | 広告の「何を」「どう伝えるか」を設計する戦略 |
| 目的 | 適切なターゲットに、最適なタイミングと場所で広告を届ける | メッセージやビジュアルを通じて、ユーザーの共感や行動を引き出す |
| 主な検討事項 | 媒体の選定(SNS、テレビ、新聞、OOHなど)配信スケジュール配信頻度 | コピーライティング、デザイン、ビジュアル表現フォーマットの選定ストーリー設計 |
メディア戦略とクリエイティブ戦略は密接に関係しています。SNSでは数秒で印象を残す必要があるため、視覚的に強いクリエイティブが求められます。一方、リスティング広告ではテキスト見出しに適切なキーワードを盛り込むことがクリック率を左右します。このように、「どのメディアで、どのような表現を使うか」をセットで設計する視点が不可欠です。
マーケティング戦略における広告戦略の立ち位置
マーケティングの4P(製品=Product、価格=Price、流通=Place、プロモーション=Promotion)の中で、広告は顧客との最初の接点をつくり、認知・関心・購買意欲を引き出すプロモーションの役割を担います。
ただし、広告戦略は単独で成立するものではなく、製品戦略・価格戦略・流通戦略といった他のPとの整合性が求められます。高級志向の製品に安さを訴求する広告はミスマッチですし、サブスクリプション型サービスであれば、利用開始のハードルを下げる表現が効果的です。製品の特性や価格設計、販売チャネルに応じて、広告の打ち出し方も変える必要があります。

また、広告戦略は顧客の行動プロセスとも密接に関係しています。BtoB商材では、認知から検討・比較・意思決定に至るまでのリードタイムが長いため、単発の広告だけでは不十分です。ホワイトペーパーやセミナー、事例紹介などと連動させた設計が欠かせません。これを無視して、購入を直接促す広告を出しても、成果にはつながりにくいでしょう。BtoCであっても、高単価商品やブランド価値が重視される場合には、信頼構築に重きを置いた中長期的な広告戦略が有効です。
さらに、広告の目的は売上向上だけにとどまりません。ブランド認知やイメージの形成、信頼関係の強化といった目的にも対応します。そのため、マーケティング戦略全体の中での最終成果を明確にし、それに沿った広告目標を設定することが不可欠です。
広告戦略は、マーケティング戦略の実行段階において、外部とのコミュニケーションを設計・最適化する手段であり、製品やサービスの価値を伝える最前線でもあります。
広告戦略の成功事例を学ぶことがなぜ重要なのか
広告運用においては、「学習→仮説立案→検証→再現」のサイクルを高速で回すことが重要です。つまり、過去の成功と失敗を再利用し、次の施策に活かす姿勢が求められます。その「なぜ」を短時間で学べる手段こそが、成功事例の分析です。
成功事例は、特定の市場・時期・競争環境の中で、どのような判断と行動が成果をもたらしたのかを示す実証データです。他社が直面した課題にどう向き合い、どのような結果を得たのかを読み解くことで、施策の再現性や適用可能性を検討できます。
自社の戦略を考える際、ゼロから仮説を立てて試行錯誤するよりも、他社の成功や失敗から要因を抽出し、再現可能な要素を見極める方が、時間・コスト・リスクのすべてにおいて合理的です。さらに、こうした事例理解は、戦略立案にとどまらず、社内での提案や意思決定の説得力を高める武器にもなります。
以下では、広告戦略の成功事例を学ぶ意義について、3つの観点から解説します。

成功・失敗の要因を具体的に理解できるから
広告戦略には、複雑な要素が絡み合っています。ターゲットの選定、訴求内容、出稿メディア、クリエイティブの表現、予算配分、配信のタイミングなど、どの要素が成果に貢献したのかを読み解くには、具体的な事例の分析が有効です。
一例を挙げると、複数の成功事例を比較すれば、ターゲットやチャネルの最適化といった基本項目に加え、感情的な訴求を重視していた、あるいはニッチなチャネルをあえて活用していたといった、成功のパターンが見えてくる可能性があります。
このように、実際の事例を通じて成功や失敗の要因を具体的に理解することで、自社の戦略設計や意思決定に活かせるわけです。
業界や市場特性に応じた戦略のヒントになるから
広告の効き方は、業種やターゲット層、購入単価、検討期間などによって大きく異なります。だからこそ、自社と類似した条件を持つ企業がどのような広告戦略を展開し、どのような成果を上げたのかを知ることは、実務上きわめて有益です。
たとえば、製造業や医療機器など、ニッチな業界に属している企業の場合、広告戦略の立案に悩むケースは少なくありません。このようなとき、他社の事例から戦略のヒントを得られます。特に、個別戦略には各業界特有の課題や条件が反映されており、それを読み解くことで具体的な示唆が得られるはずです。
また、BtoBかBtoCか、成果指標がCPA(顧客獲得単価)なのかROAS(広告費用対効果)なのか、あるいはブランド認知を目的とするのか、刈り取りを重視するのかといった軸で事例を比較することで、自社にとって適切な広告のパターンが見えてきます。
社内説明や提案の根拠として活用できるから
広告戦略は、多くの場合、上司や経営層との合意形成を経て実行に移されます。その際、「なぜこの施策が有効なのか」を説明する裏づけとして、他社の成功事例は有効です。
特に予算を伴う大規模なキャンペーンや新しい媒体・手法へのチャレンジでは、仮説や代理店の提案だけでは意思決定者の納得を得にくい場面もあります。しかし、同業他社でこのような成果が出ているといった客観的な実績があれば、提案への理解が得られやすくなり、信頼性も高まります。
さらに、他社事例は提案を通すための材料にとどまりません。社内でのナレッジ共有や、次回以降の施策へのフィードバックにもつながる、重要な資産と位置づけるべきです。
広告戦略を考える上で知っておくべき広告手段の具体例
広告戦略を立案する上で、最初に行うことは広告手段の把握です。広告といえば、テレビCM、リスティング広告、SNS広告などが有名ですが、それ以外にも多くの手段があります。特に昨今では、オンラインとオフラインの垣根が曖昧になり、多様なチャネルを統合的に活用することが前提となっています。ここでは、主要な広告手段を紹介します。
オンライン広告の例
デジタル化の進展により、広告の主戦場はオンラインへと移行しています。オンライン広告の魅力は、ターゲットの行動履歴や属性に基づいた精密な配信と、成果指標のリアルタイムな可視化にあります。以下に、代表的な広告フォーマットを紹介します。
検索連動型広告(リスティング広告)

検索エンジン連動型広告(リスティング広告)とは、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードに応じて表示される広告のことです。Google広告やYahoo!広告などが主要媒体であり、検索行動にもとづいて広告が表示されます。
リスティング広告の大きな特長は、ユーザーの意図がすでに顕在化している点にあります。たとえば、「法人向け会計ソフト」や「引越し 見積もり」など、明確なニーズを持ったユーザーに対して広告が配信されるため、コンバージョンに直結しやすく、即効性の高い刈り取り型の施策として知られています。
ディスプレイ広告

出典:東洋経済オンライン
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ内に設けられた広告枠に、画像やバナー形式で配信する広告手法です。Yahoo!やGoogleディスプレイネットワークなどのプラットフォームを通じて、多数のメディアにまたがって広範囲に配信されます。
リスティング広告が、ニーズが顕在化しているユーザーに対する刈り取り型の施策であるのに対し、ディスプレイ広告は、まだ課題やニーズが明確でない潜在層へのアプローチを目的とした種まき型の施策と位置づけられます。
たとえば、ある分野に興味を持つ可能性はあるが、まだ具体的な検索行動を起こしていないユーザーに対して、自社ブランドやサービスを視覚的に印象づけることで、想起率の向上や関心の醸成が期待できます。即効性はリスティング広告に比べて低いものの、潜在層を顕在層へと育成するという観点では、中長期的に重要な施策です。
SNS広告

出典:X
Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LinkedIn、TikTokなどのSNS上で配信される広告を総称してSNS広告と呼びます。これらのプラットフォームは日常的に利用されており、ユーザーとの接点を持ちやすいという特長があります。
SNS広告の最大の強みは、高精度なターゲティングにあります。主要SNSは数億〜数十億人規模のユーザーデータを保有しており、年齢、性別、地域、興味関心、行動履歴、職業などの詳細情報に基づいた広告配信が可能です。さらに、各プラットフォームのアルゴリズムがユーザー行動を学習し、最適なタイミングとクリエイティブで広告を表示するため、広告効果を高めやすい構造になっています。
ただし、SNSごとにユーザー属性や使用シーンが異なるため、目的やターゲットに応じたチャネル選定が欠かせません
動画広告

出典:YouTube
YouTubeをはじめとする動画プラットフォームに掲載される広告は、動画広告として広く活用されています。動画コンテンツの再生前・再生中・再生後に表示される形式で配信され、一定時間はユーザーの視線と注意を確実に引きつけられる点が特長です。
ただし、ユーザーにスキップされる可能性があるため、最初の数秒間で興味を引く構成や演出が重要となります。冒頭で明確なメッセージや視覚的インパクトを与えられるかどうかが、広告の成否を大きく左右します。
動画広告は特に、認知度や想起率の向上を目的とした種まき型の施策に適しています。一定期間にわたり、同一ユーザーに繰り返し広告を配信することで、ブランドや商品への記憶定着を促すことが可能です。このアプローチは、たとえば海外の政治キャンペーンなどでよく活用されており、選挙期間中に候補者のメッセージを高頻度で届けることによって、想起率を高める手法として定着しています。
ネイティブ広告

出典:Tech+
ネイティブ広告とは、広告であることを明示しながらも、掲載先のメディアやプラットフォームのデザイン・文体・コンテンツの文脈に自然に馴染むように配信される広告形式です。メディアの通常のコンテンツと同じ形式で表示されるため、ユーザーに広告らしさを感じさせにくく、押しつけ感のない情報提供が可能です。
その多くは記事形式で配信されるため、読み物としての価値を持たせながら、訴求ポイントを自然に伝えられます。媒体のターゲット層に対して違和感なくリーチできるため、ユーザーの関心を引きやすく、広告への反発も抑えられるでしょう。
さらに、掲載された記事が検索エンジンにインデックスされることで、SEOにおいて上位表示される可能性もあり、中長期的な集客にも貢献します。
アフィリエイト広告

出典:A8.net
アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告手法です。広告主が自社の商品やサービスを第三者に紹介してもらい、購入や申込などの成果が発生した際にのみ報酬を支払う仕組みとなっています。
この広告モデルでは、ブロガー、メディア運営者、インフルエンサーなどが自らのWebサイトやSNSを通じて製品サービスを紹介し、そこから発生した成果に応じて報酬を得ます。広告主にとっては、無駄な広告費をかけることなく、実際の成果に応じて費用を支払えるため、費用対効果の高いマーケティング手法として広く活用されています。
ただし、成果が発生しない限り費用が発生しない一方で、「どのような条件で成果を認めるか」「どのような訴求で紹介されるか」といった設計には注意が必要です。訴求の自由度が高いため、誇大表現や誤解を招く表現が行われたり、ブランドイメージを損なうリスクも存在します。
そのため、アフィリエイター(紹介者)とのパートナー選定や、広告表現のガイドライン策定、成果条件の明確化といった適切な管理体制が不可欠です。
メルマガ広告

出典:日刊工業新聞社
メルマガ広告とは、企業やメディアが配信するメールマガジン内に掲載される広告のことです。あらかじめ購読登録を行った読者リストに対して情報を届けるため、ターゲットを明確に絞ったアプローチを行えます。
BtoB領域では、特定の業界や職種に関心を持つ読者層が集まるメディアを活用し、リード獲得やセミナー告知、ホワイトペーパーの案内といった目的での活用が一般的です。メルマガ自体が専門性の高い内容を扱っている場合、広告もその文脈に自然に馴染みやすく、読み手の関心を引きやすいというメリットがあります。
オフライン広告の例
デジタル広告が主流となる中でも、オフライン広告には独自の強みがあります。特に認知拡大やブランドイメージの確立、地域密着型の施策など、物理的な接触や空間的インパクトを伴う訴求が求められる場合には、今なお重要なチャネルです。以下に代表的なオフライン広告の種類を紹介します。
テレビCM
テレビCMは、最も伝統的かつリーチ規模の大きい広告手段の一つです。老若男女を問わず幅広い層への大量接触が可能で、短期間での認知拡大やブランドの信頼性向上を目的とした施策に適しています。名刺管理ソフトのベンダーSansanは、事業の成長フェーズに積極的にテレビCMを出稿することで、認知・信頼の獲得および成長の加速化に成功しています。
一方で、テレビCMにはいくつかの課題もあります。まず、制作・出稿にかかるコストが高額である点です。映像制作、タレント起用、電波枠の購入など、初期投資が大きくなりがちです。さらに、費用対効果の可視化が難しい点も挙げられます。近年は、エリア別の放送効果や視聴ログとの連携を通じて一定の測定は可能になってきたものの、デジタル広告に比べて精度や即時性に劣るのが現状です。
ラジオ広告

出典:Spotify
音声メディアを活用した広告は、地域性や生活シーンに密着した訴求が可能な手法です。特にラジオ広告は、通勤・通学中や作業中といった「ながら聴き」のシーンで自然に情報を届けられるため、認知のすり込みやブランド想起の強化に効果を発揮します。
近年では、従来の地上波ラジオだけでなく、Spotify、Amazon Music、radiko、Voicyなどのデジタル音声プラットフォームを通じた広告配信も広がっており、音声広告は新たな注目を集めています。これらのサービスでは、ユーザーの属性や行動履歴に基づいたターゲティング配信が可能となっており、従来のラジオ広告に比べてデータドリブンな運用がしやすくなっています。
音声メディアは、視覚を必要とせずに情報を届けられるため、日常生活のさまざまな場面に自然と入り込むことができるメディアです。繰り返しの接触によって想起率を高められるため、特に中長期的なブランディングや、認知形成フェーズの施策として高い効果が期待できます。
新聞広告・雑誌広告

出典:日本経済新聞
紙媒体は、デジタル広告が主流となった現在においても、信頼性や専門性の高い情報源として一定の評価を維持しています。とりわけ、新聞や雑誌は読者との深い信頼関係を築いているメディアであり、その掲載内容は広告であっても高い説得力を持つ傾向があります。
新聞は、全国規模での速報性と社会的影響力を備えており、広範な認知拡大や企業の信頼獲得を目的とした広告に適しています。一方、雑誌はジャンルや読者層が明確に分かれており、特定の分野や業種に関心の高いターゲットに直接リーチできる点が特長です。
たとえば、建設業界向けの専門誌や経営者層を対象としたビジネスメディアに広告を掲載することで、BtoB市場における間接的なブランド想起や関係構築を図るといった戦略も考えられます。こうした紙媒体の活用は、認知や信頼の質を重視する場面で、デジタル広告とは異なる価値を発揮します。
交通広告(屋外・OOH広告)

駅構内や電車内、街頭ビジョン、高速道路の看板などに掲示される屋外広告(OOH:Out-of-Home広告)は、不特定多数への反復的な訴求が可能な手段として活用されています。
通勤・通学といった移動中に自然と視界に入る環境で繰り返し目にすることができるため、潜在的な認知やブランド想起の蓄積に効果的です。視線を奪う大判のビジュアルやインパクトあるコピーによって、記憶に残る訴求が可能になります。
近年では、デジタルサイネージ(電子看板)の普及により、動画や動きのあるビジュアルを用いた表現が可能となり、従来の静止画中心の広告から一歩進んだ訴求が実現しています。さらに、エリアターゲティングや時間帯別配信といった配信最適化技術の導入により、より戦略的かつ効率的な運用が可能になってきています。
折込チラシ・ポスティング

出典:ユニクロ
折込チラシは、新聞に同封して特定の地域へ直接配布できる広告手法であり、地域密着型の店舗やサービスと相性の良いメディアです。
チラシの内容は自由度が高く、紙面全体を活用してキャンペーン情報、セール告知、クーポン配布、営業時間の案内など、店舗からの多様なメッセージを網羅的に掲載できます。特に、オープン直後の告知や週末限定セールといった短期的な集客施策には効果を発揮します。
イベント・展示会広告

出典:ソフトバンクホークス
イベント・展示会広告とは、業界イベントやスポーツ試合、展示会などで展開される広告手法を指します。具体的には、会場内の看板、ブース装飾、配布資料、デジタルサイネージ、パンフレットへの掲載、ノベルティ、公式ガイドブックへの広告出稿など、多様な形態があります。
この広告は、商材やサービスに関心を持つ来場者と直接接点を持てる点が大きな特長です。BtoB領域では、意思決定者やキーパーソンとのリアルな接触機会となるため、ブランド認知だけでなく商談獲得やリードジェネレーションにも直結しやすい手法と言えます。
また、展示会は来場者の目的意識が高く、情報収集や取引先選定を前提に訪れるケースが多いため、比較・検討のフェーズにいる顧客に効果的なアプローチが可能です。
国内企業での広告戦略の成功事例
ここでは、日本国内の代表的な企業が展開した広告戦略の中から、特に注目すべき5つの事例を紹介します。いずれも業種や目的は異なりますが、それぞれの施策には再現性のある要素や汎用的な学びが含まれています。
自社の事業領域や課題とは異なる事例であっても、戦略の組み立て方、チャネルの選定理由、クリエイティブ表現の工夫など、応用可能な視点が多く含まれており、自社の広告施策に活かせるヒントが見つかるはずです。
事例①:ロングセラーブランドを青春の象徴に再定義した大塚製薬の広告戦略

出典:ポカリスエット
大塚製薬のポカリスエットは、発売から38年を経ても進化を続けるロングセラーブランドです。その広告戦略の本質は、安心と信頼という製薬企業としてのブランド価値を守りながら、常に新しい表現を取り入れリブランディングし続けている点にあります。
かつては「体調を崩したときに飲む対策飲料」として認知されていましたが、2010年代以降は若年層への再アプローチを強化。「鬼ガチダンス」などSNSで話題を呼ぶ共創型キャンペーンを通じて、共感と参加を促し、ポカリスエットを頑張る瞬間に寄り添う飲料として再定義しました。
さらに2024年には、「潜在能力は君の中。」をキーメッセージに掲げ、韓国のフォトグラファーと日本のピクセルアーティストによるコラボレーション広告を展開。Y2KやK-POPといったZ世代のカルチャーを取り入れたピクセルアート表現を通じて、全国的なプロモーションを行いました。
Otsuka 大塚製薬 POCARI SWEAT CM 「潜在能力は君の中。」篇 120秒
これにより、グローバルポップカルチャーと日本的なブランド美学を融合させ、機能的な価値ではなく、生命力や内面の可能性といった感情的価値を訴求。単なる飲料ではなく、自己表現の象徴として新たな位置づけを確立しています。
過去のブランド遺産を大切にしつつ、時代の文化やテクノロジーを柔軟に取り入れることで、世代を超えて共感を生み出す大塚製薬の広告戦略は、伝統と革新を両立させるロングセラーブランドの理想的モデルと言えるでしょう。
事例②:資生堂が実践するOMO型広告戦略

出典:資生堂
資生堂の広告戦略は、ブランドの品格を守りながら、消費者の生活モーメントやメディア行動に応じて変革を遂げている点に特徴があります。
2024年に実施されたファンデーション美容液のプロモーションでは、Spotifyの音声広告を活用し、朝のメイク時間という耳が空いているモーメントを狙ったアプローチを展開。視覚を奪い合う動画広告ではなく、聴覚を通じて情緒的に訴求することで、購入意向はテレビCMの約2倍に達しました。

出典:AdverTimes
さらに、ドラッグストアの店頭BGMとも連動させ、オンラインとオフラインを横断するOMO戦略を実現。音楽を通じてブランドメッセージを印象づけ、購買行動のきっかけを創出しています。
同時に、資生堂はInstagramを中心としたデジタル広告への投資を前年比58%増加させ、従来のブランド訴求型広告からダイレクトレスポンス重視の運用型広告へと転換を図りました。
高価格帯ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」では、MetaのデータクリーンルームとAIツールを活用し、親和性の高い層に対して精緻なターゲティングを実施。パートナーシップ広告を通じて第三者視点のコンテンツを増やすことで、CTRの向上とCPCの低下を同時に達成しました。また、縦長クリエイティブやコレクション機能を活用することで、ブランドの高級感を維持しつつ、好意度と実購買率の向上にも成功しています。
こうした成果を支えているのが、資生堂の組織改革とインハウス強化です。各事業部にデジタル専任担当者を配置し、300人規模の社内勉強会で最新ナレッジを共有。広告効果指標を横断的にモニタリングできる体制を整備し、データとAIを基盤とした高速PDCAを可能にしています。
事例③:無印良品の理念を伝える広告、売らない広告

出典:無印良品
無印良品は、テレビCMなどのマス広告をほとんど行わないという、業界では異例な戦略をとっています。一般的には、大規模な広告キャンペーンを展開することが常識とされる中、あえて「広告をしない」方針を貫いているのです。
しかし、ここで言う「広告をしない」とは、「コミュニケーションをしない」こととは異なります。無印良品は、自社アプリ「MUJI アプリ」やWebメディア「くらしの良品研究所」、さらには店舗そのものを主要なコミュニケーションチャネルとして活用し、顧客との継続的な対話と価値発信を行っているのです。
ではなぜ、マス広告を用いないのでしょうか。その理由は明確で、広告にかけるはずのコストを、商品開発や品質向上に再投資し、製品そのものの価値を高めるためです。これは単なるコスト削減ではなく、広告に頼らないからこそ信頼できるというブランド哲学の体現であり、他社とは異なる明確なポジショニングの確立につながっています。
この戦略が高く評価されるのは、過度な宣伝を避ける企業姿勢そのものが、無印良品のブランドメッセージと一致しているためです。商品を通じて語られる価値観や美意識が、広告表現に頼らずとも消費者に届き、深い共感と信頼を生み出しているのです。
事例④:広告を「楽しさ」に変える。マクドナルドの多チャネル戦略

出典:マクドナルド
日本マクドナルドの広告戦略は、近年大きく進化しています。かつてはテレビCM中心でしたが、現在ではデジタルとSNSを核に据えたマルチチャネル型のプロモーションへと移行。公式アプリやTwitter、YouTube、LINE、ラジオ、OOH(屋外広告)まで、あらゆる接点を活用し、生活者との距離を縮めています。
特に注力しているのがSNSです。Xでは、ユーザー参加型の投稿やユーモアある謎かけ企画で話題を創出。たとえば「チキンタツタ」の伏せ字投稿や「怪盗ナゲッツ」キャンペーンのように、バズを意図的に設計する仕掛けが目を引きます。一方で、Web動画では「夜マック」シリーズのように、日常の温かさを描いた共感型コンテンツも展開。多様な感情を喚起するクリエイティブが、高い評価を受けています。
これらの施策に共通するのは、広告は企業からの一方的な情報発信ではなく、楽しさや共感を通じてブランドと生活者をつなぐコミュニケーションであるという姿勢です。ブランド理念「Fun Place to Go」を体現する広告が、今のマクドナルドを支えているといえるでしょう。
事例⑤:実用性と世界観の両立を図るユニクロの広告戦略

出典:ユニクロ
ユニクロは、「LifeWear = 服を通じて生活を豊かにする」というブランド哲学のもと、実用性とイメージ訴求を両立した広告戦略を展開しています。広告では、商品の機能、価格、発売時期など、具体的かつ実利的な情報を明確に伝えることを重視しています。
同時に、ブランドとしての世界観の構築にも注力しています。たとえ機能訴求型のCMであっても、スタイリッシュな映像や音楽を通じて、洗練された先進的な印象を与える演出がなされています。近年では価格訴求よりも、ヒートテックやエアリズムに代表される高機能・高品質な商品価値を強調し、ユニクロのテクノロジーを生活者に正しく伝える工夫が見られます。
広告媒体としては、創業当初から続くテレビCMと新聞折込チラシが販促の主軸です。なかでも毎週金曜日の折込チラシは「お客様へのラブレター」と称され、継続的な接触を通じて購買意欲を高めています。デジタル全盛の現在においても、特に中高年層への有効なアプローチとして継続されています。
一方で、デジタル領域にも積極的に取り組んでおり、公式オンラインストアやアプリ、SNSを活用した情報発信に加え、各国インフルエンサーとの協業やグローバルアンバサダーの起用などを通じて、世界各地でのブランド認知向上を図っています。
海外企業での広告戦略の成功事例
世界的なブランドは、文化や市場環境の違いを踏まえながらも、普遍的なメッセージと革新的な広告戦略で成果を上げています。ここでは、代表的な海外企業5社の事例を紹介し、グローバル視点から広告戦略の本質を探っていきます。
事例①:感情価値とデジタル広告の融合をしたコカ・コーラ

出典:コカ・コーラ
コカ・コーラは幸福や共有といった感情価値を軸に、グローバル規模で広告戦略を展開してきました。近年では、従来のテレビCMや屋外広告に加えて、SNSやAR体験を活用したデジタルマーケティングを強化しています。
チャネル戦略では、テレビや屋外広告に加え、SNSを活用した参加型企画やインフルエンサーとの連携、自社サイトやボトルのQRコードによる誘導など、オンラインとオフラインを統合した施策が特徴です。中でも「Share a Coke」キャンペーンでは、名入れボトルとデジタル体験を連動させ、SNSでの拡散やARコンテンツを通じて、若年層とのエンゲージメントを強化しました。
Who will you Share A Coke with?
ブランドの核には「人と人をつなぐ体験」が据えられており、広告では日常の小さな幸せや季節ごとの情緒を通じて、その価値を伝えています。また、ゼロカロリー製品の訴求など、健康志向への対応も進めています。感情とテクノロジーを融合させた一貫性ある戦略によって、コカ・コーラは世界中でその魅力を進化させ続けています。
事例②:レッドブルの「広告をしない」広告戦略

出典:レッドブル
レッドブルは「翼をさずける」のキャッチコピーのもと、広告よりも体験を通じてブランド価値を高める戦略を取っています。テレビCMなどのマス広告に依存せず、自社メディア「Red Bull Media House」を中心に、エクストリームスポーツや音楽、eスポーツなど若者文化に根ざした映像コンテンツを制作。YouTubeやTikTokなどで配信し、世界中の若者に向けてブランドの世界観を発信しています。
広告チャネルの中核はリアルイベントとデジタルの融合です。エアレースやダンスなどの大会を自社で開催し、イベントそのものを広告媒体化。観客の熱狂やSNS拡散を通じて、自然発生的なブランド露出を生み出しています。また、独自の配信サービス「Red Bull TV」ではスポーツや音楽のライブを24時間配信し、ブランドイメージを自らコントロールしています。
象徴的な事例が2012年の「Red Bull Stratos」プロジェクトです。成層圏からのスカイダイビング挑戦を世界同時中継し、YouTubeで800万人超が視聴。世界中のメディアが報道することで、広告費を超える露出と話題を生み出しました。
I Jumped From Space (World Record Supersonic Freefall)
レッドブルの広告は、製品を売るのではなく人間の挑戦という物語を伝え、感情を動かすことを目的としています。メディアとイベントを自ら創り出すこの独自戦略こそが、同社を飲料を超えたカルチャーブランドへ押し上げているのです。
事例③:製品ではなく感情を届ける、Appleの広告戦略

出典:Apple
Appleは、革新と洗練を象徴するブランドとして、常に独自の広告戦略で世界中の注目を集めてきました。製品の性能を前面に出すのではなく、「それによって得られる体験や感情」を伝えることに重点を置いています。近年では、環境保護やプライバシーといった社会的価値を訴求するメッセージも加わり、単なる製品広告を超えたブランディングが進んでいます。
広告チャネルは統合的で、テレビCMや屋外ビルボード、デジタル広告に加え、Apple Storeそのものがブランド体験を体現するメディアとして設計されています。また、新製品発表イベント(キーノート)はApple最大のPR機会であり、世界同時中継によってメディアとユーザーの熱量を同時に生み出す仕組みとなっています。
SNSでは過剰な投稿を控えつつ、質の高い映像やビジュアルを厳選して発信。数ではなく、完成度と話題性で注目を集める姿勢が際立っています。
Appleの広告の核には、「ユーザーの創造性を引き出す」という理念があります。その象徴が1997年の「Think Different」キャンペーンです。異端者を称えるメッセージがブランドの精神を明確に定義しました。
Apple – Think Different – Full Version
この思想を継承する代表的な施策が「Shot on iPhone」です。一般ユーザーの撮影作品を広告に起用するこのキャンペーンは、SNS上で70億件以上のインタラクションを記録し、ミレニアル世代を中心に高い共感を得ました。広告賞でも高く評価され、iPhoneのブランド価値を示す象徴的プロジェクトとして継続されています。

出典:Apple
Appleの広告は、テクノロジーの優位性を主張するのではなく、「人が何を感じ、どう表現するか」に焦点を当てています。機能を超えたライフスタイルや感性への訴求が、Appleを単なるテクノロジー企業ではなく、カルチャーブランドへと押し上げた原動力となっています。
事例④:Netflixのデータ駆動型広告戦略

出典:Netflix
Netflixは、コンテンツとデータを軸に広告戦略を展開しています。視聴データを活用し、ユーザーごとに異なるサムネイルや予告編を表示するなど、体験そのものを広告化。従来のマスメディアよりも、パーソナライズされた訴求で継続視聴を促しています。さらに各国の文化に合わせたローカル作品や現地プロモーションを強化し、グローバルに支持を広げています。
広告チャネルは完全にデジタル志向です。公式SNSでは新作告知のほか、ミーム投稿やファンとの対話で話題を拡散。作品ごとの専用アカウントやYouTubeの予告編配信、メールマーケティングなど、多層的な接点を構築しています。
また、コンテンツ自体を最大の広告と位置づけ、話題作配信時には屋外広告や体験イベントを連動。ストレンジャー・シングスの異次元ポータル広告など、世界観を体感させる施策でSNSバズを生んでいます。
ブランドの核は「誰もが物語にアクセスできる自由」。その理念を体現したのが2021年のグローバルキャンペーン「One Story Away」で、「一つの物語があなたを変える」と訴求しました。加えて「Netflix is a Joke」では、挑発的なコピーで自社コメディ部門をPRし、ブランドの柔軟さと遊び心を印象づけました。
Netflixの広告は、データ分析と文化的感性を融合させた“参加型マーケティング”。ユーザーが語り、広めることで広告が完成する──その仕組みこそ、同社を世界最大のエンターテインメントブランドへ押し上げた原動力です。
事例⑤:顧客接点の最前線を活かす、スターバックスの広告戦略

出典:スターバックス
スターバックスは、従来型のマス広告に多くを依存せず、店舗体験と共感を軸にした広告戦略を展開しています。同社の広告は、商品を単に訴求するのではなく、ブランドの世界観や価値観を伝える共感装置として機能しています。
中心となるのは、ローカル性や季節感を活かしたキャンペーンです。たとえば、日本限定の「さくらシリーズ」では、SNSや店舗装飾、限定ビジュアルなどを連動させ、春の訪れとともにスターバックスのブランドイメージを浸透させています。テレビCMは行わず、InstagramやLINE、公式アプリなどデジタルチャネルを活用した情報発信に特化しています。
SNS運用においては、「共感できる」「シェアしたくなる」ビジュアルや言葉選びが徹底されており、スターバックスを日常の中の特別なひとときとして記憶に残す工夫が随所に見られます。また、ユーザー参加型キャンペーンや限定カップのデザイン募集などを通じて、ファンとの関係構築を強化しています。
広告とプロダクト、店舗体験は切り離されていません。新メニューの発売時にはSNSでの告知にとどまらず、店頭ポスター、アプリでのリマインド、スタッフの接客ストーリーまで含めて、一貫した体験として設計されます。このように、広告とは情報を届けるブランドの人格を感じさせる体験として捉えられています。
スターバックスは、広告そのものよりも、ブランドとの関係性を重視し、その関係を日常のなかで育てていくアプローチを取っています。だからこそ、広告費をかけずとも支持を得続け、世界中で愛されるブランドを確立できているのです。
広告戦略の成功事例を参考する時に気をつけるべきポイント
他社の広告事例は学びの宝庫ですが、表面的に真似るだけでは自社に最適な成果を得られないことが多いものです。成功事例を自社に応用するためには、背景や目的を正しく読み解き、戦略的に解釈する姿勢が欠かせません。ここでは、事例活用時に押さえておくべき3つのポイントを整理します。

事例の前提条件を正しく把握すること
同じ成功事例であっても、その成果は市場規模、商材、ブランド力、広告予算といった前提条件に大きく左右されます。たとえば、グローバルブランドが数億円規模の動画キャンペーンで成果を上げたとしても、中堅企業が同じ手法を再現するのは現実的ではありません。
本質的に重要なのは、なぜ成功したのかを分解し、自社の状況に当てはまる要素を見極めることです。ターゲット層やメディアの特性、訴求軸、投入リソースを冷静に比較すれば、自社に適した再現可能なポイントが見えてきます。
戦略と戦術を切り分けて理解すること
事例には、何を目的としてどのような戦略を選択したのかという上位の考え方と、具体的にどう実行したのかという戦術的な施策が混在しています。多くの企業が陥りがちなのは、成功事例の表面的な手法だけを模倣してしまうことです。
Instagramでインフルエンサーを起用したら成果が出たという事例を見ても、それはあくまで戦術レベルの話にすぎません。本質的に重要なのは、なぜそのチャネルを選んだのか、どのような顧客心理に働きかけたのかといった戦略的な意図です。この背景を読み解くことこそが、再現性のある広告設計につながります。
成果指標と測定方法を確認すること
成功事例で示される成果の定義は、企業ごとに異なります。CPAを最重視する場合もあれば、ROASを基準とするケース、あるいはブランドリフトやエンゲージメント率に価値を置く企業もあります。どの指標を重視するかによって、成功の意味合いは大きく変わります。
たとえば、短期的にCPAが高くても、長期的にLTVが向上していれば成功と判断されることもあります。そのため、事例を読み解く際には、何を指標として成果としたのか、どのような期間や条件で測定されたのかを確認し、自社のKPIと整合しているかを見極める必要があります。
まとめ
広告戦略の成功事例を見ていくと、以下の5つが共通する要素として挙げられます。
- 一貫したブランドメッセージ
- 参加型コンテンツの活用
- オンラインとオフライン体験の統合
- 感情に訴える表現
- 深いターゲット理解
各社の取り組み方は多様ですが、共通して言えるのは、企業側が一方的に情報を発信するのではなく、ユーザー理解を深めた上で共感を得られる広告戦略を構築している点です。デジタル化の進展により情報があふれる現代では、単なる製品情報の提示だけでは、もはや消費者の心を動かすことはできません。
これからの広告に求められるのは、ブランドの思想や価値観を誠実に伝え、顧客一人ひとりと向き合いながら、共感を呼ぶ物語を共有する姿勢です。つまり、成果を生む広告戦略の根底には、ブランドの人間性と顧客との誠実な対話が欠かせません。
豪州ビジネス大学院国際ビジネス修士課程卒業。複数企業と起業を経てBtoB専業マーケティング代理店へ。その後、外資SaaSのユニコーン企業の日本法人立上げを行い、法人営業開始後マーケティング責任者として創業期を牽引。現在、日本のBtoBマーケティングの支援事業を行う株式会社LEAPTにて代表取締役。また、株式会社Shirofuneの外部マーケティング責任者を兼任。





