I’m Creativeで「勝ちクリエイティブ」を再発見し、CPAは40%改善 〜AI分析がインハウス組織と若手の育成を進化させた日本財託の事例〜

株式会社 日本財託
株式会社 日本財託 経営企画本部 デジタルマーケティング部 末続様・柚江様

中古ワンルームマンション投資を通じて、経済的自由の実現をサポートする株式会社日本財託。不動産投資を検討するオーナーの集客に、セミナーとWeb広告を活用しています。

投資領域は昨今、詐欺広告も多く出回っています。そうしたなかで怪しさを払拭し、安心して不動産投資セミナーに申し込みをしてもらえるよう、同社はクリエイティブ領域で試行錯誤を重ねてきました。

よりPDCAを洗練させていきたいと、AIクリエイティブ分析ツールのI’m Creativeを導入。結果、「勝ちクリエイティブ」への思い込みから解放され、CPAは40%改善。セミナーの申込み件数と、そこからの商談数も増加しました。

インハウス運用に強い組織が、なぜAIを活用したのか。広告クリエイティブ領域における課題や、I’m Creative導入後の変化、そして組織ナレッジへの広がりまで詳しく伺いました。

不動産投資セミナーの集客を支える、日本財託のインハウス運用

Shirofune 竹下 (以下、社名略)
御社の事業とWeb広告の位置付けについて教えてください。

経営企画本部 デジタルマーケティング部 課長代理 末続 彩乃様 (以下、役職・敬称略)
日本財託グループとして不動産投資物件の仕入れから販売、管理までを一貫して行っています。オーナー様が所有する投資用マンションの管理を代行し、その手数料をいただくのが主な収益源です。

私たちデジタルマーケティング部の役割は、不動産投資に関心がある方のなかから、将来的にオーナー様になっていただけそうな方々をWebで集客すること。具体的には、不動産投資に関するセミナーの集客を担当しています。セミナーを通じて当社の考え方や強みを知っていただき、その後の商談・成約につなげています。

新規リードの獲得はWeb広告が中心的なチャネルになっており、集客予算の6割をWeb広告に投下しています。

竹下
運用体制はインハウスですか?

末続
広告運用もクリエイティブ制作も、すべてインハウスで行っています。
以前は大手の広告代理店に一定の予算を預けて運用してもらっていましたが、予算の兼ね合いもあって手厚い運用がされていない印象を受けました。それなら、商材を一番よく理解している自分たちで運用した方がいいのでは?と考え、インハウスに切り替えた経緯があります。

竹下
Web広告はどういった媒体を活用していますか?

末続
現在は、Google・Meta・Yahoo!・LINEの4つで配信しています。リスティングやディスプレイ、動画と媒体特性に応じて使い分けながら運用しています。

「勝ちクリエイティブ」頼みで視野が狭まる。インハウス運用ならではの課題

竹下
広告クリエイティブの領域では、どんな課題を感じていたのでしょうか。

経営企画本部 デジタルマーケティング部 柚江 佳奈 様 (以下、役職・敬称略) 
不動産投資の領域は、昨今の詐欺広告の問題もあり、怪しまれがちな商材です。いかに信頼感を醸成し、セミナーに申し込んでもらえるか。効果の良かったクリエイティブの要素を分析しながら、PDCAを回してきました。

末続
クリエイティブさえよければ、効果は確実に出るという手応えがありました。クリエイティブのPDCAを回すなかで課題として大きかったのが、分析面でのリソース不足です。

どうしても思考が凝り固まってしまい、成果の出た「勝ちクリエイティブ」と似たり寄ったりの展開しか考えられず……。インハウスだからこそ、視野がどんどん狭くなっていく感覚がありました。

竹下
勝ちパターンから抜け出しづらい、ということですね。

柚江
逆に、成果が出なかったクリエイティブは埋もれがちです。少し精査すれば取れる可能性があっても、なかなかそこまで手が回らない。「このクリエイティブは本当にダメだったのか」「別の条件なら使えるのか」を見直す手段がないことも課題でした。

末続
クリエイティブチームとの関係性もあります。当社のクリエイティブチームは全社的な制作を担っているため、広告バナーだけをつくっているわけではありません。改善のオーダーは、こちらから具体的に出す必要があります。

ただ、若手の運用者がクリエイティブの良し悪しを言語化し、デザイナーに的確に伝えるのは容易ではありません。そこをどう補うかが、インハウス運用ならではの悩みでした。

竹下
I’m Creativeはどういった経緯で導入いただいたのでしょう?

末続
AIを活用したクリエイティブ分析で売上を伸ばした会社の話を聞き、興味を持っていたところ、I’m Creativeの存在を知りました。クリエイティブが売上や利益に直結することは経営側も強く認識していたため、比較的スムーズに導入が決まりました。

勝ちクリエイティブの思い込みを変えた、I’m Creativeの要素分析

竹下
実際に使ってみて、印象的だったことを聞かせてください。

柚江
当時、Meta広告で獲得が取れていたバナーをI’m Creativeで分析したところ、「人物イラストが信頼感を損なっている可能性がある」と示唆されました。

<悪いパフォーマンス傾向からのナレッジ(I’m Creative分析レポートから抜粋)>

柚江 
この分析結果を踏まえて実写に切り替えたところ、はっきりと成果が出たのが印象的でした。

末続
実はこれまで、「似顔絵=勝ちクリエイティブ」と認識していました。オーナー様が顔出しNGのことも多く、また実際に似顔絵で獲得できていた過去があったんです。

しかしこの結果を受けてからは、AIで生成した実写風の人物写真を使うようになりました。成果も出たことで当社は今、空前の実写ブームです(笑)。

柚江 
I’m Creativeがなければ、似顔絵をずっと展開していたと思います。私たちにとって、大きな転換点になりました。

効果の要因を言語化し、クリエイティブの横展開で成果を拡大

竹下
他にも、I’m Creativeの分析から得られた気付きはありますか?

柚江 
効果が好調な事例として、4人のオーナー様が登壇するセミナーのクリエイティブがありました。
I’m Creativeで分析したところ、

・登壇者が複数いることによる比較のしやすさ
・投資経歴の異なる成功パターンをまとめて知れるお得感

といった要素が成果に寄与しているのではないか、と示唆が得られました。
そこで登壇者を2人に減らした実写バージョンを制作したところ、実際に成果が出ました。

末続
以前のものと比べると、登壇者の人数が減り、家賃年収の合計も下がっています。クリエイティブとしては少し弱いのでは?と感じていましたが、それでも成果がしっかり出たのが意外でした。

I’m Creativeの示唆通り、二人でも複数登壇による比較や情報のお得感という価値は残っており、そこが効いているのだと感じています。

こうしたインサイトは、広告運用にとどまらず、セミナーの企画側にも共有しています。「投資初心者とベテランの対談形式にしてみてはどうか」といった提案にもつながっており、組織全体でナレッジを活用していきたいと考えています。

CPAは40%改善。新規申込・商談につながる再現性あるクリエイティブ改善

竹下
改めて、I’m Creativeはどんな観点で役立っていますか?

柚江
クリエイティブのPDCAを回すときは、「獲得できたクリエイティブを踏襲する」「獲得できないクリエイティブは埋もれていく」方向に走りがちです。そうすると、どうしても視点も表現も凝り固まってしまいます。

ところがI’m Creativeを使えば、クリエイティブを要素ごとに分解し、次に残すべき要素を示唆してくれる。横展開がしやすくなる点に、良さを感じています。

人が分析をするとどうしても主観が入ってしまうので、AIツールの客観性は貴重です。使い始めてから、クリエイティブの幅が確実に広がってきています。

竹下
クリエイティブの改善によって、広告効果に変化はありましたか?

柚江
改善した静止画のクリエイティブ群で見ると、meta広告で運用を実施していた期間で他静止画と比較した際、該当のクリエイティブのCPAは全体平均と比べて約50%改善しました。
その後、効果の出た要素を横展開したところ、新規申込や商談も着実に生まれています。

もちろん媒体や投下金額による差はありますが、「商談まで進むクリエイティブ」という意味では、かなり良い成果が出せていると感じています。

AIが若手の壁打ち相手に。I’m Creativeが育成とナレッジ共有を支える

竹下
I’m Creativeによる分析は、チームのナレッジ共有にも良い影響がありそうですね。

末続
そう思います。1・2年目の若手社員が、勝ちクリエイティブの要素を抽出して横展開するのは、かなり難しいですよね。基本的には、上長と壁打ちをしながら覚えていくものだと思います。

でもI’m Creativeを使うと、「どこが良いと考えられるか」をAIが言語化し、テキストとして示してくれます。上長と壁打ちをする前に、自分なりの仮説を立てて、I’m Creativeと壁打ちができる。最初のとっかかりをAIが一緒に考えてくれるので、その後の議論の精度も上がります。

私としても、I’m Creativeのレポートを見て「やっぱりそうだったんだ」と確信を持てたり、逆に新しい発見もあったりと、とても助かっています。

「勝ち続けるクリエイティブ」は存在しない。I’m Creativeと探し続ける最適解

竹下
今後、I’m Creativeをどのように活用していきたいですか。

柚江
引き続き、I’m Creativeを活用してクリエイティブを増強していきたいです。今は静止画が中心ですが、今後は動画への展開も強化したいです。

I’m Creativeには静止画を分析すると、動画の構成案まで提示してくれる機能があります。取れる静止画を起点に動画へと派生させることで、訴求の深掘りや検証を進めていきたいです。

末続
あとは、媒体やターゲットによるクリエイティブの違いも、より深めていきたいですね。Yahoo!で刺さるクリエイティブが、GoogleやMetaでは合わないケースも多くあります。媒体ごとの特性を踏まえ、クリエイティブを出し分ける必要性を感じています。

また、40代に刺さるクリエイティブと、20代に刺さるクリエイティブも当然違います。年齢や属性ごとのインサイトも、今後はより細かく見ていきたいです。

刺さるコンテンツは時流によって、大きく変わっていくものだと思います。かつては当社のコンサルタントが登壇するセミナーが中心でしたが、口コミ重視の流れを受け、オーナー様に登壇いただく形へと変化してきました。属性や家賃年収を具体的に出すスタイルも、その流れのなかで生まれたものです。

しかし昨今はユーザーのリテラシーが高まり、わかりやすい数字そのものを警戒する傾向も出てきています。さらにインフレの影響もあって、「過去に成功した人が、これからの時代でも成功できるのか」と疑問を持つ方も増えています。

時流やマーケットの状況によってユーザーニーズはどんどん変わるので、その時、その時で最適なクリエイティブを見つけていくしかありません。一度「勝ちクリエイティブを見つけたら終わり」という世界ではないんですよね。

だからこそこれからもI’m CreativeのAIの力を借りて、時代に応じた最適解を探し続けていきたいです。

<取材・文 = 藤井恵