
グループ会社の集客を担う!制作会社が未経験から運用内製化に挑戦し、代理店並みの成果へ 〜株式会社YAMAKOのShirofune導入事例〜
旅行業界や航空業界を専門とする企画制作会社として、大手旅行会社の広告やWebサイトの制作事業を展開してきた株式会社YAMAKO。コロナ禍で事業を株式会社くらしの友に売却し、現在は同グループの一員として冠婚葬祭事業の制作も担っています。
くらしの友はおよそ5年前からWeb集客をスタートし、運用は代理店に委託。サイト全体の戦略と広告が連動しておらず、PDCAの回しづらさに課題を感じていました。そこで、YAMAKOは同社主導による運用内製化を提案。経験者が不在のため、サポートプランつきでShirofune導入に至りました。
結果、Web集客では代理店運用時と同等のパフォーマンスが、電話タップも含めるとCPAは30%程改善。施策実行のスピード感もアップし、PDCAを回しやすくなったと言います。
くらしの友の経営企画担当としてYAMAKOの事業戦略を担う廣川様と、YAMAKOで広告運用を担当する中山様に、Shirofune導入の経緯や得られた成果についてお話を伺いました。

グループ会社のWeb集客、代理店委託で柔軟性に欠ける運用に
―YAMAKOの事業内容を教えてください。
株式会社YAMAKO 事業責任者 廣川 達治 様(以下、敬称略)
2001年に創業し、旅行業界や航空業界向けに紙・Web媒体の制作やデータ入稿、システム開発を手掛けてきました。しかしコロナ禍で旅行事業が打撃を受け、2021年に株式会社くらしの友に事業を売却。現在はくらしの友グループの一員として旅行関連に加え、くらしの友グループのWebや紙媒体の制作も担っています。
くらしの友は冠婚葬祭事業を中心に展開しており、来年で創業60周年を迎えます。なかでも、会員が積み立てた資金を葬儀や結婚式に活用できる互助会事業は主力事業で、首都圏エリアを中心に展開しています。
―今回は、くらしの友の集客目的でShirofuneを導入していますね。くらしの友ではこれまで、どのような集客をしてきましたか?
廣川
互助会事業はターゲットがシニア層のため、営業部隊による対面での勧誘や、チラシなどの紙媒体を活用したオフライン集客が中心でした。しかし昨今、小規模葬儀やオンライン専業の競合が台頭し、市場環境が大きく変化。それに伴いWeb化が加速しています。
くらしの友は5年程前にWeb広告への投資を開始し、一昨年前にはサイトをリニューアルしました。現在はより効率的な集客と競合対策を目的に、Webマーケティングへの比重を少しずつ高めています。
―Shirofune導入前、Web広告運用においてどのような課題がありましたか?
廣川
1つは、代理店委託によって手数料が発生してしまっていたこと。もう1つは代理店の対応範囲が広告運用とレポーティングに限定されていて、SEOコンテンツの制作など、サイト全体の取り組みと連動していなかったことが挙げられます。新しいキーワードの取り込みやキャンペーン設定など、戦略的な施策が進みにくく、PDCAが回しづらい状況でした。
運用経験・専任担当ゼロでもOK!Shirofuneならスムーズに内製化できる
―どのような経緯で、運用を内製化する流れになったのでしょう?
廣川
これまで、YAMAKOはくらしの友のWebや紙媒体の制作を担っていました。しかしオーダーされたものをつくるだけではなく、マーケティング活動全般に深く関与し、介在価値を高めたいという考えがありました。
そこで調査やデータ分析も含めた集客施策の提案から運用までを、包括的に担う体制を提案。運用を内製化することで、広告とサイト全体の施策を連動させた一貫性のあるマーケティング体制への移行を目指しました。
―Shirofune導入へと至った経緯も聞かせてください。
廣川
YAMAKOには広告運用の経験者も、広告専任の担当者もいません。そこで経験者や専任の担当者が不在でも運用可能なツールを探しました。
Shirofuneは自動入札やレポート機能が優れていることに加え、サポートプランの存在が導入の決め手となりました。専任の担当者がゼロから設定や運用サポートをしてくれると知って、スムーズな内製化ができそうと判断し、導入に至りました。
―内製化に対する不安の声はありましたか?
廣川
広告効果が悪化するのではないか、という懸念は当然ながらありました。しかし、あくまで代理店からスイッチする目的はYAMAKOの役割を変えること。前提となる目的に対して合意が得られていたので、理解を得るハードルはそこまで高くはありませんでした。
初心者が迷わず運用できる「改善カード」、工数の大幅削減につながる「レポート機能」、「サポートプラン」は安心材料に

―Shirofuneを実際に導入してみて、使い心地や感想を聞かせてください。
株式会社YAMAKO 八戸支社 企画制作部 WEB制作課 ディレクター 中山 加代子 様(以下、敬称略)
私は運用経験がなく、CPAやコンバージョンといった用語もわからない、本当にゼロからのスタートでした。
ただShirofuneでは日々、改善ポイントが「改善カード」として表示されます。初心者でもわかる形式で改善案を提示してくれるので、少しずつ理解しながら対応できるようになりました。
サポートプランの存在は大きな安心材料でした。専任の担当者が対応してくれるので、これまでの経緯を踏まえたスムーズなやり取りができます。レスポンスも迅速で、細かな疑問にも即対応してもらえたことで、滞ることなく内製化することができました。
廣川
オールインパッケージで、広告運用から効果検証まで一元管理できるので非常に使いやすいです。GoogleとYahoo!広告も横断管理できるので、管理画面を個別に操作する必要がありません。レポートも全体と個別で出力できるため、運用負荷を抑えながら内製化できています。
また、UI・UXがユーザー目線で設計されていて迷子になりにくい。もし迷子になっても、サポートプランで迅速に問題を解決できるので助かっています。
改善カードによって、あれこれ考えすぎることなく、優先的に取り組むべき施策に注力できる点も、効率的な運用に繋がっているように思います。
―特に活用いただいている機能は何でしょう?
中山
レポート機能は膨大なデータの集計・可視化が一瞬で完了するので、大幅な工数削減につながっています。グラフや改善点も分かりやすく可視化されていて、そのままクライアントに提出できるほど完成度が高いです。
廣川
くらしの友に提出するレポートには私と中山のコメントをつけて週次と月次でお渡ししています。代理店に依頼していた時はレポートは月に1回だったので、より状況が把握しやすくなっています。
中山
GoogleとYahoo!の横断管理機能も非常に便利です。たとえばGoogleで広告を修正した際、「Yahoo!も一緒に変更しますか?」とポップアップが表示されて手軽に修正できます。
初心者にはハードルが高い予算配分も、Shirofuneが自動で調整してくれます。知識が少なくても効率的な運用ができるので助かっています。
電話タップも含めるとCPAは30%程改善。サポートプランで、早期に広告効果を引き上げ
―広告効果の変化など、定量的な成果について聞かせてください。
中山
集客には「資料請求」「見積もり依頼」といったWeb集客と、「電話タップ」も含めた集客の2種類があります。Web集客に関しては代理店運用時と同等のパフォーマンスが出ています。
一方、電話タップも含めるとCPAは運用移行前の数か月と比較をして30%程度改善。タップ位置の見直しなども効果を後押ししています。
廣川
元々、代理店運用時と同等の効果を目標に運用してきたので、いい結果を出せています。今後は資料請求や見積もり依頼など、Webコンバージョン単体での効率をいかに改善できるかがテーマです。
―サポートプランでは、どんなサポートが役立ちましたか?
中山
レポート活用のレクチャーは特に役立ちました。
Shirofuneのレポートは情報量が多い分、運用初心者が自力で読み解くのは大変です。サポート担当者との毎月の定例で、レポートの見方や重要指標の読み解き方を教えてもらって理解が深まりました。
廣川
状況に応じて、時に手を動かしながら柔軟に対応いただけたので助かりました。
元々、くらしの友サイドが一番気にしていたのが、内製化による広告効果の悪化です。この点をクリアすべく、広告アカウントを代理店から引き継いですぐに、サポート担当者がリスティング広告のキーワードを増やしてテールワードにまで広げてくれました。
結果、Shirofuneで運用を開始してすぐに効果がUP。最初に数字で結果を出せたことが安心材料になり、良いスタートダッシュをきることができました。
その後、CPAに繋がらず効果が悪化し始めたタイミングで少し心配されましたが、すぐにテールワードを削除して効果は改善。不安を解消でき、そこからは安心して任せてもらえるようになりました。サポートによって、不安のない立ち上げができました。
内製化でPDCAが加速。グループ外へのノウハウ展開も視野に

―くらしの友からの評価はいかがですか?
廣川
代理店に委託していた時は、施策の検証で終わることが多く、PDCAが十分に回らない状態で、施策実行のスピード感もあまりありませんでした。
しかし、現在は施策実行のスピード感がアップし、新しいキャンペーンも迅速に実施できるようになっています。たとえ運用効率が悪化する可能性があっても、その可能性をきちんとお伝えした上で、くらしの友側のニーズを優先して素早く実行に移す体制ができています。
代理店手数料が不要になった分、コスト効率は改善。柔軟な施策展開もできるようになって「YAMAKOの内製化によって、以前より良くなった」と評価されています。
―最後に、今後のマーケティング活動の展望とShirofuneの活用イメージについて聞かせてください。
廣川
YAMAKOでは引き続き、くらしの友グループ全体のWeb分野でのソリューションを実務面からサポートする、インハウス的な役割を担っていきたいと考えています。
Shirofuneを活用した運用の内製化がスタートして約半年。まだ取り組みは初期段階です。今後もShirofuneを活用して、より上流工程の分析や戦略設計にも踏み込んでいきたいです。
そして将来的には、元々得意としていた旅行業界や航空業界へのノウハウ展開も視野に入れています。くらしの友グループの外にも提案・支援を広げることで、ビジネスを成長させていきたいです。
―ありがとうございました。
―サポート担当のコメント―
YAMAKOの皆様の貪欲に学び、吸収しようとする姿勢は素晴らしく、印象的でした。これまで生じた疑問点と、それに対する回答は全てスプレッドシートにまとめておられ、シートさえ見れば、実務に必要なことがわかるようになっています。今後、運用を他の方に引き継がれる時がきても、きっとスムーズに引き継ぎができると思います。
<取材・文=藤井恵>