noteインタビュー

シロフネくんを産んだアートディレクターがShirofuneから得たもの 〜アートディレクター/グラフィックデザイナー 巣内雄平の場合〜

Shirofune広報担当

Shirofuneでは当初より、ツール開発からセールスや広報・マーケティング、ユーザーサポートなどのサービス展開に至るまで、積極的に社外のプロフェッショナル人材とのチーム作りへ投資し、Shirofuneのプロダクト・サービス両面での成長に取り組んでいます。

社員として社内に入るわけでもなく、他とはちょっと違ったShirofuneのチームビルディングやその取り組みに、メンバーはどのような想いを持って参加しているのでしょうか。自身の働き方やキャリアへの影響も含めて直接聞いてみました。

6人目となる今回はShirofuneのマスコットキャラクター、シロフネくんを産み出したアートディレクターの巣内雄平さんが登場。Shirofuneとの出会いや、シロフネくんの誕生秘話、アートディレクターとしてのこだわりを聞きました。

巣内 雄平 https://sunaidesign.tumblr.com/
アートディレクター/グラフィックデザイナー
多摩美術大学卒業後、複数社を経て2017年、独立。ブランディング、VI、グラフィックを主戦場に、ディレクション領域からアウトプット領域まで一気通貫した支援を得意とする。 経営層や担当者と膝を交えた丁寧な壁打ちとともに、上流からブランディングに携わる。

当初のオーダーとは全く違う制作物からスタートした、Shirofuneとの出会い

―巣内さんは2018年からデザイナーとしてShirofuneに関わっていますね。これまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。

美大を卒業後、「GURANTURISMO」というレーシングゲームのスタジオに入社しました。ゲームにまつわるグラフィックデザイン・UIデザイン全般を扱うチームで、今にもつながるデザインの仕事のやり方を学びました。ロゴやピクトグラムや映画のポスターのような絵作りのレタッチの仕方などいまだに財産です。

その後、イラストレーターの活動に重心を置く理由で退職し、作家活動をしていた時期もありました。分業体制の中でデザインのハンドリングができないフラストレーションから、やっぱりデザインをやりたいと思い直し、Zoffという眼鏡ブランドのデザイナーになります。

ZoffではPOPや店舗グラフィック、雑貨のグラフィックなどブランドにまつわる色んなデザインを担当しました。Zoffは副業OKだったので、朝から19時〜20時まで表参道のZoffのオフィスで働いた後、同じ表参道のシェアオフィスに行って個人の仕事をやる二重生活を送っていました。当時、友人の会社が表参道にあったので間借りしてました。

だんだんと個人の仕事が増えてきたのを機に退職したのが2017年です。そこから現在に至るまで、フリーランスのアートディレクター兼グラフィックデザイナーとして活動しています。

―Shirofuneとはいつ頃、どのように出会ったのですか?

2018年頃にWantedly経由で出会いました。Shirofuneの広告用バナーを制作するデザイナーの募集を見つけて応募し、当時四ツ谷にあったShirofuneのオフィスを訪問したのが最初の出会いです。

打ち合わせでオリエンテーションを受けてコミュニケーション上の課題に感じたのはサービス内容の複雑性でした。

「このサービスのキャラクターを作って、そのキャラクターに会社が発信したいメッセージを代弁してもらう構造をとった方が、言いたいことが分かりやすくなったり、サービスの見栄えが柔らかくなるかも知れません。」

そう話をしたら、「じゃあそうしましょう」とその場でキャラクターデザインの受注が決まりました(笑)。即決でした。

事業という航海の中で、船長(事業者)を最適な旅に導くシロフネくん

―そこで誕生したのがシロフネくんですね。どのような背景で生まれたキャラクターですか?

社名・サービス名に「fune-船」が入っているので、航海と掛け合わせたストーリーにしたいと考えました。

事業という海の中で、航海する船長をサポートする。船長とクルーが居て、船長は事業者さん。背中にゼンマイのついたクルーがシロフネくんです。

ITサービスなので、キャラクターはロボット。ロボットのシロフネくんが事業という船に一緒に乗り、最適な航路に導くクルーとして船長と二人三脚で航海をする世界をイメージしました。

シロフネくんを産み出す手前で、言語的な整理はかなりしました。サービスの目的やターゲット、USPについてもしっかりヒアリングしました。USPがかなり立っているサービスだったので、その後バナーで使用したキャッチコピーも作りやすかったです。

―広告バナーのキャッチコピーも、巣内さんが作ったのですか?

そうです。ちょうどこの頃、コピーライターの小霜和也さんが書いたコピーの本を読んでいたので、自分で書いてみようと思いました。シロフネくん制作にあたり前提情報をヒアリングできていたので、キャッチコピーやタグライン、サブコピーを整理して提案したところ、全部採用になりました。

―当初からバナーのクリエイティブに加え、コピーも含めた依頼だったのでしょうか?

どういった経緯で僕がコピーまで作ることになったのか、詳細は覚えていません。ただ勉強したてだったので、腕試しにライティングしたかったんだと思います。

僕はもともと、コピーにも口を出すデザイナーなんです。「もっとコンパクトなコピーにしてもらった方が、デザイン的には収まりがいい」とか、コピーライターさんに結構意見を言っていました。要はうるさい奴です(笑)。

ただ、コピーに対して意見したり代案をライティングしたことはあっても、自分で一から作ったのはこのShirofuneの案件が初めてです。

ー初対面でのキャラクターデザイン発注然り、コピーライティング然り。Shirofuneはこんなことがやりたいという想いを尊重してくれるカルチャーだったんですね。

Shirofuneはマーケットへの「問い」を持っている人の集まり だから、定期的に会いたくなる

―この案件以後、Shirofuneとはどのような付き合いをしていますか?

この案件の後は、竹下さん達とランチをしたり飲みに行ったり。たまに会ってはブランディングやビジネスの話、いろいろな話をする関係性が続いていました。

そこから昨年、ShirofuneXの岩井さんが「ゼロイチサポート」という新規事業を始めるということで、そのLP制作をしたいとお声がけいただきました。Shirofuneとは2018年以来、4年ぶりのお仕事でした。

どんな事業なのか、事業構造やサービス詳細、岩井さんの想いをヒアリングして言語的な整理をしながら、LPの構成を練り上げていきました。

―新たなShirofuneメンバーと仕事をして、Shirofuneらしさをどんなところに感じましたか?

竹下さんも岩井さんも、社会や業界・仕事に対しての「問い」を持っている人たちだと思います。

竹下さんは日本のWEB広告の営業手法のある種の泥臭さ、クライアントに丁寧に伴走する部分に価値を感じて、それをShirofuneというサービスで再現したいと話していました。一方で、業界内でこれまでできなかったことをShirofuneで実現したいという強い想いも持っています。

岩井さんはプロフェッショナルとして、顧客の成果にどうコミットするか?という思いが強い人だなって感じています。。Web広告業界へのフラストレーションが強く、いい意味での「怒り」が岩井さんの行動を駆り立てている印象を受けます。

キャラクターこそ違いますが、二人に共通するのは業界への「問い」と「こう在りたい」という強い想いです。そういうものを軸として持っている人たちだから、定期的に会って話したくなるんだと思います。

ビジネス観点を言語的に整理し、ブランドの“匂い”を絵的に表現する。この両方を考えるのが、デザイナーとしてのこだわり

―巣内さんが普段デザインをする際、どんなこだわりを持っているかも聞かせてください。

僕の作るデザインは、クライアントが事業で運用するためのツールです。だからこそ、そのツールにクライアントがフィット感を感じられることが大切です。そのために僕がやるべきことは、クライアントの事業の状態をしっかり把握すること。

何のためにその事業をやっているのか、経営者はどんなマインドを持っているのか、どんなこだわりがあるのか、どういうものに気持ちが熱くなるのか…。ビジネスの話からパーソナルなマインドの話まで、幅広く話をしながら事業のセンターピンを探っていきます。

こういった前提の整理がきちんとできていると、「思っていたのと違った」というちゃぶ台返しも起こりにくいと考えています。

―その巣内さんのこだわりが、うまく結実したデザイン事例があれば聞かせてください。

そうですね、実は最近、フルーツシロップのパッケージをデザインしました。このクライアントは、経営者の方がお酒を飲めない体質で、そのことにコンプレックスをお持ちなんです。でも彼は「自分のように困っている人がいる」というところから他者のインサイトをケアするブランドを作るんですね。

多くの飲食店では、飲めない人の選択肢はそれほど多くない。飲めない人も、飲める人も、同じ場所で、同じように楽しめる。そんな世界を作りたかったそうです。

このプロジェクトでは、起業家の方の事業へのマインド、事業のセンターピン、ブランドのムードなどを言語的に整理して、そうして整理した言葉を元にパッケージデザインやロゴを起こしていきました。

絵と言葉この両方を整理してクリエイティブを作れるのが、デザイナーにしかできない仕事で、僕なりのこだわりポイントです。クライアントにとってのフィット感と、ターゲットや社会からどう見えているか。両者のバランスを取ることは常に意識しています。

ランチや飲みに行き、たまに仕事で合流す このShirofuneとの距離感が心地良い

―巣内さんのそんなこだわりが、Shirofuneという組織カルチャーとマッチしたからこそ、長いお付き合いが続いているんですね。初めて出会った4年前と比べてShirofuneというサービス、組織も成長してきています。今後はどんな成長を期待していますか?

すごく独特で面白い組織だと思うので、このカルチャーが今後も残っていてほしいなと思います。

―今後、Shirofuneとはどのような付き合いをしていきたいですか。

営業観点とは別に、面白い人とは長く付き合っていきたいタイプです。Shirofuneのみなさんは面白いので、たまに会ってお話をして、ビジネスでご一緒できるタイミングがあればアップデートした自分を見ていただきたい。

4年前にお仕事をした時、僕自身のキャリアの軸足はグラフィック制作でした。そこからだんだんと、ブランディングという方向性にスライドしていく中でいただいたのがLP制作のお仕事でした。

以前よりも解像度高く、事業支援できる部分が増えてきています。だからこのタイミングでまたShirofuneとお仕事ができたことが自分的にも嬉しかった。

今後もShirofuneの皆さんとはたまに飲みながら、タイミングがあえば仕事で合流し、お互いの成長を確かめ合う。そんな距離感が心地良いかなと思います。

<取材・文/藤井恵>

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