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スマートフォン向けのアドネットワークとは?仕組み、主要媒体、効果最大化のポイントなどわかりやすく解説

菊池 満長

北欧発のマーケティング関連企業「Meltwater」のデータによると、世界のソーシャルメディアユーザーは52億4000万人に達しました。これは世界人口全体の約65%に相当する規模です。

世界中の人々が日々、スマートフォンでソーシャルメディアを閲覧し、そこへ数多くの広告が配信される状況を考えると、スマートフォン向け広告の市場は莫大であると想像できます。

ところがその状況の中、広告を見るユーザー側の「広告疲れ」を指摘するマーケティング関連企業も少なくありません。ユーザーが大量の広告を目にする中で広告に興味を示さなくなったり、反応しなくなったりするのです。この「広告疲れ」は、広告を制作・配信する担当者にとって、永遠に対峙すべき課題ともいえるのではないでしょうか。

今回のテーマは、その「スマートフォン向け広告」です。スマートフォン向けの広告で成果の最大化を図るためには、どのようなアドネットワークを選ぶべきかについて具体例を挙げながら解説します。

アドネットワーク比較検討の際のポイントや、広告成果を高めるコツ、さらには「運用は内製か外注か?」という疑問を解決するためのヒントもお伝えします。

アドネットワークとは

はじめに、アドネットワークに関する基礎知識や仕組みの概要、メリット・デメリットについて解説します。

アドネットワークの定義

アドネットワークとは、オンライン広告を出稿したい広告主と、Webサイトやモバイルアプリなどのメディアをつなぐプラットフォームのことです。

広告主はアドネットワークを利用することで、広告枠が数多く販売されている場所にアクセスでき、多数の広告をスムーズに出稿できます。

また、メディア側はアドネットワークに加盟することで、数多くの広告枠を効率的に販売できるというものです。


アドネットワークの仕組み

アドネットワークの仕組みの概要は、以下の通りです。

まず、メディア側がアドネットワークに加盟し、自社のWebサイトやアプリ内に専用のタグ(スクリプト)を設置します。

アドネットワークでは、メディア側によって登録された在庫について、ユーザー属性やコンテンツカテゴリなどで分類を実施します。

そして広告主側では、アドネットワークの管理画面場から、広告のクリエイティブ入稿やターゲティングの設定を行なうことが必要です。

すると、ネットワーク側が広告主の希望に沿った広告枠を在庫の中からマッチングし、広告を配信するという仕組みです。

アドネットワークのメリット

アドネットワークを利用することで、広告主は大量の広告でも効率的に一括配信ができます。トラフィック数を確保したい場合でも、数多くのリーチを期待できるでしょう。

たとえば、アドネットワークの一例である「Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)」は提携先として世界中のWebサイト・アプリを網羅しています。そのため、ディスプレイ広告を出稿することでインターネット上の90%の人々にリーチできるともいわれています。

言い換えると、数十億規模のユーザーへの接触も見込めるといえるでしょう。加えて、数多くの広告を出稿した場合でも、アドネットワークの管理画面からまとめて効果測定ができます。

そして、メディア側にとってもメリットがあります。アドネットワークが広告枠の販売代行をしてくれるため、メディア運営企業が自力で広告主を開拓したり、個別に広告を差し替えたりする負担を軽減できるのです。そのため、効率的に広告収益を得られる仕組みになっています。

アドネットワークのデメリット

前述の通り、広告主・メディア側の両者にとってさまざまなメリットがある一方、アドネットワークにはデメリットもあるといえます。

まず、広告主は掲載先を細かく指定することができません。たとえば「自動車関連サイト」といった配信先のカテゴリや、広告のターゲットとするユーザーの属性は出稿時に設定が可能です。しかし、個別のサイト名までは選べないケースが多いでしょう。

自社の広告が、自社にとって好ましくないサイトに掲載される可能性も否定できず、コントロールは限定されるといえます。よって、ブランドセーフティの観点からある程度のリスクはあるでしょう。

また、どのアドネットワークを選択するかによって、「有名サイトに出稿できる確率はどうか」「Webサイトとモバイルアプリ、どちらに強みがあるか」など、提携している媒体の傾向もまちまちです。アドネットワークの選定次第で、広告出稿の成果に影響を及ぼすと考えられるため、事前の比較検討が大切です。

複数のアドネットワークを並行して利用もできますが、その場合には見るべき管理画面が複数走ることになるため、レポート確認・分析など管理業務の手間も増えると想定されます。

そして、「アドネットワークは透明性が低い」という点もよく指摘されます。「どのサイトで広告が表示されたか」「その際のインプレッション数やCTRはどうだったか」といった点が、そもそも明確に追跡できない場合が多いでしょう。加えて、広告出稿にかかる手数料についても不明瞭である場合もあります。

こうした課題に対応するために「プレミアムアドネットワーク」という存在もあり、知名度・評判ともに高い提携先があらかじめ厳選されています。コストは高くとも透明性は比較的良好なのがメリットです。広告運用の透明性を重視する企業においては、「プレミアムアドネットワーク」に着目することも重要です。

なお、アドネットワークの基礎について詳しくは別記事「アドネットワークとは?仕組み、他広告手法との違い、メリット、代表例などについてわかりやすく解説!」でも深く解説していますので、あわせてご一読ください。

スマートフォン向け広告におけるアドネットワークの仕組み

スマートフォンユーザー向けに広告を配信したい場合には、モバイルサイトやアプリ内の広告枠を集中的に扱うアドネットワークを選択することが重要なポイントです。

モバイル広告に特化したネットワークでは、位置情報を活用した配信や、アプリ内行動データにもとづく高度なターゲティングも実施できます。スマートフォンユーザー特有の行動パターンに合わせた、広告最適化を行える点が特徴です。

現在では、世界のWebトラフィックの半数以上がモバイル経由です。それゆえ、多くのモバイルアプリ開発者は広告収益化のため複数のモバイル広告ネットワークを活用しています。一例として、「Google AdMob」や「AppLovin」、「InMobi」などが代表的なモバイル向けアドネットワークです。

このようなアドネットワークはアプリ内広告を配信するためのSDK(ソフトウェア開発キット)を提供しています。バナー広告・インタースティシャル広告・ネイティブ広告・動画リワード広告など多彩なフォーマットに対応している点が特徴です。

DSPとの違い

ここで、アドネットワークとDSP(デマンドサイドプラットフォーム)の違いについて説明します。

近年はプログラマティック広告の発展により、DSPとアドネットワークの棲み分けについて広告主が理解・検討する視点が重要になっています。両者の違いを簡潔に説明すると、以下の通りです。

DSPアドネットワーク
・広告主向けの統合的な入札プラットフォーム・複数のアドネットワークやアドエクスチェンジからリアルタイムに広告在庫を買い付けるシステム・広告主自らが細かいターゲット設定や入札価格の調整を行える概要・媒体在庫を広告主に販売する仲介業者・あらかじめ決められたオーディエンスセグメントや固定の価格設定(たとえば枠ごとのCPM)でパッケージを買う形が主流
・高い透明性とコントロール性・リアルタイム入札(RTB)によって一つ一つのインプレッションの価値に応じた価格で購入でき、費用対効果の最適化がしやすい・多数のネットワークや取引所と接続しているため一つのプラットフォームからほぼ無制限の広告在庫にアクセス可能特徴・配信先や価格に広告主が直接介入する余地が限られる・アドネットワーク内の提携媒体だけを扱うため在庫の範囲も限定的

参考:Ad Network vs DSP: How to Choose? – SmartyAds

両者についてそれぞれ、上記のような特徴が見られるため、現在では高度なターゲティングや効率を求める広告主ほどDSPを活用する傾向にあります。

従来型アドネットワークでは固定CPMやレポーティングの不透明さなど構造的な限界があります。プログラマティック広告が普及した現在では「もはや広告主が直接アドネットワークと取引する必要はない」といわれる場合もあるほどです。

ただし、後述するようにアドネットワークにも依然として「モバイル広告配信に強い」などのメリットがあります。そのため、自社の規模や広告の目的に応じて、DSPとアドネットワークを使い分けることが大切です。

スマートフォン向け広告における位置付け

スマートフォン向け広告の領域では、アドネットワークは広告流通チャネルのひとつとして現在も重要な役割を占めています。

とりわけ、モバイルアプリの収益化においては、多くのアプリ開発元が複数のアドネットワークのSDKを組み込み、収益の最大化を図っている状況です。

たとえば「Google AdMob」はモバイルアプリ向け広告ネットワークの代表格だといえます。他のネットワーク在庫もまとめて購入できるメディエーション機能を持ち、世界中のアプリに広告を配信しています。加えて「AppLovin」や「ironSource(現Unity Ads)」など、モバイルゲーム分野に強いネットワークも広く利用されているといえるでしょう。

その一方で、大規模な予算を運用する広告主や、精緻なターゲティングを求める広告主は、DSP経由でモバイル在庫にアクセスするケースも増えています。

前項の比較表で示した通り、アドネットワーク単体では在庫やデータが閉じた環境になりがちです。それは、DSPを利用すれば複数のアドネットワーク在庫を横断して、一元的に買い付けられるためです。

そのため、現在のスマートフォン広告市場では、「まずアドネットワークで小規模に始め、規模拡大に伴ってDSPでの運用に移行する」というのが一般的な流れです。このような状況のなか、アドネットワーク各社もDSPとの連携や、独自データの強みを打ち出すなど進化を続けていると伺えます。

スマートフォン向け広告においてアドネットワークはDSP・SSP・アドエクスチェンジと共存しつつも、媒体と広告主を結ぶ重要な役割を担い続けているといえるでしょう。

スマートフォン向けの主要アドネットワーク【2025年最新版】

ここからは、スマートフォン向けの主要なアドネットワークをいくつかご紹介します。

  • Googleディスプレイネットワーク(GDN)
  • Yahoo!ディスプレイ広告(YDA, 旧YDN)
  • i-mobile アドネットワーク
  • 楽天広告(楽天アドネットワーク)
  • Meta Audience Network(Facebookオーディエンスネットワーク)

Googleディスプレイネットワーク(GDN)

(出典:Google 広告)

Googleディスプレイネットワーク(GDN)はは、Googleが提供する大規模なアドネットワークです。

世界200万以上のWebサイト・アプリに広告配信が可能で、提携サイトやアプリが膨大です。そのため、全世界のインターネット利用者の90%以上にリーチ可能だともいわれており、スケールの大きさが最大の強みでしょう。

Google 検索などに広告を掲載できるだけでなく、YouTube・GmailといったGoogleの関連サービスにも広告掲載が可能で、テキスト・画像・動画などさまざまな広告フォーマットに対応しています。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA, 旧YDN)

(出典:【公式】Yahoo!広告の「ディスプレイ広告(運用型)」(バナー広告))

「Yahoo!ディスプレイ広告(YDA, 旧YDN)」は、Yahoo! JAPANが運営するディスプレイ広告配信サービスです。

このアドネットワークを利用することで、Yahoo!トップページやYahoo!ニュース、関連サービス上に広告出稿が可能になります。Yahoo! JAPANの月間ページビュー数は79億ともいわれているため、日本国内の大多数のネットユーザーにリーチが見込めるでしょう。

よって、国内ユーザーに大規模にリーチしたい場合には活用を検討すべきアドネットワークのひとつだと考えられます。

i-mobile アドネットワーク

(出典:i-mobile Ad Network)

「i-mobile」は、日本発のアドネットワークです。同社のアドネットワークの沿革はモバイル広告の領域からスタートし、現在は「日本最大級の広告プラットフォーム」と謳い、多くの提携媒体を抱えています。

成果報酬型広告(クリック課金やコンバージョン課金)を運用できる点も強みのひとつです。出稿ハードルが低いため、中小規模の媒体や広告主でも導入しやすいでしょう。たとえば、ローカルアプリのプロモーションなどにも活用されているアドネットワークです。

楽天広告(楽天アドネットワーク)

(出典:楽天広告)

「楽天広告(楽天アドネットワーク)」は、楽天グループのデータと媒体資産を活用した広告ソリューションです。楽天市場や楽天ニュース、楽天レシピなど自社メディアはもちろん、楽天グループ傘下のRakuten TV(動画配信)やViber(メッセージアプリ)など国外含むさまざまなプラットフォームにも広告配信が可能です。

他のアドネットワークにない強みは、何と言ってもECで培った購買データを活用可能な点です。楽天会員の購買履歴や閲覧履歴など豊富なファーストパーティデータを広告配信に活用できるため、ユーザーの興味関心や購買意向にマッチした精度の高いターゲティングが期待できます。

日本国内では楽天経済圏のユーザー規模が大きいため、楽天広告ネットワークを通じて国内インターネットユーザーの相当数にリーチ可能だと考えられます。

ディスプレイバナーの他、楽天市場内のレコメンド型広告、楽天SNSやメールマガジンとの連動など広告フォーマットも多岐にわたり、スマートフォン向けにも最適化。楽天関連アプリ内でのネイティブ配信やプッシュ通知広告など、モバイル特有の手法も提供されている点が特徴です。

Meta Audience Network(Facebookオーディエンスネットワーク)

(出典:Meta Audience Network)

「Meta Audience Network(Facebookオーディエンスネットワーク)」は、Meta社(旧Facebook社)が提供するアドネットワークです。

Facebook広告、Instagram広告の強力なターゲティング性能(年齢・興味・行動データなど)を活用できる点が強みです。主にモバイルアプリ内に広告を配信するためのアドネットワークとして活用されています。

ゲームをはじめ、スマートフォンアプリ開発者が収益獲得のために導入するケースが多く、推計ではこのアドネットワーク単体で年間30億ドル規模の売上げを上げていたともいわれ、収益規模は大きいことがうかがえます。

なお、他のアドネットワークについて別記事「【2025年最新】主要アドネットワークを一覧で紹介!選定ポイントもあわせて解説」でもさらに数多く具体例を挙げてご紹介しています。あわせてお読みください。

自社に適したスマートフォン向けアドネットワークの選び方

ここからは、自社に適したスマートフォン向けのアドネットワークを選ぶコツについてご紹介します。

主に以下4つのポイントに着目してみましょう。

  • 広告の目的を明確にする
  • ターゲットユーザーを特定する
  • 予算規模と課金方式を考慮する
  • 対応している広告フォーマットを確認する

1. 広告の目的を明確にする

まずは、広告出稿の目的をはっきりさせましょう。たとえば、「ブランド認知向上」「アプリのインストール獲得」「ECサイトでの購入促進」といった目的次第で、適切なアドネットワークや配信手法は変わってきます。以下の表は、想定される一例です。

広告の目的推奨されるアドネットワーク理由
認知拡大GDA、YDAなどリーチ規模が大きいため
アプリのユーザー獲得Meta Audience NetworkやUnity Ads、AppLovinなどモバイル特化型ネットワークであるため
ECサイトでの購入前促進楽天広告などユーザーの興味関心や購買意向にマッチした精度の高いターゲティングが期待できるため

上記で挙げた目的以外にも、「クリック率」「CVR」「CPA」など特定のKPIを達成することが目標であれば、その指標を効率よく達成できるネットワークを選ぶ必要があります。

自社の広告の目的に合致したネットワークを選定することが、限られた予算を有効活用し目標を達成する第一歩です。

2. ターゲットユーザーを特定する

次に、広告を届けたいターゲット層を明確にしましょう。

自社の商品・サービスのペルソナが「20代女性」なのか「ビジネスパーソン」なのか、あるいは「特定の趣味嗜好を持つ層」なのかによって、有効な媒体は異なります。アドネットワークごとに得意とするユーザー層や地域があるため、自社のターゲットユーザーが多く集まるネットワークを選ぶことが重要です。

たとえば、「20代の女性に広告を見てほしい」という場合であれば、Instagramのユーザー属性との重なりが考えられます。よって、Instagramなどに広告を配信可能な「Meta Audience Network」を選ぶことが一つの有力な候補となり得るでしょう。

また、海外ユーザー獲得が目的であれば、その国で主流のネットワーク、たとえば北米であれば「AppLovin」中国であれば「Tencent広告」などを検討する必要があります。

3. 予算規模と課金方式を考慮する

自社の広告予算の大きさや、どのような課金モデルで広告運用をしたいか、といったポイントもネットワーク選定の重要な基準となります。

限られた予算であれば、最初から大手ネットワークに多額を投じるよりも、少額からテスト出稿できるネットワークで効果検証をする方がリスクは低くなるでしょう。

また、課金方式についても、クリック課金(CPC)やコンバージョン課金(CPA)に対応したネットワークであれば無駄な露出に支払いをせずに済みます。そのため、パフォーマンス重視の広告主には適していると考えられます。

インプレッション課金(CPM)は一度に大規模露出を取りやすい反面、不特定多数に配信されるためブランディング目的向きです。

各アドネットワークで最低出稿金額や料金体系(入札制か固定料金か)も異なるので、自社予算で無理なく運用できるネットワークを選びましょう。

一例として、小規模予算であれば審査や初期費用のハードルが低い「i-mobile Ad Network」などから始め、大規模予算を投下できるようになった段階で、GDNやDSPに施策を広げる戦略も視野に入れられるでしょう。

4. 対応している広告フォーマットを確認する

アドネットワークごとに、配信可能な広告フォーマット(広告の形式)も異なります。

たとえば、「動画広告でリッチな訴求をしたい」と考えている場合に、アドネットワークが静止画バナーしか扱えなければ目的は達成できません。逆に、シンプルなバナーで十分なキャンペーンの場合に、高価な動画ネットワークを使うと費用対効果が下がる恐れもあります。

そのため、配信可能なフォーマット(例: 静止画バナー、動画、ネイティブ、テキスト、リワード動画等)を事前に確認した上で、自社が出稿したいクリエイティブに合ったネットワークを選択しましょう。

特に、スマートフォン向け広告は画面が小さいので、ネイティブ広告やインタースティシャル広告、縦型動画広告などモバイル特有のフォーマットを理解した上でクリエイティブを用意することが重要です。

たとえば、ゲームアプリのプロモーションには「リワード動画」に強いネットワークを選択する、アプリインストールが目的の場合には「インタースティシャル」や「ネイティブ枠」が多いネットワークを選択することが適しているでしょう。

スマートフォン向け広告運用は内製or代理店?

スマートフォン向けの広告運用は、そもそも自社でインハウス運用すべきなのか、代理店に依頼したほうがよいのか、判断に迷っている担当者もいるでしょう。

そこで、それぞれの場合のメリット・デメリットについて両面から考えてみましょう。

自社でインハウス運用する場合のメリット/デメリット

自社内でインハウス運用する場合のメリットおよびデメリットをまとめると、以下の通りです。

メリット・迅速な対応、コントロールの速さ・ノウハウやデータが社内に蓄積される(機密データも外部に出さずに済む)・一貫した制作・運用体制により、ブランドイメージを細部まで統一できる・外注手数料が不要になり、実広告費に予算を集中させられる
デメリット・リソースと専門性の確保が必要・チームマネジメント、コミュニケーションの課題・発想が社内常識に留まりがち、外部の新しいアイデアや批判的視点が入りづらくなる

広告代理店に運用を依頼する場合のメリット/デメリット

広告代理店などに運用を依頼する場合に考えられるメリットおよびデメリットは、以下の通りです。

メリット・最新の専門知識と客観的視点を活用できる・SEOやSNS運用、動画制作など横断的なマーケ施策も含め包括的な支援も期待できる・自社の人的リソースを他の重要業務に振り向けられる
デメリット・意思決定やコミュニケーションのタイムラグが想定される・プロジェクト管理・調整が煩雑になりやすい・渡せるデータにプライバシーやコンプライアンスの観点から限りがある・外注手数料がかかる

代理店の活用は「外部の優秀なマーケティングチーム」を自社の一部として編入するイメージを持つとよいでしょう。自社では難しい大胆な施策や、大規模予算の運用も安心して任せられる点が魅力です。しかしその反面、対応スピードや、施策細部のコントロール、コスト面でトレードオフがあるとも考えられます。

自社の状況次第では、内製と代理店活用を組み合わせたハイブリッド運用によって、双方の長所を取り入れることも検討すべきでしょう。

スマートフォン向けのアドネットワーク広告で成果を最大化するポイント

スマートフォン向けのアドネットワーク広告で成果を最大化するポイントについてご紹介します。

  • コンバージョン計測と効果可視化を徹底する
  • データにもとづき配信最適化を行う
  • スマートフォンに最適化したクリエイティブとLPを設定する
  • 頻度・配信タイミングのコントロール
  • 継続的なABテスト

コンバージョン計測と効果可視化を徹底する

広告成果最適化を図るためには、広告の効果測定ができることがそもそも大前提となります。

そのため、必ず各ネットワークのトラッキング機能や外部計測ツールを活用し、クリックからコンバージョン(成果地点)までのユーザー行動を計測しましょう。

たとえば、Google広告やFacebook広告ではコンバージョンタグをWebサイトやアプリに埋め込むことで、広告経由の購入やインストール数を追跡可能です。適切な計測設定によって、どの広告クリエイティブやどの媒体配信が成果につながっているかを正確に把握できる仕組みとなっています。

また、取得したデータは定期的に分析に取り組み、レポートで可視化することも大切です。クリック率(CTR)、コンバージョン率、CPA、ROASなど主要KPIの推移を見える化することで、問題点や改善ポイントが明確になるでしょう。

たとえば、コンバージョン率が高いユーザー層が判明したならば、今後はその層への配信に注力するといった戦略転換も可能になります。

データにもとづいたPDCAサイクルを回すことで、日々変化するスマートフォンユーザーの行動に素早く対応し、広告効果の最大化を図るという取り組みが大事です。

データにもとづき配信最適化を行う

計測・可視化したデータを元に、配信の最適化を継続的に実施しましょう。

具体的には、成果の高いセグメントには予算を厚く配分し、成果の低いセグメントは絞るといった予算配分の最適化が考えられます。

また、反応率の高いクリエイティブが判明した場合には類似のメッセージに差し替え、反応の悪いクリエイティブは停止するなど、クリエイティブの入れ替えも有効です。

スマートフォン広告では、時間帯や曜日によるユーザーアクティブ率の差も大きいため、配信タイミングの最適化も重要だといえます。広告管理画面のレポートで時間帯別の成果を見ることで、コンバージョンが多い時間帯に入札額を上げたり、不調な時間帯は配信を絞るなど調整をしてみましょう。

さらに、複数のネットワークや媒体にまたがって配信している場合には、その中で特にROIの高いチャネルに重点投下し、低いチャネルは予算縮小・停止する決断も必要です。

データ活用によって、「正しい相手に、正しいタイミングで、最適なクリエイティブを提示する」精度が高まります。その結果として、限られた広告予算から得られる効果を最大化できるでしょう。

スマートフォンに最適化したクリエイティブとLPを設定する

クリエイティブ(広告表現)とランディングページ(LP)は、スマートフォンユーザーの特性に合わせて必ず最適化に取り組みましょう。モバイル端末では画面が小さく情報量も限られるため、視覚的に訴求力のあるビジュアルと、短く要点を突いたコピーが有効です。

たとえば、広告バナーはスマートフォン画面で読みやすいフォントサイズにし、コピーは一目でメリットが伝わるシンプルな言葉を選びましょう。また、動画広告であれば音声なしでも内容が伝わるテロップを入れる、冒頭数秒でオーディエンスを惹きつける演出をするなどの工夫も必要です。

加えて、広告のクリック後にユーザーが訪れるLPもモバイルフレンドリーでなければなりません。モバイルサイトの表示が遅かったり、レイアウトが崩れて使いにくかったりすると、それだけでユーザーは離脱してしまいます。

モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかると訪問者の53%が離脱する」との調査結果もあり、ページ表示速度の改善がコンバージョン率向上に直結するのです。画像やスクリプトを最適化してページを軽量化し、可能であればAMP対応やサーバー増強によって読み込み時間を短縮しましょう。

また、フォーム入力が必要なLPでは、スマートフォンでも入力しやすいUI(自動補完やプルダウン活用など)を意識することも重要です。

つまり、「スマートフォンで閲覧するユーザーの体験を最優先にデザインする」ことがポイントです。せっかく広告で興味を持ってもらっても、クリエイティブが響かなかったりLPでストレスを与えたりしていては、成果につながりません。

モバイルに最適化されたクリエイティブとLPによって初めて広告費が活きてくる点を忘れないようにしましょう。

頻度・配信タイミングのコントロール

スマートフォン広告では、同一ユーザーに何度も広告を見せすぎないようにする配信頻度のコントロールも大切です。広告の露出が過度になるとユーザーに飽きられ、いわゆる「広告疲れ」を起こして効果が低下してしまうと想定されるためです。

ある研究では、同じ広告を6~10回見たユーザーは、2~5回見たユーザーに比べ購買意欲が4.1%減少したとのデータがとれました。「広告を出せば出すほど逆効果になりかねない」という点も指摘されているのです。

そこで、各ネットワークの「フリークエンシーキャップ設定」を活用し、1人当たりの最大表示回数を制限する設定も重要です。

一般には週に数回程度までに抑える方が好ましく、新鮮味を保つためにクリエイティブも定期的に差し替えることが望ましいと考えられます。また、配信期間が長期にわたる場合は途中でメッセージやバナーのデザインを変更し、ユーザーに新しい印象を与え続ける工夫も有効でしょう。

また、配信タイミングについても、ユーザーの行動パターンに合わせることで効果を高められると考えられます。

たとえば、通勤時間帯や就寝前のスマートフォン利用が多い時間には広告を集中的に出す、逆に深夜や早朝は絞るなど、時間帯によるターゲティングも検討してみましょう。特に、SNS系広告ではタイムラインの流れが早いため、リアルタイム性も重要になってきます。

自社のターゲットユーザーがもっともアクティブな時間帯・曜日を把握し、そのタイミングで露出を最大化することで、予算あたりの成果を押し上げられると期待できます。

継続的なA/Bテスト

スマートフォン広告の効果を向上させるには、仮説検証のサイクルを回し続けることが不可欠です。

特に、クリエイティブやターゲティング手法については、小さな変更でも成果に大きな差が出ることがあるため、常にA/Bテストを行って最適な施策を探っていきましょう。

たとえば、バナー広告であれば、画像やキャッチコピーのバリエーションを複数用意して配信し、クリック率やコンバージョン率が高いパターンを見極めます。着地LPについても、レイアウトや訴求内容の異なるページを用意し、どちらが成果により寄与するかについて比較検証を実施しましょう。

継続的なA/Bテストにより、時間とともにクリエイティブの完成度やターゲティングの精度が磨かれていくと期待されます。また、市場や競合環境が変化して広告効果が落ちてきた場合でも、並行してテストしていた別の案に切り替えることで、迅速に施策の改善を実施できるでしょう。

まとめ

本記事では、スマートフォン向けアドネットワークを何種類か具体的にご紹介するとともに、自社に適したアドネットワーク選定のポイントや、インハウス運用・外注運用のメリットとデメリット、広告成果の最大化を目指す上で押さえておきたいポイントなどについて解説しました。

広告運用に「これが正解」というゴールはないため、データを頼りに常に次の一手を試し続ける姿勢が重要です。

特に、スマートフォン向けの広告は、流行やユーザー嗜好の移り変わりが早い分野であるため、「このクリエイティブ、コピーが刺さった」というヒットパターンを出せても、それが必ずしも長期的に有効だとは限りません。

定期的に新しいクリエイティブやターゲット層にトライし、成果が出たらスケール、ダメなら別案に切り替えるという取捨選択のプロセスをデータにもとづいて回し続けることで、長期的に高いROIを維持していけるでしょう。

本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。本記事が、スマートフォン向けのアドネットワーク選定の一助になれば幸いです。

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