ターゲットの基本とは?259万本のクリエイティブを分析してわかったこと【国内最高峰クリエイティブを分析】
- Shirofune広報担当
これまで、259万本の国内最高峰クリエイティブを分析して得られた「成功要素」と「価値の作り方」を公開し、大好評をいただいていた無料レポート。今回は最高峰クリエイティブの『ターゲットの基本』を解説します。
これまでのレポートでも「ターゲット」の重要性は示してきました。
しかし、マーケティングの教科書で言われる、よく知られる「ターゲット」と、最高峰クリエイティブを分析したターゲットとは明らかに意味が違っていました。
いったい、どのように意味が違っているのか、ぜひこの記事をご覧いただければと思います。
広告の投資対効果最大化と工数削減を実現するShirofune(シロフネ)
そもそも「ターゲット」の意味とは
1つの質問
今回解説するのは「ターゲットの基本」ですが、まず1つ質問です。
「ターゲット」とはどのような意味でしょうか?
言葉(英語)としての意味は「標的」や「的(まと)」。そこから派生し、マーケティングの意味としては販売対象、購入者層など表現としてはさまざまですが、要は「顧客層」を意味しています。マーケティングでは「ターゲット」が非常に重要だと言われ、「ターゲット」を明確にすることで企業のコスト、労力、時間などあらゆるリソースを集中させることができる。それにより、効率的な活動を可能にする。そう言われてきたわけです。
しかし、実はそれだけではありませんでした。Shirofuneは膨大な広告運用の中から「成功する要素」を分析してきました。その中で見えてきた「ターゲット」本来の意味、特に「基本」として押さえるべき内容はそれだけではなかったのです。今回はそれらを解説していきます。
国内No.1広告運用ツール『Shirofune』とは
まず、本題に入る前に前提として、Shirofuneが現在提供している、国内シェアNo.1広告運用ツール『Shirofune』は、大手から中小規模の広告代理店、大手企業から成長企業に至るまで13,000超の多くの広告運用にご利用いただいております。そこで展開される広告クリエイティブはわずか3ヶ月程度を集計しただけでも300万本弱(例えば、2022年1月1日から3月31日の3ヶ月のみで259万本です)。まさに膨大なクリエイティブが展開されています。
大好評だった、これまでのクリエイティブ分析
「国内トップクラスのクリエイティブはどのようなものか?」という疑問から国内トップクラスのクリエイティブを分析し、それらがもつ秘密ともいえる「要素(他との違い)」を公開し、レポートをご覧いただく方の広告運用の成果を高めることにつなげてほしいと考え、取り組んできました。分析してきたのは、国内の頂点ともいえるまさに国内最高峰にあるクリエイティブ。加えてクリエイティブ、人間心理(顧客心理)の専門家の協力も得て、どのような要素で構成されているかを最大限分析したわけです。その「要素」を明確にし、優先順位を明らかにしていけば、広告運用での失敗や間違いが減少し、成果につながっていくからです。
大好評だった3つのレポート
実は「ターゲット」が極めて重要だと明確になったのはそれら分析に取り組む中でのことです。Shirofuneでは、下記3つのレポートを公開しております。
3つのレポート
- 『国内最高峰クリエイティブ9つの成功要素<2022年1~3月度CTR版>』
- 『国内最高峰クリエイティブ6つの成功要素<2022年1~3月度CVR版>』
- 『国内最高峰クリエイティブ価値の創り方<2022年1~3月度版>』
以上、3つです。ざっくりと言えば、1つめは「CTR」を高める成功要素、2つめは「CVR」を高める成功要素、3つめは「価値」を創る上で重要な要素。これら3つを公開したのです。
ターゲットの重要性
大好評だった3つのレポートが明確にしたのが「ターゲット」の重要性だったのです。
CTR版の『国内最高峰クリエイティブ9つの成功要素<2022年1~3月度CTR版>』、
CVR版の『国内最高峰クリエイティブ6つの成功要素<2022年1~3月度CVR版>』、
価値を創る要素の『国内最高峰クリエイティブ価値の創り方<2022年1~3月度版>』、
これら3つは全259万本のクリエイティブのうち、最高峰のクリエイティブの成功要素や価値を創る要素を分析したものですが、この3つが重要だとして示したのが「ターゲット」でした。
CTR、CVR、価値の軸で見て上位。マーケティングの教科書といわれる本にはほぼすべて「ターゲット」がでてくるものですが。国内最高峰の広告クリエイティブを分析しても非常に重要な要素だったわけです。ただ、1つ問題がありました。マーケティングの教科書でいわれる、よく知られる「ターゲット」と、僕たちが分析したターゲットとは明らかに意味が違ったのです。
ターゲットの意味が違う
マーケティングの教科書でいう、よく知られる「ターゲット」と、僕たちが分析した「ターゲット」の意味の違いとは何か?
結論からいうと、ターゲットを「意識する」のではなく「使う」のです。
そもそも、マーケティングの教科書などにある「ターゲット」とは何のために必要だったのでしょうか?冒頭で少し触れましたが、再確認です。
意味は「標的」や「的(まと)」。マーケティングの意味としては「顧客層」を意味しています。ターゲットを明確にすることで、企業のリソースを集中させ、効率的にする。そのために「ターゲット」を明確にすることが必要だったわけです。
実際、マーケティング担当の人たちに質問をしても、ほぼ同様の答えが返ってきます。「ターゲットを明確にすれば、きちんと広告を訴求できる」など表現はさまざまありますが、要は企業のリソースを集中させ、効率的にしていくことです。
ところが、今回の分析結果では、そうではなかったのです。リソースの集中や効率的にすることとは意味合いが違ったわけです。
ターゲットは意識するのではなく、使う
国内最高峰のクリエイティブの「ターゲット」の用い方。それらはリソースの集中などのように間接的なものではなく、もっと直接的なものでした。
いわゆるターゲットはリソースの集中や効率的な活用などのためにターゲットを「意識する」ことが重要だったのですが、国内最高峰のクリエイティブでのターゲットは(「意識する」のではなく)「使う」のです。
「意識する」ではなく「使う」(本記事の最大のポイントです)。
それは「ターゲットに訴求する」ではなく「ターゲットを訴求する」のです。
ここは微妙な違いに感じられると思いますが、明らかに大きな違いがあるのです。
まず、いわゆるターゲットの場合。
たとえば、ターゲットが「40代男性」だとしたら、その40代男性に響きそうなことを考え、それを広告クリエイティブ(表現)に反映させます。乱暴にいえば、「40代男性の人に◯◯は響くかな……」と考えたら、その「◯◯」を広告表現に反映させていく。
まさにターゲットを「意識」して対応していきます。
ですが、国内最高峰のクリエイティブで使われるケースで多かったのはターゲットを「使う」のです。具体的にいうと、ターゲット自体を訴求します(使う)。ターゲットが「40代男性」だとしたら、その「40代男性」自体を広告表現に反映させていきます。
ターゲットを意識するレベルではなく、ターゲット自体を使う。ここでのポイントを一言でいうと、顧客に「自分のことかな?」と思わせることです。その意味で、ターゲット自体を訴求することは非常に有効なわけです。
さらに「ターゲット」は製品やサービスの「価値」を創る(高める)要素でもあるのです。
『国内最高峰クリエイティブ価値の創り方<2022年1〜3月度版>』で明確になったのは、価値を創る上で重要な要素として圧倒的1位(9.5%)だったのは「ターゲット」でした。
これは逆説的な意味合いもありますが。製品の価値を強く感じる「ターゲット」を訴求することで、製品の価値を強く感じるターゲットを集め、結果として製品の価値がより一層高まることにもつながるわけです。
ターゲットの使い方
ここまで話したところで「ターゲット」のこれまでと違った意味合いは理解できたと思いますが、1つの疑問が生まれた方もいると思います。どうやって、ターゲットを使うのか?ターゲットを「意識する」のではなく「使う」。その具体的な方法について、です。
訴求方法(ターゲットを使う方法)
実はターゲットを訴求する方法は2つあります。
直接的訴求と間接的訴求の2つです。
この2つを押さえることで、製品やサービスでも確実に用いることが可能です。
訴求方法1:直接的訴求
直接的訴求とは「人」。
つまりターゲットを直接的に対象とするものです。
この直接的訴求で代表的に見られるのは2つあります。
「属性」で訴求するケースと「行動」で訴求するケースです。
「属性」のケースは年齢や性別などさまざまな属性がありますが、それらを用い、ターゲットを具体化させ、表現に用います。「40代男性」などと訴求するものです。
「行動」のケースはターゲットがやりそうな特定の行動を用い、ターゲットを具体化させ、表現に用います。「……した方」「……している方」「……で悩んでいる方」などと訴求します。
訴求方法2:間接的訴求
では、ターゲットを訴求する方法の2つめ、間接的訴求とはどのようなものでしょうか?
間接的訴求とは「『人』以外」。
ターゲットを直接的に対象とはせずに、間接的に訴求するものです。
ただ、人以外では「ターゲットを訴求できない」「間接的な訴求のイメージがわかない」という人もいると思います。
たしかに人以外を訴求するといわれれば、イメージがわかないのも無理はありません。
どういうことかというと、ターゲット自身のことではないのですが、ターゲットに関連する事柄などがこれに該当します(「人」以外)。
たとえば、「新宿」などの特定の地域を訴求することで、そこに住む人、勤務する人に対して訴求することが可能になります。
「新宿の美味しいレストラン」とあれば、新宿に住む人、新宿に勤務する人などは気になりますよね。そのような訴求のことです。
まとめ
ここまでが本記事をご覧いただいている方に伝えたかった「ターゲットの基本」です。
最後に簡単なまとめです。
本記事をご覧いただいている方への質問です。
全てを反映する必要はありませんが、ぜひ参考にしてください。
知識を得ることより、知識を活かすことが重要です。
本記事をご覧いただいている方のクリエイティブが少しでも改善し、成果につながることを願っています。
今回、お話した内容はあくまでも2022年1〜3月度のデータを分析したものです。
正直な話、これが全てではありません。絶対でもありません。
今回の内容は2022年1〜3月度の特定の期間について分析したものですが、今後も継続的に見ていただくことで、より精度の高い「正解」に近づいていきます。
クリエイティブは広告運用の「伴」となる要素。Shirofuneも特に重視しています。
正解が見えにくい広告の世界ですが、最大限「正解」といえる内容を引き続き提供していきます。それによって、本記事をご覧いただいている方の広告運用、広告の展開がより良いものになればと願っています。
- この記事を書いたライター
Shirofune広報担当