【保存版】ソーシャル時代のLP戦略〜考え方から応用まで〜
- 相原 祐樹
本記事は、ランディングページ(LP)に知見の深いFREE WEB HOPE代表取締役社長・相原祐樹氏の寄稿記事になります。
広告効果最大化と運用効率化を実現する「Shirofune」の資料を請求する>
相原 祐樹(あいはら ゆうき):1985年生まれ。趣味でのオンラインゲーム開発を経て、知人のベンチャー企業にて販路開拓・新規事業の立ち上げに関わり、WEBサイトのシステム構築等を経験。サラリーマン時代はITベンチャー企業入社後3ヶ月でTOPセールスに、その後メディア事業の立ち上げに携わるようになり企画・制作・営業を兼任。2011年9月に株式会社FREE WEB HOPEを設立。リアルでの営業経験+WEB集客ノウハウを活用しランディングページ制作を専門的に行うようになる。コーポレートミッションは「日本で一番期待を越える集団」
※Twitter:@fwh_aihara
はじめまして、株式会社FREE WEB HOPEの相原です。
8年間ランディングページ(以下、LP)ばかり作っていて、年間100本以上作っているようなLPオタク会社です(笑)。BtoBでもBtoCでもなんでもありで作り続けてきました。もちろん事業の主軸はLPと広告です。
受託の会社としては結構作っている方なのではないかと感じています。
著書:現役LPO会社社長から学ぶ コンバージョンを獲る ランディングページ
今回は「ソーシャル時代のランディングページ戦略」という内容でチャネルが多様化している今の時代に、どうしたらランディングページから沢山のコンバージョンが発生するのかを、出し惜しみなく書いてみました。
目次
LPで成果を出すためのポイント1:テンションをマッチさせる
LPで成果を出す3つのポイントその2:構成
・1.セールス特化型LP
・2.記事コンテンツ型LP
・3.ドキュメント型LP
3つの構成のまとめ:人の気持ちを慮ることがLP制作のベースとなる
LPで成果を出す3つのポイントその3:デザイン
・LPデザインで意識していること
・トップビューの鉄則は3秒ルール
キャッチコピーの作り方
・世界最軽量のノートパソコンの特徴的な機能
・この商品を買う人は誰ですか?
・キャッチコピーまとめ
LPを改善したいなら、LPの外側を改善すること
LPはあくまで一施策。ベースにあるのはブランド
ホワイトペーパーは「2000円で売れるコンテンツ」にせよ
・レビュー獲得と反映の仕組み作りで、ダウンロードを加速させる
まとめ
大前提として、LPで成果を出すには「人の気持ちを慮る(おもんぱかる)こと」が重要です。
人の気持ちを慮れていないLPは、商品のスペックや凄さを訴求しすぎるあまり、売り感が強く、言葉がわかりづらくなってしまい、読者のテンションと一致していなくなります。
成果の出ないLPは、下記3つのポイントを押さえられていないものが多いです。
⑴テンションがマッチしていない
⑵構成がイケてない
⑶デザインがイケてない
一つずつ解説していきます。
LPで成果を出すためのポイント1:テンションをマッチさせる
ポイントの1つ目は、テンションをマッチさせるです。
極端ですが、ディズニーランドにいる時と家でテレビ見てる時のテンションは違いますよね。
出稿先の媒体(とそこにいるユーザー)と、リンク先のLPのテンションがマッチしているかどうかは、非常に重要です。テンションとは気分のことで、モチベーション(動機)とは異なります。モチベーション(動機)とは潜在的に人が持っている欲求です。例えば、食べたい、寝たい、モテたい、危険を回避したい、儲けたい、便利であってほしい、人より抜きん出たい、などの誰にでもある欲求です。
このような根源的な動機・欲求を刺激させようとしてLPの企画構成を作り始めるのは、最初の一歩としては成功です。間違っていません。さらに、ここでテンションにまで気を配れると、素晴らしい成果を出すことができます。
テンションについて解説します。テンションは、モチベーション(動機・根源欲求)という土台の上にあります。
例えば、既に痩せていて細マッチョであれば「やばい痩せなきゃ!」と思わない。つまり「痩せたい」(モチベーション)という土台が存在しません。
世の中にある成果の出ていないLPは、このモチベーションとテンションがユーザーにマッチしていないケースを非常に多いです。
みなさん、検索広告全盛時代のLPの作り方を引きずっている印象があります。
検索広告全盛時代に存在したLPは、私たちが「セールス特化型LP」と呼んでいる購入一直線型の形式がほとんどでした。下記画像がセールス特化型LPのトップビューになります。「LP」と聞けば、最初に想像されがちなベタなテイストです。
このやり方を今なお利用している会社さんが多い。
このやり方自体の問題は「いわゆるLPみたい・・・」なところでも「売り感が強そう・・・」なところでもありません。広告出稿媒体(とそこにいるユーザー)とテンションがマッチしていないことに問題点があります。
想像してみてください。Twitterを見ているとき、たまたま広告をクリックしたとします。Twitterから飛んで、上記画像のようなWebページが出てきたら、ちょっと”テンション”が違くありませんか?
一方、Googleなどの検索画面で「ランディングページ 制作会社」と調べていたとしましょう。その時にクリックした検索広告から上記画像が出てきたとします。先ほどと異なり、この場合は全く問題がないでしょう。
検索広告はユーザーが能動的に検索した結果、出てくる広告なのに対して、SNS広告(Facebook、Instagram、LINEなど)はタイムラインに勝手に出てくる受動的な広告ですよね。
私はYouTubeでとても嫌いな広告があります。ビジネスセミナー系の広告なのですが、これが出てくると凄く嫌悪感があります。一方で深田恭子が紅茶を飲んでいる広告は好きです。癒されます。釣りYouTuberを見ているときに、「ビジネスセミナーで全員成功したろ」という広告ですよ、嫌で仕方ありません。マッチしていないとは、そういうことです。
広告とは、「媒体とLPの接地面」と考えていただくと、もっと概念を理解しやすくなります。
広告のクリエイティブや文言は動機を刺激し、テンションをわずかにアップさせます。あえて「わずかにアップさせる」と書いたことには理由があります。
広告を閲覧した人の状態や、コピーライティングの内容、プロダクトの素晴らしさによってはテンションが強く高まる場合もありますが、殆どの場合は「わずかに」アップする程度でしょう。
広告の段階では「これは凄そう」「おもしろそう」「必要そう」といかに思ってもらえるかにかかっています。
もう少し深く考えると、ユーザーはタップする前に「あえて期待をかけない」バイアスがかかります。損失回避の法則といいます。
例えばあなたがTwitterを見ているときに、なんだか素晴らしそうな業務改善のクラウドサービスの広告が回ってきたとします。広告文もクリテイティブもおもしろいし、リツイートもいいねもそれなりについている。
「お、なんかこれよさそうだな」「自分にとって良いものであってほしい」と思う反面、クリックする直前には「どうせお高いんでしょ・・・」「どこぞのスタートアップがテキトーに作った代物かもしれない・・・」と思いながらクリックします。
つまり、期待はしているものの、その反面「広告をクリックした自分の期待を裏切られても大丈夫なように予め期待値を下げ、言い訳を用意している」のです。
あなたの広告は、わずかでも期待されてクリックされています。そしてユーザーは反対に自分が損しないように疑念も持っています。
つまり、単純にその疑念を解消しましょう。むしろ上回りましょう。クリエイティブと、コピーで良い意味でその期待を裏切りましょう。
1つ質問です。
「で、このLPにはどの広告をいくらかけるんですか?」
ここでFacebookやGoogleを検討してるけど、「う〜ん・・・。」みたいな感じになってしまうと、失敗フラグが立っているようなものです。
ペルソナを詳細に考えているのであれば、自ずと「どの媒体にどれぐらい広告予算をかけるか?」は見えてくるはずですし、あとはテンションを考えるのみでOKのはずです。
「Twitterにいるユーザはこうだ!」「Facebookユーザーだとこうだ!」と断定することはできません。私もTwitterもFacebookも両方やってますし(笑)。
そうではなく、自社の顧客となりえる人が「Twitterを見てる時って、Facebookを見てる時ってどんな気持ちだろうね?」と、深く考えていく必要があるということです。そして、その気持ちやテンションすら一人ひとり違うという認識を持つ必要があります。
Twitter上で良しとされること、よくバズるもの。好きなノリ。これらは、ユーザーの年代や職業によっても変わります。10代学生と30代経営者で、全く同じはずがありません。
ソーシャル時代において、LPが失敗するポイントはここにあるんです。商品のスペックファーストで、ユーザーを無視した全くテンションの違うLPをリリースしても結果は出ません。
では、どんな媒体のときにどんなLPが合うのか、LPで成果を出すためのポイント2つ目、構成の話に入っていきます。
LPで成果を出す3つのポイントその2:構成
僕らの中ではざっくり、LPを3つのカテゴリーに分類して名称をつけています。実際の現場ではパッケージ化して使っているわけではありませんが、今回は分かりやすくカテゴライズしてみました。
1.セールス特化型ランディングページ
2.記事コンテンツ型ランディングページ
3.ドキュメント型ランディングページ
それぞれ、使いどころと、向き不向きがあります。実際のLPを見ながら進んでいきましょう。
1.セールス特化型LP
セールス特化型LPは「これぞLP」といったテイストのLPです。購入(コンバージョン)に向けて一直線に向かうのが特徴です。能動的な検索広告から遷移するLPならば、こちらのタイプのLPは強いです。メリットは、デザイン・レイアウトが自由でデザイン表現も自由なので、最大限、自社のブランドを表現できる点です。
主にGoogle広告やYahoo!広告などを始めとした、キーワード連動型の広告で活躍します。ニーズが顕在化しているものに対しては、ストレートに強みを訴求したLPを作ります。
キーワードによってニーズに違いがある場合は、ニーズごとLPの内容を少しずつ変えることもあります。トップビュー部分だけ変えることもあれば、その下の内容も変えることもあります。
2.記事コンテンツ型LP
いわゆる「記事LP」と呼ばれるものです。文章を中心としており、ブログのような見せ方で作ります。記事コンテンツ型LPの場合は、ユーザーの好奇心を刺激してLPに遷移してもらいます。売り感が少なく、情報が豊富なので、ユーザーが持つ抵抗感が少ないのが特徴です。
とはいえ、最近では「広告っぽさ」は誰にでもわかってしまうので、徹底的なユーザー目線でコンテンツを書いた方が良いでしょう。ユーザーを舐めてかかって上手くいったケースを、僕は知りません。
広告媒体としては情報収集ニーズが高い媒体でうまくいくことが多く、インフィード広告やSNS広告、ニュースメディアやアプリでの配信が有効です。
キーワード次第では検索広告から記事コンテンツ型LPに遷移して成果が出ているケースもあります。他にも、自社のメールリストに配信して上手くいったケースもありました。グローバル展開しているお客様でしたが、アジアでNo.1の成果が出ました。
toC向け商品ですとアフィリエイト広告でもよく使います。海外向けのアフィリエイトでも活躍しています。BtoBであればあえて広告とわかるようにしてしまって、体験記事や対談など、リアリティのある形式が向いています。
ここでもテンションを考えてみると、例えば、メルマガが送られてきて「セールス特化型LP」が配信されてきたら嫌ですよね? 逆に、お役立ちコンテンツのような記事コンテンツ型LPを配信した方が、読まれる確率は高くなりますよね。
3.ドキュメント型LP
いま僕の一押しなのが、ドキュメント型LPです。こちらは当社の研修サービスなのですが、CPAは4,500円前後、CVRは6%前後で獲得が出来ています。それも、もう2年間ずっとブレません。
記事コンテンツ型LPと類似していますが、ちょっと違います。僕たちはドキュメント型LPを「媒体資料(ex.Twitter)のようなLP」と呼んでいます。特徴としては、売り感はあるものの主義主張をブログコンテンツのように書いていくところです。媒体資料に少し手を加えてそのままLPにすることもあります。
大事なポイントは、セールス特化型LPほどゴリゴリはさせないけど、きちんと自社のアピールはすることと、世界観を作りこむこと、です。SNS系の流入が多い場合に活躍しています。
3つの構成のまとめ:人の気持ちを慮ることがLP制作のベースとなる
「LPを作って成功させるためのポイントは何ですか?」と聞かれたら、人の気持ちを慮ること。これに尽きます。
自社の商品の素晴らしさ、いかに他社製品より優れているか、しか考えていないものではなく、見る人や広告を配信する媒体のことをよく考えて作りましょう。
極端な話、大学の入学式の時に商品を売り込みに行っていたら「あの人、空気読めないな」となりますよね。これが先ほどから繰り返し述べている「テンションをマッチさせる」重要性です。僕がお客様から依頼を受けた際、必ず聞くのは「誰がどこから来るのか」です。
そして、このように思考します。
「20台中盤のエンジニアがTwitterで広告を見て流入か・・・この会社の強みが◯◯だからそれをどう表現した広告だと踏むかな・・・?そのときどういうテンションだろう・・・?期待?なんとなく踏んだ?わくわく・・・?・・・じゃあLPはこういうテイストがイイかな・・・?メッセージはこうだと刺さるかな・・・?いやこれだと・・・」
といった具合に、媒体とユーザーにフォーカスしながら思考しています。
LPで成果を出す3つのポイントその3:デザイン
デザインとは“世界観”とも言い換えることができます。小手先のテクニックで流行りのフラットデザインとイケてるテック感を兼ね備えた表面だけのカッコいいデザインではなく、世界観を表現したデザインのことを指しいます。
LPでもWEBサイトでも、「どんなコンテンツを掲載するか?」「ホワイトペーパーの内容はどうするか?」などコンテンツに関する議論は活発ですが、「どんな印象を持ってもらうか?」「どんな体験をしてもらうか?」が議論がされることは、ほとんどありません。
でも、考えてみてください。先ほどの思考にあったように、ユーザーはなにかしらの期待を持ってLPに遷移してきます。小さくても、“なにか”に期待しているのです。
ゲームなら「なんとなく楽しそう」。SaaSなら「なんとなく便利そう」など、小さくても何か自分の欲求を満たしてくれるものがクリックした先にあるんじゃないか・・・と思ってクリックします。
そうであれば、期待感を裏切らないように、ひいては「思ってたより凄そうだ!」と思ってもらえるように、デザインにこだわる価値があるのではないでしょうか?
LPデザインで意識していること
私たちがデザインを行う時に意識していることは3つあります。
・いかに違いを生み出すか
・いかに人の目を惹きつけられるか
・いかにブランドを盛り上げられるか
今の時代は、セールス特化型LPの一本槍では、人の心は動かせません。「もっと安いものがあるのではないか?」、「もっと良いものがあるのではないか?」と思われてしまう可能性もあります。
そして、実際にそれは存在することが大多数でしょう。だからこそ、必要性に訴えかけるのではなく、「欲しい」と思ってもらう必要があるのです。
プロダクトやUSP(Unique Selling Proposition)で違いを産むことは非常に難しい。プロダクトの機能を磨き込むだけでなく、ブランドで違いを産むことにも精を出すべきです。優れたデザインはそれを手助けしてくれます。
残念ながら、私たちはデザインに対して明確な答えを持っていません。例えば、「トップビューを動画にしたら離脱率が下がった」などのデータはありますが、全案件で再現するわけでもないですし、仮に再現したとしても、ブランドやプロダクトを表現するうえでは、動画を使う方が適切かもしれません。動画だけでなく、LPの見た目をダサくしたらCVRがあがったりと、中々深い世界です。
そんな中で、どうやってデザインを作っていくのか? 答えは、“明確なコンセプトを設定すること”です。
あなたのプロダクトは、どう見られたいですか?どう見られるべきですか?どう見られると競合他社に比べて有利でしょうか?何かの期待感を持って広告を踏んでくれたユーザーに、どういう体験をしてもらいたいですか?
まずは稚拙でも、単語にしてみましょう。
・わくわく感
・すごそう感
・やすそう感
・たかそう感
・かわいい感
・おいしそう感
・かっこいい感
・キャッチー感
ここから広げていくイメージです。
よくある勘違いが、ちょっと高めの美容商品を売っていたとして、“高級感”を全面に打ち出すことです。「商品が高い」=「高級感のあるデザイン」という視点でデザインを構築することは、ユーザーを無視したアプローチです。
例えば、「髪の悩みを解決できそうな“ちょっと高い”シャンプー」であれば、高級感よりもすごそう感やわくわく感を演出するほうが、ユーザーにフィットすると思いませんか?
こうしたキーワードを1つか2つ決めて、LPのデザインコンセプトの軸にしましょう。それらは“コピーの軸”にもなります。
「わくわく感」と決めたのならば、レビューする視点は「広告から飛んできたユーザーがわくわくするかどうか?」に絞ってください。そして、できれば、あなたが見ていてわくわくしたLPをいくつかピックアップし、それを題材にデザイナーとディスカッションをしてみましょう。
頭に入れるべきキーワードは「Wants」です。「これが欲しい!」と思ってもらうことが大事です。デザインの力でそれを表現しましょう。
ファーストビューの鉄則は3秒ルール
特にファーストビューは一番大事です。LPを見た際に「自分に関係のあるものだ」と思ってもらえないと、ユーザーは3秒以内に離脱してしまいます。私たちの中では「3秒ルール」と呼んでいます。
自分が欲しいと思える情報があるかどうかを判断するのに、ユーザーは3秒以上も時間はかけません。キャッチコピーとパッと見のデザインが、LPを見てもらえるかどうかにおいて非常に重要になります。
まず、キャッチコピーについてご説明します。
キャッチコピーの作り方
キャッチコピー作りで確認して欲しいことがいくつかあります。
1.あなたの商品が解決できる本質的な問題は何か?
2.あなたの商品で他社が真似出来ない1番の要素は何か?
3.ユーザーに何を提供したら喜ばれるか ≠ ユーザーが欲しているもの
この3つの要素は、ユーザー側のインサイトと、製品側のベネフィットをいったりきたり思考する際に必要なものです。正直、私自身も毎回めちゃくちゃ悩みます。どういったコピーにするべきかは「USP型コピー」と「ベネフィット型コピー」という2つの概念で説明できます。
USP型コピー=「Unique Selling Proposition型コピー」。あなた独自の強みを表す
ベネフィット型コピー=商品を手にしたユーザーの未来。ユーザーの”変化”を表す
まずは「世界最軽量のノートパソコン」を例にとって、ベネフィット型コピーを作る思考プロセスをたどってみましょう。
世界最軽量のノートパソコンの特徴的な機能(※架空の商品です)
・Core i7
・メモリ16GB
・512GB SSD+1TB HDD
・15型フルHD液晶
・700g
・価格は78,000円
これらの機能をベネフィットに変換します。
まとめると、
・処理速度が速く、イライラしない
・写真や音楽の保存を気にせず出来るようになる
・映画やスポーツが良い画質で見れる
・軽くて持ち運びに疲れない
・そこそこ安い
このように、ベネフィットとは、「その機能がユーザーにもたらす変化」を表します。‘‘ユーザーの変化”がポイントです。
このノートパソコンの強みは、「世界最軽量」なので、一番の強みは軽量部分にある。そのため、「軽くて持ち運びに疲れない!」は文句なしに訴求するポイントなのですが、他の機能もユーザーに恩恵があることがわかります。
この商品を買う人は誰ですか?
・ノートパソコンが壊れた、古くなったから買い換えたい人
・今まで使っていたノートパソコンは重くてゴツくてかっこ悪い
・13型を使っていたけど画面が小さい、15型になるとデカすぎると思っている
・薄くてバッグに収まりが良いものが欲しい
・Macは使ったことが無い
・10万円以下で探している
・スペックが低すぎるものはNG、5万円以上は覚悟している
この時注意して欲しいのは、「買ってほしい人」や「買える人」を書き出さないことです。あくまで「この商品を実際に買う人」=「必要性のある人」を書き出してください。この製品が役に立てる人です。
さて、世界最軽量のノートパソコンの機能を分解し、ベネフィットに変換した後に、今度はこの商品を買うであろうユーザーのニーズを書き出してみましょう。
これらのニーズを満たすベネフィットでコピーを書いてみると
世界最軽量のノートパソコンで持ち運びが楽々に!
どんなバッグにもスッと収納できる薄型モデルが、78,000円で購入できます。
となります。
その他のベネフィットは、ボディコピー以下で説明していけば、購入の後押しができるでしょう。
例えばこんな感じです。
世界最軽量のノートパソコンで持ち運びが楽々に!
どんなバッグにもスッと収納できる薄型モデルが、78,000円で購入できます。
Core i7/メモリ16GB、これはエクセルやワードを使った作業をしながら動画編集ソフトを同時に立ち上げてYoutubeを視聴しながらでもビクともしないスペックです。さらに15型のフルHDで映画やスポーツもとてもきれいに再生可能で、しかも1テラの容量とは動画でいうと166時間分の保存が可能です。
こうしていくと、ユーザーが欲しくなるコピーが書けるようになってきます。
注意点としては、ユーザーが欲しくならない要素は書かないようにしてください。例えばこの商品に有名デザイナーが考案したロゴがついていたとしても、ユーザーとは関係ないので、「書かない or 下の方におまけ程度にするか」の2択となります。
扱う製品がBtoBの場合は、ベネフィットを追及していくと、究極は「売上アップ」になります。
採用も、業務効率化も、ランディングページも、福利厚生も、何のためにやるのかと言ったら「売上アップ」のためです。
この場合、他社との違いが重要になってきます。例えば、私たちは売上アップの方法として、ランディングページの制作をしています。なぜランディングページが売上につながるかというと、、、強みは、、、価格は、、、、という具合です。
このようにしていくと、人が欲しくなるベネフィット型コピーを書くことができます。
一方で、それほど悩まずとも書けるコピーがあります。私たちはそれらを「USP型コピー」と呼んでいます。
USPとは「Unique Selling Proposition」の略で、簡単に言うと‘‘独自の強み”、オリジナリティのことです。例えば、「一番安い」、「特許を持っている」、「売上実績No.1」など。1位のものや他にない独特なものです。
USPは独自の強みなので、ウォンツが明確な時はこちらを使った方が効果的です。
「ウォンツが明確」とは、例えば「クレジットカード ポイント率」などで、製品が探されている場合です。
「クレジットカード ポイント率」と検索する人のウォンツは「ポイント率の高いクレジットカードがほしい」です。
USP型コピーであれば、「ポイント還元率No.1のカードはこれだ」となりますが、ベネフィット型コピーにしてしまうとと「クレジットカードを持ってキャッシュレスな生活を送れます」になってしまいます。
「いやいや、ポイントのことが気になっているんだけど…。」となりますよね。このような場合は、シンプルに1位を訴求した方が強いです。数多くのLPを制作していて思うのは、、やはり最安値やNo.1の訴求は強いです。特に検索広告では最低でも相見積もりの土俵には乗れます。
ちなみに、USP型コピーにはちょっとしたコツがあります。それは、ウォンツを深堀りしていくことです。
例えば、下記のように深掘りしていきます。
・「クレジットカード ポイント率」と検索するユーザー
→ポイント率の高いカードが欲しい
→なぜ?
→普段の買い物で使うので、一番お得なものがいい
→なぜ?
→貯めたポイントで旅行に行きたいから
ここまで深掘りすると下記のようなコピーが考えられます。
「他社比較済み、普段のお買い物で一番ポイントがたまるカード、それが●●●カードです」
「普段のお買い物で最速で沖縄旅行に行けるカード、それが●●●カードです」
もし、圧倒的に有名な製品の場合は、ロングテールワードに限らず、シンプルにそれを打ち出すことも効果的です。
しかし、多くの商品は強みが拮抗していたりユーザー側に良し悪しの判断軸がなかったりするので、ベネフィット型コピーやUSP型コピーのどちらかを考えます。
何度も言いますが、ユーザーに関係のないものや意味がないものは、たとえNo.1であってもスベります。例えば、マーケティングオートメーションツールで「一番多機能!」と言われてもユーザーには関係ないかもしれませんよね。
キャッチコピーまとめ
少し複雑だったかもしれません。ここで一旦キャッチコピーのポイントをまとめます。
・機能やスペック押しはやめて、機能がもたらしてくれるものを書き出そう
・商品を購入するユーザーのニーズを書き出そう
・それらをカバーできるコピーを書いてみよう(出来れば一番の機能を打ち出した形で)
・ロングテールワードではシンプルに強みを訴求しよう
・ユーザーに関係ないものは排除しよう
LPを改善したいなら、LPの外側を改善すること
FREE WEB HOPEへの反響用のLPでも、現在運用しているものが4,5本はあります。繰り返しになりますが、ユーザーのテンションはチャネルによって違います。そのためチャネルごとに合わせたLPを複数作り「小さくたくさん稼ぐ」ことが大事です。
また、CPAは安い・高いではなく最適かどうかが重要です。BtoBなら、商談化率や受注率を考えて、ここまでならOKというラインを考えれば良いわけです。たとえば、1本のLPからCPO(Cost Per Order)ベースで数字が合っていれば、私たちならこのLPの改善はやめて、新たに別のLPを作ります。チャネルを増やしたり、同じ内容のまま見せ方を変えます。たとえば、Twitterのチャネルを増やす場合、インタビューコンテンツのようにして読み物として価値あるものを作り、最後に特典をつけてリードを獲得します。
このように、媒体マッチ、ユーザーテンションというのは複雑に絡み合っています。
もちろん、LPを一度作ってうまくいく時もあります。しかし、イマイチな時もある。
昔聞いて印象に残っている言葉があります。それは「KPIは数字にせず、施策の数にした方が良い」。CVRや売り上げなどの数字ばかり見ず、「今月は5個施策を出して、それを全て実行していこう」これで良いんです。悩んで予定していた施策が打てなくなるより、行動に落としてやりきる方が効果が上がります。
そもそも、LPのCVRは10%を超えていたら相当すごいです。逆に言えば、そこまでがせいぜいの限界。であれば、もう少し視野を広げてマーケティング全体をしっかり見る。究極的には、LPを改善したいなら、LPの外側を改善することです。
LPはあくまで一施策。ベースにあるのはブランド
ここからは、本テーマとは多少ズレますが、8年間LP制作をしてきた僕だからこそ書けることをお伝えしていきます。
LP制作で成果を出せる企業様には共通点があります。それはブランドの世界観があることです。機能や価格などの強みは模倣される可能性が高いですが、ブランドは一度認知されると模倣されることがほぼないからです。そして、良いブランドには違いがあります。
たとえば、日本発の顧客管理システムとSalesforceを比較した時、全く違うと思いませんか。これがブランドです。たとえ同じ機能があったとしてもブランドに差があります。
だからこそ、ブランドの世界観が確立されているものはそれだけで違いを生みやすく、LPを制作しても成果が上がります。
一方で、ブランドが全くないとキャッチコピーの強さで勝負するしかありません。実際煽ったコピーは成果が出やすいです(オススメしませんよ)。しかし、短期的なコンバージョンが取れても、その成果は長く続かないでしょう。
当然ですが、ブランドはLPだけでできるものではありません。そもそも、LPはマーケティングの中の一機能・一施策です。
LP単体では、マーケティングではなく、オンラインセールスです。
縦横の施策の連続性を持たせて思考しないと、営業力だけ強い会社みたいな感じになってしまいます。
何をやるにしてもベースは間違いなくブランドにあります。「自社にはブランドがない」と思ったとしても、それはブランドが「弱い」だけで、ブランドが「ない」わけでありません。
ブランドを考えると、LPでやるべきこと、やるべきでないことが自ずと見えてきます。例えば、高級感があってかっこいいトースターなどを提供する「BALMUDA」が「格安!!」なんて売り方をするはずがないですよね。
ご相談をいただく中で上手くいくのは「ブランドがきちんと確立されているが、LPではこの世界観をどうやって表現していくか」のような相談です。短期的に急激に成果が出ないとしても、長期的に成果を出すことができます。
ちなみに、ブランディングにはあらゆる活動が関わっています。TwitterなどのSNSでファンを作る、外部メディアで情報発信する、登壇するなど、あらゆる活動がブランド確立に関わってきます。短期間でできるようものではありません。これはBtoBだろうがBtoCだろうが一緒です。
ホワイトペーパーは「2000円で売れるコンテンツ」にせよ
最後に1つ、LP内で提示するホワイトペーパーについて説明していきます。
ホワイトペーパーにも鉄則があります。ホワイトペーパーは「2,000円で売れるコンテンツ」です。2,000円で売れるコンテンツは本当にダウンロードされます。
なぜ、2,000円なのでしょうか。たとえば、1万円分の服をお店で購入したとしましょう。その時に「1万円分のお買い上げなので、メルマガに登録してもらえるとこの場で10%引きになります」と店員さんに言われたとします。これが、10%引きではなく20%引きだったらどうでしょうか。一気にメルマガ登録率が上がりそうですよね。もちろん個人の所得差によって異なりますが、人が自身のメアドを渡して良いと思う価値は、だいたい2,000円以上と言われています。
FREE WEB HOPEでは同じホワイトペーパー型LPを約2年間使っていますが、未だにダウンロードされ続けてリード獲得に貢献しています。
ホワイトペーパーは最初、中身がわからないので、ダウンロードされるかどうかはタイトルか、あるいは時流に乗っているかどうかですね。
そして、タイトルに伴ってコンテンツが2,000円以上の価値があると自身で評価できるものであれば、ホワイトペーパーから獲得したリードもきちんと案件化していきます。資料ダウンロードされてリードは溜まるものの、案件化されないといった課題をよく聞きますが、それはコンテンツの質に問題があります。
考えてみてください。ユーザーは期待してホワイトペーパーをダウンロードします。その内容が期待以下であれば、たとえ電話がかかってきても電話に出たくないですよね。
レビュー獲得と反映の仕組み作りで、ダウンロードを加速させる
ホワイトペーパーの中身にも仕掛けを施してあります。一つは、レビューしてもらえるようにホワイトペーパー内の随所にボタンを設置し、フォームへのURLを仕込んでいます(Googleフォーム)。
ただ、GoogleフォームのURLを貼っているだけではレビューを獲得することは困難でしょう。そのため、レビューを書いてくれたら動画をプレゼントしています。これにより、レビューが溜まっていきます。そして、書いてもらったレビューをLPに反映させていきます。
まとめ
ランディングページで成果を出す方法。それは「人の気持ちを慮ること」です。
特にソーシャル時代においては、検索キーワードと異なりニーズが見えづらいので、この考え方をより深くしていかないと勝てる気がしません。
ホワイトペーパーのテクニックについても触れさせていただきましたし、本記事の中にはいくつかのテクニックも盛り込んでいます。しかし本当に大事な事はあなた自身がノウハウを蓄積していくことです。その第一歩はテクニックをかき集めることではなく「人の気持ちを慮ること」これに尽きます。
広告効果最大化と運用効率化を実現する「Shirofune」の資料を請求する>
- この記事を書いたライター
相原 祐樹